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相棒はご先祖サマ!?  作者: 樹洞歌
34/65

第34話 俺だよ、俺。シタッパーだよ


 今街道は血の川になっている。フラグを立てたわけでもないのに何故か連続で盗賊に襲われるハーベスト商会。お祓い受けてみませんか?




 盗賊の始末は新さんたちに任せて、俺は今山を登っている。

 マップの反応におかしなところがあったのだ。


 さっきまで盗賊たちが隠れていたところに今もまだ一つの反応がある。馬とかじゃなくて人間らしい反応が。


 盗賊の関係者には違いないだろうが、何のために? 誘拐してきた人質? それなら見張りくらい置くだろう。予備戦力ならもう少し多いと思う。まさか『先生! お願いします!』『ど~れ』をやりたくて一人強いのを残してるとか?

 見てみたい気もするが、行けばわかる。


 マップがあるからすぐに発見。即鑑定!


 ふむふむ。やっぱり『職業』が見られないので断定はできないな。状況証拠じゃ真っ黒なんだが。

 ここはあの魔法を活用しよう。


「よう、コアクット。仕事は終わったぜ?」


「な、何だ! おめえ!」


「おいおい。いきなり声掛けた俺も悪かったが、よく見ろ。親友のお前にどうしてもって頼まれて一仕事してきたんだぞ。俺のこと親友のお前が忘れるわけないだろ? シタッパーだよ」


「あ、ああ、そうだった。おめえに頼んだんだ。いきなり出てくるから驚いたぜ。ってゆうか、終わった? 負けそうだったじゃねえか!」


「おいおい。俺がここに居るのが証拠だろ? まあ、何人かやられちまったが、相手は何人だっけ?」


「6人のはずだ」


「ほら。人数差で俺たちの勝ちだ。もう一度見てみろよ」


「あ、ああ……」


「ほらな。俺たちの勝ちだろ?」


「そ、そうみたいだな」


「でよ、俺はもう一度この仕事の条件を確認しに来たんだよ。ほら、俺とお前は親友だけど、仕事は仕事だろ? 親友に隠し事は無しだしな」


「ああ、そうだな。親友だからな……」


「で? 誰に頼まれたって言ってたっけ?」


「アークノ商会だ」


「あれ? 貴族じゃなかったか?」


「まあバックには誰か居るんだろ? 俺はしらねえよ」


「そうだったな。それで、一昨日も襲うように言われたろ? あれ? あれはお前の仕事じゃなかったっけ?」


「ああ、あっちは失敗したからな。今日は護衛の5倍人数を集めてやったぜ」


「よく護衛の数がわかったな」


「鳥を使役できる魔法使いが居るからな」


「ふ~ん。そうなんだ。あ、殺しちゃダメなやつって誰だっけ、下の連中見境ないからな~」


「ばっか! 商会の会長夫人は殺すなって言ったじゃねえか!」


「ああ、そうだった、そうだった。忘れてねえぞ。元々女は殺さないつもりだったし。で? 親友のコアクットなら雇い主からも信用されてるだろうし、この襲撃の本当の狙いを聞いてて当然だよな? 親友なんだし」


「あ、ああ……大きな声じゃ言えねえがよ。どうもあの会長、向こうの会長の女房に横恋慕してるらしい。それで向こうの会長に毒を飲ませて病気にしてよ、無理な取引させて身代をつぶそうってしてるわけだ」


「あれ? いい薬があるんじゃなかったっけ?」


「そりゃ解毒薬くらいあるだろ? ま、渡す気がねえからこうやってジリジリ追い込んでんだろ?」


「ああ、そうだったな。おっと、引き止めすぎたな。こっちは俺が後片付けしておくから、親友のお前は一足先に報告に戻ってくれ。アークノ商会には『仕事は成功した』って言ってくれよ?」


「お、俺一人でか?」


「馬があるだろ? どこに置いたっけ?」


「ああ、この獣道を下りたところに繋いである」


「じゃあ、俺たちのを残して先に行ってくれ。報告は速い方がいい。頼むぜ親友」


「あ、ああ。わかった……」



 ふ~……き、緊張したあ~。

 俺、演技派じゃないけど、何とか成功したみたいだ。


 しかし『闇属性魔法』怖いな!

 荒野の魔法検証でナビさんにじっくり聞いておいたけど、試しようがなくていきなり実戦投入だもんな。

 この世界で知られている初級魔法『魅了』と『思考誘導』を俺なりに、ラノベ知識を総動員して使ってみたけど、魔法自体は『無属性魔法Ⅹ』のおかげで楽々発動した。


『魅了』で俺を一番信用の置ける人物だと思わせ、プラス『思考誘導』で俺のことを盗賊団のおかしらだと思わせることができた。死んだ盗賊も多いが、勝ち残ってる人間を盗賊団と思わせることもできたけど、尋問内容はあれでよかったのかな~。


 しかし、アークノ商会か。

 毒ねえ? 治療院とやらで診断できなかったのか? 何かまだ謎が残ってるよな。


 というより、陰謀に巻き込まれちゃったよ。

 これ、解決まで持っていかないとダメだよな? 新さんは『捨て置けん!』って絶対言うだろうし。


 俺はこっそりコアクットの後をつけて山を降りる。襲撃現場からかなり離れた場所に数頭の馬が繋いであるのがわかった。盗賊全員分じゃなく、幹部とかの分だろう。


 その中の一頭に乗ってコアクットが南に向かって移動し始めた。

 それを見届け、街道に出る。そして北方面に走った。


 山の中を往復するよりも早く襲撃現場に戻ってこれた。


「おっさん! 無事か?」


「お? どこ行ってたんだ? まあ、お前さんのおかげで楽に勝てたようなもんだから文句は言えねえけどよ」


「悪いな。報告してる暇がなかった。これから説明するよ。で? そっちは? って、大丈夫そうだな」


 味方は6人しか居ない。パッと見、欠けている様子は無い。

 衛兵の隊長さんに『殺しておけ』といわれた時みんなも聞いていたからか、今回は盗賊は皆殺しのようで、今は盗賊たちの死体を一箇所に集めている作業中のようである。カマロは周囲の警戒って所だな。


「説明する前に頼みがある。この先1Km行った山の陰に盗賊たちの馬が繋いである。俺は馬に乗れないし、扱い方もわかんねえから連れてきてくれないか? 通り道だから後でもいいけど、誰かに先に取られるかも知れないし、逃げるかもしれないからな」


「よく見つけたな。わかった。そういうことなら早いほうがいいかもな。行って来るから警戒頼むぞ」


「おう! 得意分野だ!」


 カマロが戦闘後で疲れているだろうに走っていく。まあ、馬も戦利品だからな。一刻も早く確保したいんだろう。


 それを見送ってからマップで周囲を索敵する。

 うん。隠れてるヤツはもういないな。


 マップを見ながら、新さんたちを手伝おう。

 え? また死体から装備品の剥ぎ取り? はいはい。やります。やらせていただきます。


 その作業が終わる前に、マップに反応。南から複数。

 カマロと馬だとは思うけど、皆に警戒を促す。


「おーい! ちょうど6頭だったぞ!」


 やっぱりカマロだった。何がちょうどなのか。俺は乗れないって言ってるのに。

 さて、作業を続けよう。今回は盗賊の所持金も護衛の自由になる。新さんを除く護衛たちは真剣そのものだ。カマロと代わろうかな?


 回収作業がやっと終わり、死体は俺が山に近いところに土魔法で深い穴を掘ってマジックハンドで片っ端から放り込んだ。最後に土魔法で埋めて終わり。なむなむ。


「埋めちゃったけど、衛兵に報告する時どうすんだ? 証拠がないぞ?」


「懸賞金付きなら首を持っていくし、衛兵をここまで呼んで来ての報奨金狙いは割りに合わねえ。余裕があるんならアンデットにならねえように焼くか埋めるかするのが優先される。衛兵も文句は言わねえさ」


 ああ、アンデッドいるんだ。


 納得したところで出発。

 夜の見張り番の組み合わせで、二人ずつに分かれて馬に乗って馬車の前後を護衛する。余った2頭は馬車に繋いで引いている。

 俺とカマロはアマンダさんの馬車にお邪魔している。

 重要な話があると言って。


 大休憩に時間をかけすぎたが、日が暮れるまでには十分間に合うだろうとのこと。


 う~ん。これから話す内容、どこまで信じてくれるのか……

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