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相棒はご先祖サマ!?  作者: 樹洞歌
13/65

第13話 新さんのステータス公開

新作始めました。二作品あります。是非よろしくお願いします。


『鋼の精神を持つ男――になりたい!』 https://ncode.syosetu.com/n1634ho/ 月水金0時投稿予定。


『相棒はご先祖サマ!?』 https://ncode.syosetu.com/n1665ho/ 火木土0時投稿予定。



 異世界に来たのならチートをもらわなきゃ。威力とかは関係ないよ。ただでもらえることがチートなんだ。え? ただより高い物はない? ハハハ。そりゃそうだ。異世界生活、そんな易しいもんじゃないだろ。



「おはよう、新さん」


 新さんが起きるのを隣に座って待っていたら、神爺さんも説明&キャラメイキングが十分だと判断してか、精神体が戻ってきたようだ。身体がビクンとなったので挨拶してみる。


「……ここは……あの御老体はやはり夢でござったか……」


 新さん、呆然としてる。まあ、気持ちはよくわかる。実際に確かめて見ないとな。


「新さん、新さん。夢じゃないよ。ほら」


 ファイヤーボールを、飛ばさずに浮かべてみる。何個も。


「なっ! まさかケント殿もあの夢を!」


「アハハハ。驚くよな? まあ、新さんのスキルの検証は朝飯の後にしようか。おっと、その前に『クリーン』。どう? 少しはスッキリした?」


「おお。これも『妖術』。何やら水垢離した後のような気分でござる!」


 ん? 妖術? ま、言葉の問題も後で検証しようか。


「アハハハ。そりゃ良かった。後で教えるよ。じゃ、食べようか」


 といっても、食料自体はチートで出せるわけではない。今朝のメニューはコーンスナック菓子と栄養豊富なピーナッツチョコだけにしておく。

 ただ、水魔法のおかげで飲料水の目処は立った。精々お腹一杯飲むとしよう。


「毎度世話になる。かたじけない。ケント殿には足を向けて寝られぬな」


「アハハハ。それこそ言いっこなしですよ。時代が違っても同じ日本から異世界に来た仲間じゃないですか。聞いたでしょ? あの爺さんに。日本に帰れるかもしれないって。何年かかるかわからないけど、それまで協力して生きていかないと。一人っきりだなんてゾッとしますよ」


「そ、そうであるな。うむ、協力はせんといかんな。しかしケント殿、夢でないとしたら、あの御老体は真の神仏。爺さん呼ばわりは不敬に過ぎぬか? 仏罰が下るやもしれぬ」


「えーっ? だって、元々はあいつらのせいで俺たちがこんな目に遭ってるんだぜ? どこに敬う要素があるんだ? 新さんも聞いただろ? あいつら派閥に分かれて戦ったりするんだぜ? それも生臭い権力を巡って。もう人間と似たようなもんだろ?」


「いやいや、神仏を敬うとはそういう意味ではござらぬ。元々神仏とは恐ろしいもの。畏れ敬うことしかできないのが人の身の悲しさよ」


 むむ~。何か難しい宗教の話になりそうだ。でもそれって『泣く子と○○には敵わない』理論だよね? 『触らぬ神に祟りなし』でもいいけど、今回は向こうから接触してきたんだけどな。


「でもでも、その神爺さんがそう呼べって言ってたし、あ、結局名前聞くの忘れてた」


「む。であれば某如きが口を出すことも不敬となるか。だが、ケント殿。気をつけるに越したことはござらぬ。いつ神仏の勘気を蒙るか知れたものではないからの」

 

「あー、なるべく気をつけるよ」


 たった二袋の菓子を食う間に結構深い話をしていたようだ。


 よし食った! これからお楽しみの新さんのステータス公開だ。いや、俺もちゃんと見せるよ。何たって仲間だしな!


「じゃあ、新さん。お互いに夢の中で聞いたことを確認しよう。ステータス・オープン!」


「おお、そう言うのでござったな。すてーたす・おーぷん」


 これが今の新さんのステータスだぜ! おおっ?



 名前 : シンノスケ・ユウキ

 種族 : 人族-普人種

 年齢 : 十七

 階位 : 四十

 生命 : 四百三十/四百三十

 魔力 : 四百/四百


 所持技能

 算術壱 料理壱 剣術壱拾 槍術伍 棒術肆 弓術肆 格闘術伍 騎獣術肆  

 言語理解玖 鑑定壱拾 気配察知肆 隠蔽肆 

 無属性魔法肆 火属性魔法壱 水属性魔法壱 風属性魔法壱



 み、見にくい。同じステータス表示でも俺のとはちょい違って漢字ばっかりになっている。だったら名前も漢字でいいだろ! と思わなくもない。言語理解Ⅸがバグってるのか? 大体このままの表記をこの世界に人に見せても読めないじゃないか。どうなってる?

 こんな時は、教えて、ナビさん!


『回答:ステータスの表記は本人が理解できる言語で表されます。また、他人に開示するステータス・オープンの場合、他者からはそのものの理解できる言語表記で見える設定となっています』


 ありがとう、ナビさん。何となく理解できた。

 たぶん、俺のステータスも新さんには漢字のみで見えているのだろう。現代日本式表示では英語やアラビア数字があって新さんたち戦国の人にはわからないのだから。逆に新さんのステータス表示方法では俺にとって見慣れてなくても理解はできてるからそのままなんじゃないかな。


 新さんの話している言葉もだ。現代日本人と戦国の武士では言語理解スキルが働いてないとコミュニケーションに支障が出る。それでも俺にとって新さんのしゃべり方が『ござる』とかサムライっぽく聞こえているのは完全に俺のイメージの問題だろう。もしかして新さんに現代風の服を着せてチャラくしてみたら、またしゃべり方が違って聞こえるのかもしれない。別の意味でも面白そうだから機会があったら試してみよう。


 それより、ステータスの検証だ。


「いやー、流石サムライ! 物理攻撃に特化してるなあ」


 いや、実際すごいぞ。スキルレベルⅩが二つと言語理解Ⅸは同じだが、俺は残りはほとんどレベルⅠで、ⅤとⅢが二つ三つあるぐらいだ。引き換え新さんはⅣとⅤの方が多い。明らかにボーナスポイント以上だ。これはあれだな、俺の『錬金術Ⅴ』と同じで元々持っていた資質なのだろう。しかもHP430! ステータスレベル40! 恐るべし、戦国武士。


 まあ、MP見れば神ポイント10でレベル上げしたのはわかるけど、もともとレベル10ってすごいじゃん。MPもHPに比べれば低いけど、俺以上にあるし。


「いや何、神仏に直接謝られた上『神通力』を授けていただけると聞いて一度は辞退したのだがな、異世界で生き残るためだと言われてしまえば是非もなし。ケント殿は『妖術』を極めたとも聞いてな、それならば某も武士の端くれ、武芸十八般を極めてみるのも一興かと思い御老体に助言を請うたまで」


 う~む。チートほしがった俺と違ってSoCool、ストイック。ただ、新さんが先に神界に呼ばれていたらチートがもらえてなかったかもしれん。そう考えると俗物な俺、GJ。


 勿論新さんも詳しく爺さんから説明は受けているだろうけど、念のためスキル、特に魔法関係を検証していく。


『鑑定Ⅹ』は『ナビゲーション』を利用できるメリットがあるので是非にと勧められたとのこと。物理特化とか関係なく、情報は必要だからね。

 んで、魔法のスキルがゼロというのもせっかく異世界に来たのにつまらないと思ったらしい。それを聞いて『どの時代も男子は中二病の気があるなあ』と思ったあと気がついたのが、新さんの年齢。同い年じゃん! ずっと年上だと思ってた。ごめんなさい。でも、老けて見えるんじゃないよ、この場合貫禄があるといったほうがいい。


 やっぱり戦国武士すげえ。


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