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陽剛村  作者: 環流 虹向
7/22

ブランコ

・・・・・・・・・・

酒の口コミサイト

→御神酒で幸せの夢が見たいときに見れる。


御神酒は外には置かずに言われたら持ってくる仕組み。


価格 三万円

希少価値が高く数に限りがある。

なので人前に出さない。

・・・・・・・・・・

麻薬の検査をしてみたが、

何も反応はなかった。


白濁して少しねっとりとした感じのお酒。

マッコリのような見た目で

香りは若干甘いような…?


ラベルなどは一切していなく

コルクで蓋が閉められていて一切無駄なものがない。


…飲んでみようか?


と考えながら不意に御神酒が入っていた紙袋を見ると一枚紙が入っていた。


見てみると御神酒の飲み方が書いてある


【この御神酒は、1日おちょこ1杯分まで。容量を守ってお召し上がりください。】


と書いてあった。

アルコール度数が高いのか?

にしてもおちょこ一杯分で呑んだ気分にはならなそうだが…。


薬物反応はでなかったし、最近何も進展がない。

この薬物反応だけ上に報告して飲んでみよう。


少し小さめのコップにおちょこ1杯分であろう量を入れゴクッと飲む。


口当たりは柔らかく、甘じょっぱい不思議な味のお酒だった。

しかしそんなにアルコール臭はしないので度数が高いわけじゃなさそうだ。


…くらっと眠気が急に襲ってきた。

今日は神経使ったから疲れたんだろう。

眠気が酷く、まともに報告書が作れないので

大人しく眠りについた。



「ぱぱぁー!」


「おーどうした?」


「ぶらんこしたい!」


「わかった。じゃあパパが背中押してあげるな。」


娘とよくきていた家の近くにある小さい公園。

妻はベンチで微笑みながら私たちが遊んでるところを眺めている。


「もっとおしてー!」


「ちゃんと握ってろー。」


少し力を強めに背中を押す。

きゃきゃっと笑い楽しんでいる娘。


久しぶりに遊んであげたな。

いつも寝顔をみるだけだからこうやって遊べる時間は貴重だ。


とても楽しい。

こんな気分になれたのはいつぶりだろうか。


時をこのまま動かないでと願うほど

この3人で居られる時間は幸せだ。


娘の背中を押していると

携帯電話の音がしてきた。


どこにあるんだ?


ポケットにはないし、妻は気づいていない。


どこだ?



[プルルルル…プルルルル…]


ハッと目を覚まし、携帯を手に取り電話に出る。


「金武、いつもの報告の時間過ぎてるぞ?大丈夫か?」


仕事仲間の1人が電話してきたみたいだ。


「すまん、寝てた。」


「寝てたって…今昼の2時だぞ?1人とはいえしっかりやらないとお前職失うぞ?」


「え…?」


壁につけた時計を見ると、

2時を数分過ぎた頃。


いつもはアラームを鳴らさなくても6時には起きるのになぜだ。


「ちゃんとしろー。で何か報告あるか?」


「ああ、御神酒見つけた。」


「おいおい、なんでそんな大事なこと言わないんだよ。」


「ごめんて。だけど薬物反応はなかったからあれはただの噂だな。」


「そうか、まあそれなら良かった。じゃあ引き続き行方不明者についてよろしくな。」


「ああ、じゃあな。」


電話を切る。


復帰して以来、こんな寝坊することなかったのにな。

しかも御神酒を飲んだのって遅くて夕方の3時だろ?


酒を飲んでもちゃんと起きれていたのになぜ今日に限って起きれなかったのか。


やはり確かめないと分からないことが沢山ある。


この御神酒についてもっと調べてみよう。

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