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陽剛村  作者: 環流 虹向
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引っ越し

私は、とある調査しに陽剛村に来た。


陽剛村の魅流神社で売られているという

お清めのお酒(御神酒)の噂だ。

酒マニアでは幻の酒らしく、ネット販売は一切されていない。


その御神酒を飲むと幻覚を見たりするらしい。

お神酒の成分が麻薬なのでは?ということで

この村に数ヶ月住んで調査することになった。


今はただの噂でしかなく、証拠はない。

ただ、知人がその神社に行って帰ってこないとか

その幻の酒を買いに旅行に行ったきりとか

少数ではあるが人が消えている。


なにかしらある神社なのかもしれない。


ごく少数の証言しかないので

自ら行かないと分からないことだらけだ。

多めにメモ帳を持って行こう。



陽剛村にはアパートなどはなく、

全ての人が一軒家に住んでいる。


なので私も一軒家に住むことになった。

管理人さんはとても優しい方で、

賃貸と持ち家にするか選ばせてくれた。


刑事という身元は明かしていない。

村人もグルな可能性を考えての行動。


管理人さんは荷ほどきを軽く手伝うと、


「村が気に入って持ち家欲しくなったら、また相談してね。」


と言い帰っていった。


村人は100人いないくらい。

みんな顔見知りでご近所同士はとても仲がいいという。

私もご近所に挨拶をしにいかなくては。


荷ほどきもそこそこに外に出る。

外は田んぼや畑、畜産もしているようで

村で全てが完結できるようだ。


ご近所といっても、歩いて10分くらいするところに何軒かある。

弘中さん、甲斐さん、和田伊さん、扇貝さん…あと仲江さんの家か。

ご近所さんの家は、管理人さんに教えてもらった。


仲江さんの家は4軒の逆方向だが、うちから5分程度で着く場所にあった。

玄関をノックし、声をかける。


「すみませーん。今日坂の下の家に引っ越してきた、金武かなた 公志こうじと言います!」


無反応?今は家にいないのかと思っていると

足音が聞こえてきてゆっくり横開きの玄関を開けた。


「あ、こんにちは。仲江と申します。」


「金武と申します。よろしくお願いします。」


私の顔をまじまじと仲江さんは見てくる。


「どうかされました?」


「いやー、若い子がこの村に住みに来るのが珍しくてね。」


「そうなんですか。」


「うん、若い子が来ても民泊に泊まるだけだからね。」


「そうなんですね。どこか観光スポットがあるんですか?」


「知らないの?魅流神社。そこが最近人気らしいよ」


お!来た来た。もうちょっと聞いてみよう。


「知らなかったです。なにが人気か分かります?」


「神主がイケメンで人気らしい。俺はあんまり興味ないんだけどさ。

最近神主になってお守り以外にも邪気を流してくれる物とか売り出し始めたみたいだよ。」


それが御神酒なのか?


「なるほどー。面白そうなので今度行ってみます。」


「うん、じゃあこれからよろしく。」


「はい!よろしくお願いします。」


やっと挨拶回り終わった。

最後に神社の情報を聞けてラッキーだったな。

最近神主が変わり、販売されているものが増えたらしい。


昔は売られてなかったから、話が出てこなかったのか。

とすると神主が怪しいか。


でもイケメンであれば女性が多くいなくなるのかと思っていたがそんなに男女差はなかったな。

女性のみの対象ではないみたいだ。


すぐ神社に行くのも危険な気がするから、先に民泊でも調べてみるか。


今日は早めに寝て明日管理人さんに聞いてみよう。




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