ヴァランス・ロード・ブレイク
黒髪の眼鏡男・・・
寡黙な求道者は黒い紳士姿で・・・・
先の大戦の一番手柄のシャー・シャドー・オニキス・・・・
人相悪く目を閉じ座っている・・・・・
「ふー」
シャーは深く息を吐きどうしようと悩む・・・・
年の割に老けて見える青年・・・・・
娘グネヴィアが想いを寄せているであろう擬人族のヴァランス・ブレイク・・・・・
親殺しで家族売りの男・・・・
表向きはであるが・・・・
だから娘グネィアは苦労する?・・・・
「くっくっくっ」
シャーは嗤う・・・・
己に・・・・
「あの」
シャーは目を開け真紅の瞳で・・・・
夜なを明るく豪華絢爛な部屋を心で一笑し・・・・
豪華絢爛な椅子に座る・・・・
我が子とは思えぬ麒麟と・・・・
磨き抜かれた芸のイズミの子を・・・・・
騎士姿の二人に感嘆しつつ・・・・
俺が何を心配することがあると結論をくだし・・・・
佇まいを直し・・・・・
声をかけて来た心配そうなヴァランスを見つめ・・・・・
「すまない」
「先ずは結論を」
「許そう」
グネヴィアとヴァランスは微笑み合い・・・・
「ただふがいない話」
「私は役に立てない」
「先の大戦の真の一番手柄は君の父」
「ヴァソウド」
「私はただフォーズ最年長ゆえ」
「手柄を」
「加えてその後の政も」
「すまないな」
「グネヴィア苦労をさせた」
「許す代わりに」
「ヴァランス君いや卿」
「ヴァランス卿にはオニキスの首魁をやって欲しい」
ヴァランスは首を横に振る・・・・
間を置き・・・・・
シャーは驚きつつ聞く・・・・
見事な伊達芸に驚き・・・・
ヴァランスはうやうやしく喋る・・・・
「空座の魔王を頂戴」
「破道焔青鳳ヴァランス・ロード・ブレイク」
「と名乗り魔国統一に動きます」
「それとお願いが」
「是非奥方と共に」
「学園で教鞭を」
シャーは会話にも驚き・・・・
「私に教師を!」
ヴァランスは微笑み頷き・・・・
「破道焔鳳は驚かれないのですね」
シャーは笑い・・・
「そっちも驚いているよ」
「ただ納得もしている」
「誰はばからず二人で幸せに生きたければ」
「魔国を取る位はしないと」
「そう結論に至ったのは」
「君の父ヴァソウドが魔国を捨てた今なら」
「魔国は其処迄危機的状況」
「グネヴィアは魔国のトップ」
「魔国の責任は」
「グネヴィアに」
「いやグネヴィアは被ろうとするだろう」
「だからオニキスをと」
シャーは笑う愉快と・・・・
痛快と・・・・
そして詠う・・・・・
「魔王座を手に入れ」
「フォーズを従え」
「焔鳳を」
「燃え盛る縁」
「旧きを愛し今を愛し明日に愛を」
「壁をオメガを破り道を」
「鳳と龍」
「真紅にして金色」
「青にして縁」
「赤を金を青を混ぜ合わせ至上の縁」
「破道焔青鳳」
「ヴァランス・ロード・ブレイク」
ヴァランスは父の友人だなーと・・・・
素晴らしい中二ですなーと・・・・
お読み頂き有難う御座います。