消えた?
夜深くない時合図の念信号弾があがる・・・・・
私は潜んでいた荷馬車から飛び出る・・・・・
「流石ゴガストの精鋭」
「もう逃げだしている」
追えば間に合うが・・・・
民の前で殺し合いを見せるのも・・・・
被害を出すのも忍びない・・・・
私は館に入る・・・・
静かな館誰も居ないそう思わせる静けさ・・・・
素早く階段を上がり・・・・
信号念弾が上がった部屋に・・・・
「グネヴィア様」
「お確かめを」
月明かりに照らされ・・・・
私より大きい痩身は異様に見え・・・・
ヴァランスはナイフのような大きさの・・・・
青い片刃の翼の剣はただ美しく・・・・・
ヴァランスは動かぬ・・・・・
亡骸の傍で私を無表情に見つめる・・・・・
私は亡骸を見つめる・・・・
肩から深々と切られ・・・
絶命している領主・・・・
既に魂は失われ・・・・
肉体が再生しようと・・・・
蘇る事はないであろう領主の亡骸・・・・
驚き・・・・
目を見開き・・・・・
「ヴァランスよくやってくれました」
「貴方は荷馬車で待機しなさい」
窓の外には・・・・・
蛇天馬たちが此方に来ているのが見える・・・・・
ヴァランスは頷き・・・・
青い翼刀を収納し・・・・
私の横を歩き去る・・・・
ゾクリと背に悪寒が・・・
私は振り向くことなく・・・・
結局振り向く・・・
「消えた?」
追えない事に驚き・・・・
遺体を放置し探す事も出来ず・・・・
配下が到着した時には・・・・
ヴァランスは荷馬車にその気配が感じられ・・・・・
私は指示しつつ・・・・
ヴァランスの事が頭を離れず・・・・
お読み頂き有難う御座います。