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公務員社会(千鶴)

作者: 狼花

 「社会ってよく聞く言葉ですが結構複雑な感じ受けますよね」

早朝、長女の奈々と食事をしていると社会についての話題が出た。

「そう?」

「はい…高齢社会とか、地域社会とか色々あって。

そしてそれに応じて様々な問題もあるんですよね。少子高齢化や地域の過疎化とか。

難しいですよね。」

「そうね確かに。難しい言葉が出て来たり堅苦しいイメージは持たれるわね」

「社会ってつくだけで大人の話になりそうです」


 「でも社会という言葉の意味は至極簡単よ」

「そうなんですか?」

「そうよ。社会の意味は人が集まって生活を営む、その集団っていう意味だからね」


 「では地域社会はその地域に住む人たちの”社会”で高齢化社会はお年寄りの”社会”ということですよね。」

「そんな感じじゃないの。だからあんたは”学校社会”の一員で”アルバイト社会”の一員でしょう」

「それは母さんが今考えた社会ですよね……」

「そうよ、さらに言うなら”妹溺愛社会”の一員で、他にはあんたは早起きだから”朝早起き社会”の一員でもあるわね」

「それなら近所でラジオ体操しているおじいさんたちも含まれるじゃないですか」

「そうね」

と言って二人で笑い合う。


 「他にも社会という言葉には同類の仲間や世間っていう意味があるらしいんだけどね。

 ほら音楽家の社会というのは音楽好きの集まりだし。

 社会に出なさいっていう社会は世間っていう意味合いでしょう。」


 「なるほど。地域社会は地域の問題、高齢化社会は高齢化の問題。」

奈々は何かわかりかけた感じだ。

「そして公務員社会には公務員の問題があるの」

「どんな問題ですか?」

「公務員が不祥事を起こすとニュースになるでしょう。警察官の取り締まりが違法だとか

 今取り上げられて問題になってる教員のいじめとか」

「確かに問題になってますね」

「そういうニュースが多くなると世間の冷たい目が公務員全体に向けられている気がするのよ」

「それは母さんの思い込みです」

「そう?でも思うのよ。そういう悪いこと以外じゃなくて頑張ってる公務員はたくさんいるの

 人命救助とか災害の場で夜通しで作業して復興に勤しむ人とかね。

 教師だって労働時間が長いって言われてるじゃない。ちゃんと頑張って仕事に誇り持って生徒と向き合う先生も多いはずよ。」

「大丈夫です、母さんたちが”公務員社会”で頑張ってるのは知ってますよ」


「そうね。だったらテレビ系列から個人発信している方には公務員の悪いとこじゃなくて、

 いいところも大々的に報じて欲しいわね。」


 「それは無理ですよ。世の中をいい方向に変えて行くには事件についてみんなで考える必要があるわけで悲しい事件や事故は同じ過ちを繰り返さないためにもテレビやメディアはみんなに伝えている訳で、大々的に報じられるのもそれだけ広くみんなにその事件に関心を持ってもらいたいだけだと思いますよ」


  ・・・  うーん  まぁね ・・・


  しょうがない私たちの善行は小さな記事で我慢しましょう。

  その代わり世の中の悲しい出来事は少しでもなくなってより良い社会になってほしい。


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