プロローグ
この世界は魔法と剣に溢れている。そしてその世界で僕は冒険者ギルドに所属している。
英雄譚 「翼の勇者」に憧れて。
薬草の採取、スライムなどの弱いモンスターの駆除をコツコツやり、やっとの思いでEランクからDランクに昇進した。
「おめでとうございますジンさん!最初は大丈夫かな?って思っていました…でも毎日毎日クエストをこなしていく様子を見て応援していました。それに…疑っていた自分が恥ずかしいです。」
ギルド受付嬢のアヤさんだ。受付嬢の中でも特に人気のトップ3の中の1人だ。僕が初めてこのギルドに来たときに登録の手続きをしてくれたのがこのアヤさんだったりする。
「まだ魔物退治だってスライムくらいだし大袈裟ですよ!でも夢に一歩進むことができたので安心しています。」
「翼の勇者かぁ~男の人みんなそうゆうの好きよね!」
翼の勇者、あるいは白の英雄と言われる1人の男と伝説の12人のパーティーが秘宝を探す冒険譚。小さな頃から大好きだった話。
「はい!憧れです!そのためにまずCランク目指して頑張ります!明日は森に行きます。」
「気をつけてね。最近魔物が活発になってるみたいだから。」
食料調達のためたまに森へ行くのたが、近頃魔物が活発になっているようだ。特にドラゴンが多数目撃されている。ドラゴンはこの界においてSSランクのクエストで、通常Aランク冒険者20人ほどで戦う。
「あまり奥に行かないので大丈夫です!ホーンラビットを狩るだけなので。」
そう。それだけのはずだった。
狩り当日、ナイフ1本と弓矢を準備した僕は森の前にいる。
「よし、さっさと狩ってさっさと帰る!!」
スュッ!矢がホーンラビットを捕らえる。
「だいぶ上達したんじゃないかな!魔物も多いって言ってたけどあんまりいなかったな。矢も少なくなってきたし、そろそろ…」
ホーンラビット2匹とついでに薬草を手入れた。自己流ではあるが弓においては少しだけ自信がある。
「ズドドドドーーン!」
とてつもない大きな音が鳴り響き、大地が揺れ、鳥たちが逃げていく。
そして白い光が森全体を照らす。
「んっ、ここは…神殿…?」