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わたしたちの落神様  作者: サカシタテツオ
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004b 多々良ノ里訪問団 職人代表

❏多々良ノ里訪問団 職人代表



聞かされていた話とは随分違った。


今度の落神様は気分屋でオッカナイって聞いていたので最悪の場合は命を差し出してでも若い職人達を許してもらおうと腹を括っていたのだ。


だが実際に会って話してみると気のいい神様だった。

ーー見ると聞くとは大違いってヤツだな。



納品が遅れていることに嫌味のひとつも言わない、より良い物になるならいくらでも待つとまで言ってくださる。

本当に話が分かる方だ。

モノを作り出す事への理解がある。

うちの青年部も見習えって話だ。




夜は酒の席を用意すると言う。

謝罪のために訪問した身としては遠慮すべきだったのかもしれないが、堅苦しい空気でもなかったので有り難くよばれる事になった。



出された料理がこれまた美味かった。

先代のヨシオ様から教わった料理も美味かったのだが、今回出された料理はとにかく酒に合う。

濃厚な味付けなのだ。

酒も食事もどんどんすすむ。



気になったのはこちらの酌を落神様が受け入れないこと。

『酒も料理も自分のペースで楽しみましょう。』

と言って断られてしまうのだ。


笑顔の絶えない落神様だが、心の内では我々を許していないのでは?とも疑ってしまった。


だが様子を見ていれば分かる。

あの方はこの場の者達全てに気を使わせないようご配慮くださっているのだ。

いつの間にか御自分の席をスイ殿に譲り、畏まっていた青年部の皆も随分くつろいでいる。


落神様はどこに行ったのかだって?


はは。奥の部屋で娘っ子達に囲まれている。

そうだな。こんなむさ苦しい男達と飲むより娘っ子達に囲まれる方が神様だって楽しいだろう。

そんな男の欲望を隠さないところも気に入った。

うん、あれはいい神様でいい男なのだ。



今回、訪問団の警護を嫌がって逃げ出した若い剣合会の代表。ヤツは一度〆る必要がありそうだ。



2019/01/07 誤字修正

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