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RETURN ~少女好きの俺が悪者を倒す~  作者: 半裸紳士
無名国編
59/81

設定ど忘れしてるものが多くてもう手に負えなくなってきているような…。

陽が頭上まで昇り、より一層俺達を照り始める時間帯になってようやく港の存在を視界に捉える。

一番最初に気付いたのは御者台でゴリラの手綱を握っていたアキラだ。


「お!あれ港じゃねえか?」

「やっとか!?やっと港に着いたのか!!」


長旅もいいがやる事がないと流石に飽きがくる。あまりに暇過ぎてシュラ、ユリカ、アエスティーを含めた四人で自作と称した俺の世界でお馴染みの指遊びを始めてから大分時間が経過している。

そんな指遊びもマンネリ化してきた頃、港が見えたと言うアキラの一言に俺達は過敏に反応して御者台へと身を乗り出して前方を確認した。


「あー!本当だ!海が見えるよ!海!」

「ああ、シュラちゃん!そんなに身を乗り出すと落ちちゃいますよ!?」


指差して騒ぐシュラに対して過保護に反応を示すテキストが慌ててシュラの支えになるべく懐に潜り込む。本一冊に人の体重が支えきれるとは到底思えないが。


「やっとまともな食事が出来る!パフェとか!ステーキとか!」

「パフェ…ステーキ…!食べたい、です!」


シュラの純粋な喜びの感情とは裏腹に、喜びのベクトルが違う者もいた。

勿論、この前干し肉にいちゃもんをつけていたユリカだ。それに便乗するようにアエスティーも食に興味を持つが、此方はシュラと同様で純粋な初物への好奇心なのでよしとする。

皆の反応に苦笑しているアキラもなんだかんだ心の中では歓喜のあまり舞い踊っていた。

港へ入るにはまず関所を通過する必要がある。

俺の知識では大抵の場合、ここで「貴様、指名手配のー」などと言う展開(イベント)があるのだが幸い俺は指名手配どころか魔王を討った英雄。特に何も言われずに通過出来た。

少し寂しいと言うか物足りない感じもするが思えば既に俺は王道の道で反復横跳びしている身なので期待するだけ損だろう。

ゴリラと荷台は学園長に手配されてきた人に回収してもらい、次からは船旅となる。渡った大陸でもまた長い距離を移動する羽目になるだろうからまずは準備をする事にした。

俺は干し肉の件もあるので食料担当から外され、テキストと共に自由行動担当となった。まるで邪魔者はあっちで遊んどけ、みたいな感じでユリカに指名されたのだ。


「自由行動って言ってもする事ないなぁ…」

「それなら今のうちにネイムロストについて予習でもいかがでしょう?」

「無駄に時間潰すよりかは断然マシだ。そうするか」


集合場所である広場のベンチに座り、テキストが勝手に開いたネイムロストについてのページに目を落とす。

――ネイムロスト、旧名エレストフェレス。今は亡き世界を支配した全ての頂点に君臨していたマシロリバウドが治めていた大国。商、武、魔。どれにおいてもトップを誇る難攻不落の国でその完璧さ故か外部からの移住者も大勢いたと言う。

周辺が海と山で囲まれており、そのそれぞれに強力な魔物が存在している。現在もその魔物は生きているらしく実際に目にした者は「奴らは魔物より恐ろしい化け物だ」と口々に述べているらしい。


「国はとっくに滅んでるから侵入は容易くとも問題はそれ以前に海とか山にいるって噂の化け物だよな…」

「倒せるのなら倒した方がいいですけどマスター、お一つお忘れではありません?」

「何だよ?」

「『使役』の加護であればそんな化け物もコロッと従えちゃうと言う事です」

「その手があったか!!」


ついこの間シュラを従えたと言うばかりなのに完全に『使役』の加護の使用用途を忘れていた。

でもその化け物が異形だったらその選択肢も潰えるかなーなどと考えているうちに皆買い物を済ませたらしく広場に集まり始めていた。

俺はテキストを閉じると立ち上がって向かい側から駆けてくるシュラを受け止める準備をした。

「上腕二頭筋」

人間の腕に存在する筋肉の事。

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