魔剣士ユリカと意外な理由
ペプシはコカコーラより好きですけどストロングはあまり好きじゃないです。
馬車に揺られて目的地である港へ向かう途中、俺達は村を発見した。
「あの村で食料調達してくか?」
「そうね。流石に寄せ集めの食料じゃこの先持たないだろうし…いいんじゃない?」
「決まりだな!アキラ、馬に指示出してくれ!」
「もう何度目になるのか分かんねえけどこいつは馬じゃねえって言ってるだろ!」
アキラの言う通り、確かに馬車を引いている生物は確かに馬ではなかった。動物に例えるならゴリラ辺りになるんだろうゴリラに限りなく近いその生物を横目にして見ると、当のゴリラは何食わぬ顔でノソノソと馬車を引いていた。
圧倒的な存在感を出してはいるのだが見ていなければ本当に馬と変わりない乗り心地だ。アキラに言われてその存在を目にするまでその事を忘れてしまっていた。これで四度目の間違いだったか。
「ったく…あの村に行けばいいんだな?」
「ああ、頼む」
「了解!」
俺の頼みを了承したアキラはゴリラの馬車、通称ゴリ車の運転に取り掛かる。その姿を確認した俺は持ち上げていた腰を再び降ろし、正面に座るユリカを見た。
チュニックにホットパンツと言うラフな格好の上にローブを羽織ったユリカは腰に挿した剣を撫でる様にして触れて何か考え事をしていた。
「何か悩んでるのか?」
「え?いや、別に大した事じゃないわよ。ただ、魔剣を全部揃えた後はどうしようかなーって」
「…そう言えば聞いてなかったな。ユリカはなんで最強の剣士になろうとするんだ?」
「なんでって…そりゃあ魔剣揃えて最強の剣士になれるなら美味しい話だし、何より最強って、痺れるじゃない?」
そう言って飛びっきりの笑顔を見せたユリカに少しドキッとしつつも、平常を取り戻して叫ぶ様にしてツッコんでやった。
「強くならなきゃいけない事情でも抱えてるのかと心配して損したわ!完全に面白半分じゃねーか!」
無邪気に悪戯混じりの笑みを浮かべるユリカを見て俺は溜め息を吐く。何はともあれ約束は約束だ。シュラ達と合流する事に協力してくれている以上、俺の方も対価として魔剣集めに協力しなければいけない。
「おーい、二人共!村に着いたぞ」
そんな会話をしていた間にもゴリ車は村へと急接近を果たしていたらしく、気付けば俺達は村の入り口まで来ていた。いざ入ってみると村は中々の広さで、食料調達には持って来いの店が数店並んでいる。
どうやら立ち寄って正解だったみたいだ。
「よし、各自旅に必要な物を買い揃えておくように!以上、解散!」
広いと言ってもどうせ村だ。迷宮でもなくましてや大都市でもないので迷う事はあるまいと思い、敢えて集合場所などは言わなかった。皆もうそれくらいは分かる筈だ。
俺は別々に動き出すユリカとアキラの後ろ姿を見て近くの店を覗きに行くのだった。
「アレチェスカ騎士団」
アレチェスカ王国の誇る騎士の集い。とは言っても七聖魔術師が強過ぎて出番が少ない
騎士団は鍛錬を蔑ろにしていた為、実力はそこまで強くない。
最近、七聖魔術師の壊滅を機に鍛錬に力を入れ始めているとか。




