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RETURN ~少女好きの俺が悪者を倒す~  作者: 半裸紳士
王道横溢編
46/81

編入早々旅立ち

ちなみに言うとアキラはツヨシが奈落へ落ちてロストした時相棒なのにも関わらず名前を叫んだ直後に何食わぬ顔でシナリオクリアした外道です。許さない。

次回新章突入します。

「全くお前らは…で、本題に入るけど。ツヨシはそのネイムロストとやらに向かうつもりなんだな?」

「あ、ああ。そこに俺の仲間がいるからな」


脳裏にマシロが傷だらけの姿が過ぎる。あの亡世の支配者様に限ってそんな事は有り得ないだろうが。


「だったら俺も連れて行ってくれ」

「俺達、でしょ」


調子を取り戻したユリカがアキラの言葉を訂正して一歩踏み出してくる。俺が相当の実力者ならばここで必要ないと断っていたのだが、現実の俺は非力で一人旅をするには不安な一般ピーポーだ。一緒に来てくれると言うのであれば心強い。


「来てくれるならこっちも助かる。見ての通り非力なもんでな!」

「安心して。旅の途中で鍛えてあげるから」

「お手柔らかに頼みます」

「無理な相談ね」


イージーモードを即答で否定された俺は肩をガックシ落とす。二ヶ月の間の修行風景を思い出すと今から身震いをしてしまった。厳しいんだよなぁ、ユリカ。


「とにかくだ。これからよろしく頼むぜ。アキラ、ユリカ」

「ああ、勿論だ!」

「ええ。魔剣の在処と引き替えに、ね」

「本当図々しいなぁ…?」


ハハハ、クスクスクス。

そんなこんなで、今回の俺の旅を共にしてくれるパーティーが結成した。地図を見た感じだとネイムロストはアズワールから北部にある沿岸を沿って進み、その先にある港から海を渡った大陸の隅っこにあるらしい。

国の規模自体結構な大きさなのだが、まるでネイムロストを切り離す様にして山が囲んでしまっている。テキストだから位置を把握出来たものの、現在世界地図として売り出されている地図にはネイムロストの部分だけ元から無かったかの様に消えてしまっているらしく、まさかこの世界の住民も山の向こう側に国があるとは思いもしていないだろう。

そもそもその山自体頂上に達するのが超絶困難らしく、今まで辿り着いた者はいないらしい。流石亡世の支配者が収めていた国と言ったところか、周辺に生息する魔物がとんでもなく手強いのだとか。


「じゃあ改めて今回の旅の目的を確認するぞ?」


皆の顔を見渡すとアキラもユリカも真剣な表情で頷いた。


「まずはネイムロストに行って俺の頼りになる仲間、マシロを見つけて連れ帰る事だ」


『使役』の加護を使えば強制的にでも転移させる事が出来るが、夢にまで出て待ってるとか言ってきた程だ。きっとネイムロストに何かあるに違いない。それに転移させた時に荷物を持っていなかったら魔剣云々も水の泡だ。

それこそ旅の目的が荷物を取りに行く為にネイムロストへ、になりかねない。


「そして第二に魔剣の確保だ」

「一本、夕闇の魔剣ルクスは私が持ってるの。だから他の残り四本の在処を教えてね」

「分かってるよ。どっちにしろ第一目的のマシロさえ見つかれば天雷の魔剣だかが手に入る」


それに、と続ける。本当はと言うと第一目的にしたい目的が俺にはある。


「悪い連中に捕まった俺の大切な仲間を助け出すのに協力してくれれば、その仲間が持ってる灼熱の魔剣も譲ろう。だからもう一度頼む。俺に協力してくれ!」


そう言って腰を折って頭を下げる。シュラが今何処でどうなっているのかは分からないが、絶対に探し出して助けたい。俺の心の底からの願いだ。

その為に、マシロと言う強力な戦力も必要なんだ。ユリカとアキラの全力がどれ程強いのかは計り知れないが、きっとそれでも負けてしまうだろう。時間停止なんて言うデタラメな力の前ではどんなに足掻こうとも無駄に終わるに違いない。

だったらそんなデタラメにはデタラメをぶつけるしか術はない。俺の記憶が、俺の視界が正しければ確かにあの時間停止空間の中、マシロだけは動けていた筈だ。棒立ちして瞬きしていた程度だが。


「相棒が困ってるんだ。見捨てるわけにはいかないだろ?」

「その仲間が魔剣を持ってるって言うなら星の中心にだって探しに行くわ」

「アキラ…」

「なんで今無視したのよ!」


図々しい魔剣厨はさておき、これで賛同を得られた。一刻も早く探し出したかった俺は早速ベッドに立て掛けていたカバンを手に取ると皆に向き直った。


「じゃあ早速だけど行くぞ。学園の方には俺から話付けとくから、お前らは旅の準備を済ませたら校門前に集合してくれ」

「分かった!」

「何着ていこうかな」


一人緊張感を持っていなかったが、それでも満足そうに各自の部屋に向かう二人の背中を見て微笑むと俺は少し早足気味に寮のエントランスへ向かうのだった。

「リモン」

レモンに限りなく近い果物。世界で一番酸っぱいので有名。

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