結局のところ脳筋なのよね
今更ながらブックマークに気付きました!ありがたやぁ!!
「ふぁーっはっはっはっはっ!!俺の力の前にひれ伏すが良い!!」
試合開始と同時に高笑いをしながら動き出したのは案の定、ジェイルだった。一回戦目でリーナ達がやった様に武器を召喚し、頭上でぶん回している。よく見ればそれが鎌なのだと分かった。
ジェイルらしいと言えばジェイルらしい武器だが、黒を基調としたカラーリングなのが禍々しさ極まりない。
「前衛、任せて」
今度はルリーシャ。召喚した赤い槍を腰を低く落として構えていた。
前衛は二人、そう思ったところでもう一人前に出る者がいた。靡く桃色のツインテールに視線を引き付けられ、初めてその人物がテトラだと理解する。
「私も前に出て盾になろう。安心して魔法を使ってくれ」
明らかに人が持つには大きすぎる大盾を片手で持ち、俺とエレキノを守る様に立つ。頼もしい背中にエレキノなんかはホッと胸を撫で下ろしている。避けれる自信がよっぽどないと見える。
「わ、分かった」
実は言うと俺も前衛タイプなんだが、ここはテトラの言葉に甘えて魔法を使う。
《地の精よ。我が呼び声に応じその力を示せ。――総じてかの者を飛躍せよ》
本格的に戦いが始まる前に、地属性の強化魔法を唱える。今の俺は剣術ばかり教わっていたせいで攻撃魔法はほぼ使えないも同然だ。どうせ前衛に出るならせめて強化くらいはさせてもらう。
「漲る、漲るぞ!!感謝する、我がライバルよ!」
「あ、おい!ちゃんと前見ろ!」
「うおおおっ!?」
戦闘中に背中向ける奴がいるか!と口に出そうとするも、突然俺達の頭上へと降り注いできた矢に気付いて開きかけた口を閉じて思考を回避に回す。どうすればこの矢の雨から逃げれる?
そんな思考をしている間に矢は俺の頭との距離僅か数メートル辺りまで来てしまっていた。――やられる!
一応腕を交差させ、何とか被害を腕などに収めようと試みる。しかし、何時まで経っても矢が刺さる痛みが来ない。何故かと思い恐る恐る腕の交差を解くと、驚愕した。
全ての矢が、見えない壁に阻まれて停止していたのだから。
「これは…」
「私の盾の力だ。疑似結界と言えば分かるだろうか?殆どの攻撃を阻めるんだ」
「でかくて守れる範囲広いだけじゃなくてそんな事まで出来るんだな」
召喚武器特有の能力だろうか。俺も早く使いたくてしょうがない。クラス対抗戦が終わったらユリカにやり方教えてもらおう。
「よっし、守りは任せたぜ!」
「前に出るのか!?」
「魔法での援護は向いてないんでな!」
元々、俺は頭を使う方ではない。頭を使うのはゴリ押しの次だ。異世界に来る以前までの俺はただの脳筋だった。行き先が壁で封鎖されていれば殴って壊し、洪水で川に架かっていた橋が壊れていれば泳いで渡る。俺はそう言う人間なんだ。
今更後衛なんてやってられるか精神で俺はテトラの横を走り抜ける。勿論、素手で。
向かうはルリーシャの槍の連続突きをことごとくかわして距離を取ったアキラ。
「喰らいやがれぇぇ!!」
「素手で突っ込んで来た!?」
俺が全力で振るった拳は、見事アキラの頬に叩き込まれた。凄い音が聞こえたが気のせいだろう。
「召喚武器」
《召喚》の加護とはまた違った召喚陣を利用して召喚した武器のこと。
登録すれば何処でも召喚出来るようになる自分専用の特殊武器で、召喚の際に
自身の魔力、特性、戦闘スタイルを認識して召喚されるため、最も扱いやすい。
召喚武器には特殊能力が存在し、その特殊能力は人それぞれ違う。




