これが本当のあなた
学生生活二年目。当たり前の変わらない日常。退屈する毎日。
平凡な男子高校生にはそれとない幸せ。でもそんな幸せは当たり前過ぎて幸せに思えない。これが変わらない日常だから。
しかし、そんな日常に刺激的なそれも危険な匂いをはなつバラの花が咲いた。
それは自分と大差ないくらい平凡な女子高校生。その子はなににも興味なく、勉強も友達との会話もどこか上の空で、何を見つめているのかわからない。暗いとても深みのある黒い瞳でどこともないところをずっと見つめていた。
そんな彼女と偶然にも同じ帰り道ですれ違った。
いつもここを通るんだろうか。
ふとそんなことをおもいながら帰路にたつ。向こうは気付いた様子はなく、後ろから追いかける形となっているためにすこしばかり恥ずかしさを感じた。
そして、とある曲がり角で彼女は曲がっていった。人気のない路地裏。
自分の帰り道には絶対に通らないところ。ふつうに帰ろうと思っていたはずなのに、気になってしまった心は止まらなかった。
彼女をおって入った路地裏。彼女は暗い路地裏の中、一人しゃがみこんでいた。
どうしたんだろう。そう思った。
そして見た。臓物を吐き出した腹。そこから流れ出る血液。
ボロボロの野良猫を見下ろして、写真をとる彼女。
張りついた様な笑みにおもわず悲鳴を揚げた。
小さくものすごく小さく、きっと彼女には聞こえていない。
そして家に駆けていく。
いつもあんなにも周りに興味を示さない彼女の笑み。
それは美しかった。とても綺麗で、しかし危険なトゲがあるようで。
簡単に魅いられてしまった。
その日から彼女を目でおってしまう。何も気にならなかったはずなのに。彼女が居ない時間が耐えれないくらいに彼女を探してしまう。
正直猫の死体を見て笑う彼女を怖いと思うし異常だとわかっていた。
しかし、その恐怖が自分の中で刺激に変わっていた。
変わらない日常を変えてくれそうな刺激に。
それから毎日彼女が帰る時間を追っては彼女が路地裏ですることを観察する。いつも何かの動物の死体を写真でとる彼女。
どこからそんな死体を見つけて持ってきているのかはさだかではない。
実際そんなことはどうでもよかった。
彼女のあの刺激に満ちた笑みをみれるのならば。
しかし、ある時友人たちのなかでペットがいなくなったと聞いた。
単なる偶然か、それはわからない。
そしてある日。彼女がいつものように写真をとっている姿を観察しているといつもの笑顔がそこにはなかった。
……バラが枯れようとしていた。
嫌だ。単純にそうおもった。もっと彼女を見ていたい。彼女の刺激的な笑顔を見ていたい。
そうおもった時、体が勝手に動いていた。
軽い。とても軽い。小学生だろうか?女の子だった物。持っていた切れにくい鋏でチョキチョキと切ってやった。この子がダレでドンナコなのかなんてどうでもよかった。これで大丈夫。また見れる。
そう考えただけで悦びが溢れてくる。自分の顔が歪んでいくのがわかった。小さく弱った体ををずるずる引きずって真っ赤な血の道筋が引かれていく。悲鳴が聞こえてくるがそんなことはどうでもいい。
路地裏まで持っていって彼女を待った。ケータイを見る。
時間はとっくに過ぎていた。なんで来ないんだ?彼女がこない。
ずっと待っているのにこない。なんで?なんで?
すると、警官がやってきて腕に手錠を掛けられた。
もう、会えない。悟ったおれは切れにくい鋏で喉をえぐった。
血が吹き出すなか、彼女の笑う顔が浮かんだ。
ほら、刺激的。
いろんな解釈がありますのでてきとーにみていろいろ感じてください。
よくわからなかったらすみません。その時はもっと努力したいと思います。