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「奴」が異世界にやって来た  作者: 一五爆撃
3/4

マリーの日記

9がつ1にち はれ

きょう わたしは とても すごい たいけん を しました

なので きょう という ひ を わすれないために にっき に のこしたい と おもいます


     ・

     ・

     ・


 エルフ達が生活する集落。

 森と川のある自然豊かな地にそれはある。

 その集落から少し離れた場所。

 古い馬小屋とそこを清掃する1匹の幼いエルフ。

 馬が1頭飼育されている。

「ふぅ~キレイになりました。アルフさん、後で散歩に行きましょうねー」

 その身なりから、豊かな生活をしている訳では無いようだが、幸せそうに満面の笑みを浮かべている。

 飼われている馬の毛並みはとても綺麗だった。

 余程大切に育てられているらしい。

「ヒヒィィィィィン」

 馬が突然鳴き出した。

「アルフ、どうしたの!?」

 心配して駆け寄る。

 安心させようと首を撫でるが、馬が落ち着く気配はない。

 すると、

 

 ズドォォォォン!!!!


 馬小屋の周囲一帯に轟音が響き渡る。

 積まれていた薪や干し草が崩れ落ちていく。

「ヒィィィィィィィィィィンンッ!!!」

 馬が暴れ始め、もはや制御不能だ。

「はわわわ、どうしよう・・・。」


「イタタ・・・。」


 小屋の中から見知らぬ少年が姿を現す。

「って、あなた誰ですか!?」

 エルフはパニック状態だ。

「えっ?・・・って、その耳は!!」

 少年はエルフに急接近し、耳をまじまじと見つめる。

「本物・・・!?」

「あっ・・・あなたは?」

「触っていい?」

「ふぇ!?」

「・・・ダメ?」

 困惑するエルフ。

「えっと、ダメじゃないですけど・・・。」

「ホント!?それじゃ早速・・・。」

 少年の手がエルフの耳に触る。

「・・・・うぅ。」

 エルフの耳は冷たい。

 だが、程よく柔らかい。

 そしてスベスベでツヤツヤとしている。

「これがエルフの耳か~。」

「////」

 照れているエルフ。

 ようやく満足した様で、耳から手を離す。

「君、ありがとう!」

 とても満足気だ。

「あの・・・。」

 それとは対称的に不満足そうなエルフ。

「ん?」

「あなたは何処の誰なんでしょうか?」

「あ、僕のこと?僕はカズ。よろしくね。」

 軽く会釈する。

「こちらこそ!あの・・・私、マリーって言います!」

 礼儀正しくお辞儀をする。

「で、何処から来たか聞きたいの?」

「はい。挨拶の時は皆、素性を明かしますので・・・。」

「へ~この世界にもそういう文化?ってのがあるんだ~。」

 目をキラキラさせ感激に浸る。

「・・・あのぉ・・・。」

 話が前に進まないことにもどかしさを感じるエルフ。

「ごめん、ごめん。僕は多分この世界とは別の世界から来たんだ。出身地は神奈川県横浜市!」

「別の世界?」

「そう、今流行の異世界転生って奴。」

「・・・?」

 少年が話す理解不能なワードに首を傾げる。

「あはは。やっぱり分かんないよね。まあ、説明とかは時間があればしてあげるよ」

 少年とエルフの会話は続く。

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