決着『テンガ・ティンガ戦』
じりじりと、テンガは間合いを詰めてくる。
だが俺もじりじりと、後ろへ下がる、下手に動けば、一瞬で首をはね飛ばせる、距離を保つテンガもその事が分かっているのか、下手に動かない。
「どうした?来ないのか?」
「そっちこそ、来いよ!」
先程からこの会話の繰り返しだ。
ユキナ視点
唐突にジン君が、100メートル程離れたと思ったら、魔神のようなテンガがジン君の前にいるじゃない。
微妙にだけど、お互いの距離を縮めたり、遠ざかったりと、私なら気が滅入りそうな、睨み合いが続いてますわ!
あっそうそう、ティンガはジン君の投げたナイフで転げて、衝撃で首を地面に打ち付けて気絶してますわ。
「ユキナ様、あの魔神に止めを」
そういって主人を守れぬ親衛隊のタイトは、剣を渡してきた。
「できませんわ」
「でもしかし?」
「ほら見なさい、相手は気絶してるのよ、気を取り戻す前に縛っておきなさい。」
「分かりました」
少し寂しそうなタイトですが、無視しておきましょう。
「ジン君ー頑張ってー」
叫んだが、眉一つ変える事なく静かに頷いた。
ジン視点
ユキナが何か叫んでいたが、何も聞き取れなかった、とりあえず頷いておく。
『コクン』
テンガはまだ、こっちに立ち入ろうとしない、そろそろ決めたいのに。
「バルバロッサー一つ問おう!
なぜ貴様は、魔族を狙う?」
「う~ん知らないねぇ、気分?」
「気分とな!ハッハッハッハー仕方ない、殺すしか道は無くなった。」
そう言いつつ、テンガは後ろに下がって行く。
変な動きをされても困るので足下をよーく見ておく。
「では参る!」
参るってテンガ変な性格してるなぁ!
『ザッザッザッザッ』
テンガは速度をあげ、こちらに迫ってくる。
きずいたときには、テンガは目の前に居た、そして右拳で腹めがけしたから、突き上げられる。
『パーン』
だが遅い。
「ウッ!きっ貴様ー!グファー」
なんとも呆気なかった、テンガの拳を受け止め、お返しにテンガが反応できないスピードで腹を50数回殴り続けた。
「バルバロッサー」
と言い残し、テンガは息を止めた。