『チームバルバロッサ』出発
う~ん。
「あら?起きましたか?」
「あぁ、何をしてるんだ?」
そう彼女は、俺よりも早くから起きていたみたいでエプロン姿だ。
「そろそろ、朝食ができあがるので、早く顔を洗って来て下さい!」
「あぁ」
そう促されるままに、洗面所に行き、顔を洗う。
顔を洗い、寝室のテーブルの前に腰掛けた。
すでに、テーブルの上は、沢山の料理で彩られている、トースト・ベーコン・目玉焼き・もう1つ見たことの無いものがあった。
「それでは頂きますか?」
「あぁ、いただきます。」
「どうぞ」
うん!旨い!
自然と手数が進み、自分の目の前にあった、料理が無くなり、得体の知れない物だけが残った。
「ユキナ!これは何だ?」
「それをご存知では無いのですか?」
「あぁ、知らない」
「それはですね、私の住んでいた街では、毎日食べるおいしい、プリンですわ」
「プリン?」
「そうプリンですわ」
プリン知らない、少なくともコールドでは、一切出回って無かった。
家柄等が関係してそうだ!
「ユキナ!昨日聞きそびれたんだが、お前ひょっとして・むごぉ」
人差し指で口を塞がれた。
まるでシーと言わんばかりに。
「私の家は、代々魔物討伐任務を任されて来ていました、そして私の先代達は!
魔族に殺され、私の番が回って来ました。
ですが!
私は死にたくありません。
なので私を守っては、もらえないでしょうか?」
「一応聞くが、戦闘は出来るのか?」
「ハイ!少々ならできます。
ですが、魔物等弱い物には勝てますが、ギリギリとしか言えません。
だから魔神と対峙して生き残る自信がありません。
守ってくれますか?」
「まぁチームだからな、守るも何も、女には女の戦場がある、魔族退治は任してくれたら良い、だが魔族との戦闘になった時は、俺の後ろから離れるなよ!」
「ハイ!
ですが、魔物との戦闘以外の戦場って何ですの?」
「あぁ言い忘れていたな!.......
それは俺の身の回りの事を任せる。
例えば、飯・服の手入れ・後は俺ができない事を任せる。
良いな?」
「ハイ!」
良い返事が返ってきた。
☆ユキナ☆視点
最初戦場は他にあると言われて、何かと思いましたが!
そんな簡単な事でしたのね、それにしても身の回りの事って、まさか伴侶にして下さるかも知れませんわ。
頑張らなくっちゃ!!
ジン視点
ユキナと話しを終え、仕度をしておく。
ユキナは、仕度をしながら目をキラキラと輝かせながら拳を強く握りしめている!どうやら、俺の言ったことについて、心を固めたようだ!
仕度を終え、広間に行く。
広間に来て、数分で昨日の面々が集まった。
「テンガ、ティンガ!おはよう!」
「おはよう!」
テンガは、答えてくれなかった!嫌われてんのかな?
「集まったみたいだな!
これから行う事は昨日説明した通りだ!
まず東を攻めるテンガ兄弟は、魔物討伐!
西から攻めるバルバロッサ達も同じ事をしてもらう。
ここからが、重要だ!
魔物を討伐していると、たまに魔神と対峙する事になるだろう、その場合速やかに殺せ。
さもなくば自分達が、殺されるからだ!
話しを聞いたが、テンガは既に三体の魔神を殺したと聞いている、テンガ兄弟は心配無さそうだな!
そして、バルバロッサもまた三体を仕留め無傷だったと聞いている。
君達は優秀だ。
健闘を祈る、準備が出来たら門に集合してくれ!
それではまた後で」
話すだけ話して、去っていった。
なぜか、殺気を感じる。
辺りを見回すと、テンガがこっちを睨んでいる。
テンガが、近づいてくる。
「おい!お前も、魔神を殺したんだってな、しかも無傷!ハッ笑わせやがる!そんな嘘、周りは騙せても俺は騙せないぜ!」
何て上から目線の奴だ、しかもこっちに対して文句をつける内容が、ちっちゃすぎる。
「でっ何が言いたい.....テンガ?」
どうせ、手合わせか勝負しろーとか言ってくるんだろうなぁ!
「お前みたいな、ひょろい奴が一番ムカつくんだよ!手合わせしろ」
やーぱりそう来たか。
「勝てる自信でも、あるのか」
「勝てるね!お前どうせコールド育ちだろ?昔住んでた!
分かるんだよ、魔物ばかり倒してイイ気になってる奴の事わな!そんな奴が仲間だと思うと虫酸が走るんだよ!
『ペッ』」
テンガの唾が靴についた、さっきユキナがサッとだけど、磨いてくれた靴をこんな汚い事を、許せん。
バックジャンプして、間合いを取ったテンガを睨みつける。
「辞めなよ二人供、一応仲間じゃないか!」
「ティンガは、黙っていろ!」
「雑魚に用はない、失せろ」
ティンガは、後ろへ下がり黙って座りこんだ。
「物分かりが良いじゃねぇか、バルバロッサ!!」
「ちょっと待っていろ!ヤボ用だ、
ユキナッ!すまないちょっと拭いててくれるか?
タオルは、捨てて構わない!
そのタオルはゴミだ!」
ユキナはタオルを握りしめ、こちらを泣きそうな表情で見つめている。
可愛い奴だ。
そして、裸足のままテンガへ向き直る。
「用は済んだか?」
「あぁ」
「ケガをしても、しら『シュッ』ねぇぞー」
テンガはこっちに向かって、物凄いスピードで地面を蹴り近づいてくる。
「ジン・バルバロッサ!もらったー」
そのスピードに合わせたまま、両手拳を、ワン・ツー!それらを三回繰り返した頃、壁に寄せられ逃げ場を失った。
「終わりだ!バルバロッサー!」
テンガの右拳のストレートが迫ってくる。
「遅い」
テンガの右拳を、掴み拳を握りしめる、折らない程度に。
「そうくると、思っていたよ!」
『シャキン』
仕込みナイフ!
テンガの靴から仕込みナイフが出て、風を切って迫ってくる。
「遅い」
にっこり微笑みながらテンガの右拳を握り潰す。
テンガは痛みで右拳を抑えながら、床をのたうち回っている。
「うっうぁー、右手がー!」
「ゴミが!『ガァァァァッペッ』」
のたうち回るテンガに、痰を引っ掛けた。
ユキナの方へ、向き靴を履きに戻る。
「ちょっとやりすぎでは、ないですの?」
恐怖を感じずには居られない、みたいな顔をしている、イヤ俺に恐怖を感じている。
「嫌いになったんなら、これから付いて来なくて良いぞ!
魔神との戦闘では、こんな事じゃ終わらないからな!」
「嫌いに等・・・なってません、付いて行きますわ!よろしくて?」
「好きにしろ」
「ありがとうございますですわ」
そして、広間を後にした。
因みに、彼の悲痛な叫びは、続いている。
門に着き、変なおっさんが居た。
「おい!おっさん!チームバルバロッサそろそろ出発する。
良いか?「出発ですの」」
おっさんは頷き、口を開いた。
「お前達途中、西の街シードに行って、色々食料を買うと良い、では健闘を祈る。」
「ハイ!ありがとうございました。」
・・・・・・・・・・・・
そして俺達は、西の森を抜け西の街シードを目指し歩みを進めた。
自分で読んでて、読みやすいように、表現等していますので、どこか読みにくいなぁと思ったかたは、コメントお願いします。
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