魔物討伐実習
「ファー」
目が覚めあくびを一回、今日も気持ちの良い朝だ、夜の事を思い出してみたが、あまり記憶が残っていない。
ただちっちゃい、精霊に力をあげると言われたことと、光に包まれた事くらいしか、覚えていない。
「何だったんだ?」
辺りを探してみるが、肝心の本は何処にも無い。
とりあえず、仕度をし学校に行かなければ。
「母さん、おはようさん」
「あら、今日は早い目覚めね!」
「そうかな?いつもと同じだよ!」
と言いつつ、時計を見た。
いつもより、三十分早く起きていた。
「まぁ良いわ、早く朝御飯食べて」
「いただきます」
今日の朝は、目玉焼きにトーストとコーヒーだった。
「今日の授業は、何をするの?」
「そうだな~確か門をでて魔物討伐実習だったかな!まぁ楽勝だよ!」
「そう、じゃあ怪我しないように、頑張ってね。」
「うん、ありがとう。」
朝ご飯を食べ終え、部屋に戻り寝癖を整えて、学校え向かう事にした。
「行ってきまーす」
ネジネジ.......ガコン
いつ開けても、めんどくさい扉だ。
・・・・・・・
学校に着いた。
靴箱で上履きに履き替えた所で、クラスの中で最も悪い男が声をかけてきた。
「ジン!今日は早いじゃねぇか、とりあえず購買で、カニクリームコロッケパン買ってこい!一分だぞ、良いな?」
最悪だ、朝からパシられる何て。
「分かった!じゃあ150円だよ!」
「はぁぁぁ!てめぇの奢りって決まってるじゃねぇか」
そんな約束した覚えは無い、イヤむしろこいつと喋るのも今日で三回目だ、一回目は入学式で二回目は教室掃除当番を一方的に、任して来たときだ。
「奢りなんて嫌だ!君に奢るくらいなら、クリスさんに奢る」
うわー喧嘩売っちゃった~。
「お前誰に、言うてんだ?」
もうやるしかない、かなり眉間にしわがより、瞳孔が開きっぱなしだほぼデメキンみたいだ。
「おい、ちょっとついてこい」
・・・・・・・・
学校の門を出て三分の所にある、公園まで連れてこられた。
「おい、謝罪の言葉わ?」
そんなのねぇよ、どうせ謝っても殴られるなら、先手必勝だ。
「申しわ」まで言いつつ、右拳を相手の眉間めがけて、振り抜いた。
ブチ......ボト
目の前の不良は、頭が落ちており胴体だけが、俺の目の前を塞いでいた。
「てか、何が起きた?」
てか人殺しをしてしまったんじゃないか?
これはこれで、放置はまずい。
と思い、とりあえず隠すため、地面を掘る。
・・・・・
掘り終わった。
そこに不良の胴体を落とし、最後に不良の頭を拾い、目を閉じさせ、今の力の真相を確かめるため、少し残酷だが、穴の中に持てる力を振り絞り、投げ込んだ。
ズコン
すると、不良の頭は、地面にめり込み、胴体よりも地中に埋める事に成功した。
上から砂をかけ、ちょうど近くに置いてあった、生コン車の中の固まる前のコンクリートを集め、穴の上を補強するように、かけておいた。
「フゥ、やっちっまった。」
はぁぁ、とりあえず学校に行こう。
何事もなかったかのように、教室に入り席に着いた。
先生が、教室に入ってきた。
「あれ~トシ君来てないなぁ?誰か知らない?」
ばれませんようにばれませんように。
「先生~!登校してるとき、ジン君と一緒に居るところ見ました~!」
ヤバイあいつ誰だよ、あっ地味でデブのカナエだ!
「先生~!声をかけられただけで、そっからは、何も知らないです。」
「そうですか、トシ君は今日欠席と!」
ふぅ何とかやり過ごした、よかったよかった。
「では、授業を始めます。なので全員門を出る準備をしてー」
応急薬に医療セットの入った鞄を持ち、校庭に集合した。
「それでは今から、魔物討伐実習を開始します。
魔物を一匹討伐し、証拠となる魔物の一部を持ち帰ってきて下さい。
チームを組むもよし、一人で狩るのもよしとします、でも無理はしないように、魔神に接触したら直ちに逃げること。わかりましたか?」
「ハーイ」
クラスの皆が一斉に、先生に返事をして街の門に向かい、走っていった。
「あれジン君?行かないの?」
「行きますよ!ちょっと考え事をしてただけです。」
この力は、どの程度まで使えか未知数だが、全力を出せば人の頭と胴を切り離す事はできる、コントロールが必要だ、だからまず皆を観察しながら、戦闘に参加しよう。
門に着いた。
街を出てすぐ近くの魔物は、普通にナイフを刺しまくれば、いずれ死ぬような貧弱な奴らだから、大丈夫だろう。
「クックソー」
ん?あそこに居るのは、カナエだ!さっきは俺の事を売ろうとしやがって、苦戦しているようだが、ちょっと見とこう。
魔物は、オオカミが突然変異して、頭から、大きな約30センチくらいの角がはえており、普通のオオカミなら黒と白なのだが、魔オオカミは黒い、ただ黒い。
カナエは、ナイフを構え魔オオカミめがけて、一直線に走ったが、右腕を噛みちぎられ、大量の血ヘドを吐いている。
そろそろやばそうだな、助太刀してやるか。
「どけ~!」
俺はカナエの首根っこを掴み、街の門の方え力一杯投げた、カナエは一応女だが、地味デブなので眼中に無いが、まぁ目の前でクラスメイトが死ぬのは、さすがに見たくなかった。
魔オオカミは、俺の方え走って来ている。
「フンッ」
パキンッ
かんだかい音と共に、魔オオカミの角をへし折った。
『ホォォォ、ホォォォ」
仲間を呼ぶかのように、辺りを見回しつつ吠え出した。
「終わりだ!」
魔オオカミの首筋を掴み360度捻る。
『グルル......』
魔オオカミは、息を引き取った。
先ほど折った角を、カナエめがけて放り投げ、また新たな魔物を探しに、カナエの近くを後にし、更に突き進んだ。
カナエ視点
何なのあいつ、いきなり横から入ってきたと思ったら、首根っこを掴み投げ飛ばす何て、レディにたいして、失礼だわでもあの時割って入ってくれなかったら、今頃わたしは、魔オオカミに右腕どころか、全身を噛まれたかもしれない、運が悪ければ、逃げ切れず食べられたかも知れない。
助けられて、ちょっとだけホットした。
しかも、あの力何?
あんなに目立たない、男があんなに強かったなんてあれほど、強ければ魔族に勝てるんじゃないかな?
あれ?魔オオカミの角だわ、確かさっきこっちに投げてきたよね、くれるのかな?
まぁ一応あるし先に戻らして、もらおうかしら。
「ジン君、ありがとう」
ジン視点
助ける気はあまり無かったのに、デブが何か言ってるよ。
はぁぁ
もう良いや、とりあえず魔物を探すか。
すると、大量の血痕を発見した。
血は、まだ新しく血の色は、真っ赤だ。
血は、引きずられた後があり、茂みの奥に続いていた。
それを頼りに、更に茂みの奥に足を踏み入れた途端...........
「うぇぇオぇぇぇ」
俺は吐いた。