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2.見知らぬ青年

次の日の朝、メレーナが目を覚ますと、部屋に見知らぬ青年がいた。



見た目は十八歳くらいだろうか、蒼い瞳が印象的だった。



夢でも見てるのかな。




いや、夢じゃない!



ていうか、なんであたしの部屋に知らない人がいるわけ!?



青年はこちらを見て微笑したまま動かない。



部屋の中は薄暗く、夜明け前だということがわかる。



それに気付いたメレーナは恐怖に身体を震わせた。



何なの?



もしかして、幽霊……?



あたし、殺されちゃう!?



頭が混乱しているメレーナの元に、青年がゆっくり近づいてくる。



それに合わせて、メレーナは後ずさる。


「あ、あんた何者なの? なにしに来たのよ!?」



「私ですか? 私は迎えの者です。あなたを迎えに来ました」



青年は爽やかにニッコリと笑って答える。



夜中に少女の部屋に無断で入ったあげく、迎えの者だなんて胡散臭いにも程がある。



しかし、服装も物腰も上品で、とても賊や暗殺者などの類いには見えなかった。


「迎えの者だなんて信じられるわけないでしょ!?」



メレーナは近くにあった置物を手に取る。



「おや、何も聞いてないんですか? 私は王宮の者ですよ」



「はぁ!? 乙女の寝室に侵入する貴族がどこにいるのよ!?」



メレーナは手に持っていた置物を青年に投げつけた。



置物は弧を描いて青年の腹部に命中した。



「うっ……」



青年はうめき声を上げると、よろよろと一歩下がった。



よし!



命中したわ!



メレーナは青年から目を離さないようにして大声を上げた。



「お母さんっ、助けて! あたしの部屋に不審者がっ」



そう叫んだとき、青年が不敵に笑った……気がした。





あれから何分経っただろうか、家の中はしんとしていて、ラウネスが起きてくる気配もない。



どうして誰も来ないの?



メレーナはその事実にただ戸惑うばかりだった。



メレーナの父、アーデルは仕事で遠くへ出ているため、しばらく帰ってこない。



つまり、この家にはメレーナとラウネスの二人しかいなかったのだ。




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