第7話 KANAの引退計画
今日は雑誌の特集というお仕事があり、4人全員色違いの服を着て撮影。
本物に戻った社長は気を入れて、おいしい豪華な差し入れを用意。
でも、今日の朝から涼介さんと聖さんがケンカをしているのか
ずっとしゃべらないで、お互いずっと一人行動状態。
大さんはいつもどおりハイテンションだけど・・・・・。
こんなことを大さんは教えてくれた。
「元々3人のときから不仲説が出ててさー、いろいろ大変なんだよねー。」
「そうだったんですか・・。」
「涼介は疲れると機嫌悪くなってね、聖はたまたまじゃないかな?」
「ありがとうございます!そっとしておきましょうかっ!」
(零夜が走ってスタジオを出て行くと、一人大は)
「男として接しないといけないなんて、ホント無理言うよなっ★」
その後、メイク室で唯一、事情を知っているヘアアシスタントの
REINAさんとわたしはいろいろと相談をした。
いつも、相談していて、何かあると心配してくれるし
本当に心から感謝したい人である。
「涼介さん、きっと何かあったんだと思います。気になってて・・。」
「で?涼介のどんなところが好きなの?」
「え!?そんなんじゃないですよ。メンバーが困ってたら助けたいって・・。」
「その気遣いは好きってことでしょ?最近、涼介の話ばっかり。」
「え、うそ、あ、え、えっと、その・・・・。」
「涼介はあまりお勧めな男性じゃないけどね、まぁがんばりなさ~い。」
うそ。わたしは涼介さんのことが好きになっちゃったの?
最近、無意識に涼介さんの話ばかりしてたみたい。
別に優しくされてもないし、キュンとしたこともない。
なんで、好きになっちゃったんだろう。
次の日、KANAさんとのお仕事があり、特別な衣装を着て
緊張しながらスタジオに入ると、KANAさんがいろんな質問をしてきた。
しかも、なんでこの質問?と思うものばかり。
「零夜さんって高校はどこだったんですかぁ?」
「えっと・・す、鈴蘭宮寮学園です!」
「へぇ~。わたし、特別マネージャーだったの。その寮の。」
「そ、そうなんですか・・。」
「何期生?卒業したのっていつか分かるかしら?」
「覚えてないです・・。」
「ふ~ん。やっぱり、あなた、男じゃなかったのね。」
「えっ?」
KANAさんが言うには、鈴蘭宮寮学園は何期生という数え方はない。
きっとKANAさんと今年初めて会ったときからばれてたのかもしれない。
このままじゃ・・どうしよう。
一人で行動なんかしなきゃよかった。
(影で2人の会話を聞いていた聖は2人に近づいていく)
「零夜。そろそろ撮影始まるぞ。」
「は、はい!」
(2人が歩いていくのを見ながら、一人あることを思いつくKANA)
「・・・・・・・・・・・・・。」
「お前は本当にドジなヤツだな。(笑)」
「す、すみません。」
「くるしかったら言えよ?相談乗るしさ。」
「ありがとうございます。でも、大丈夫です!」
聖さんのおかげで、KANAさんのところから離れられたけど
また会ったら何か言われるかもしれない。
相談乗るって聖さん言ってたけど、心配なんてかけたくない。
撮影が終わって、衣装から普通の服に着替えようとしたときに
ポケットに紙切れが入っていた。
何か書いてあるのを発見し、見てみると
ーソロデビュー予定の5月28日に劇場ホールでサイン会があるそうね?
その時にあなたの本当の姿でサイン会を開くことを約束しなさい。
そうしないと、あなたも涼介たちもバラバラになっちゃうかも、ではー