第6話 社長が帰ってきた!?
マネージャーの笹船さんがいきなり説明しないといけないことがあると言い
新しいわたしの部屋で話しをした。
実は今の社長は本当の社長じゃなかったのです。
アメリカに出張中の社長の代わりに笹船さんのお兄さんが演じていただけ。
本当の社長の名前は鮫川孝治という方だった。
NEWメンバーデビュー会の進行は社長のやることだけど、秘書が今回は
すべてやることになっていて、社長と顔をあわせることなくデビューになる。
わたしが男装してファンの前で歌や音を届けることになってると知ったら
社長は絶対に怒って、わたしはすぐに脱退することになってしまう。
こうなったらメンバーとマネージャーだけにしか絶対にこの秘密はばれないようにしよう。
「スマイルアイドルのあのKANAちゃんが来ることになってる。最初の零夜のお客様だ。」
「KANAさんって水元加奈さんですか?実は、学校が一緒で・・。」
「そう、水元加奈。トップアイドルとして2011年から売れ始めたんだ。」
「・・・・・。」
そういえば、社長にばれたときは誰が責任を取るんだろう・・。
笹船さんに聞いてみると
「責任はリーダーの涼介やこの笹船さまにあるのだ。ハッハッハ・・。はぁ・・。」
「どうしたんですか?」
「元は俺の責任だ。バレてから考えればいい。」
「分かりました・・。あ!KANAさんってどんな人ですか・・?」
「可愛いし、言うことはなんでも聞く子。Sweet★Kissのファンなんだってさ。」
そんな話をしていると、インターホンが鳴り笹船さんが走って出迎えに行った。
大きな話し声が聞こえると、涼介さん、聖さん、大さんが上から降りてきた。
身の危険を感じたと言う涼介さんはまた上にのぼって行った。
「初めまして零夜さ~ん♪KANAで~す★メンバー入りおめでとうございます!」
「あ、ありがとうざいます・・。」
「涼介、好き嫌い激しいから、嫌われないようにがんばってくださいねぇ?」
「え?」
「あなた声も高いし、色白で、女性っぽいから涼介のタイプじゃないと思いまして。」
「タイプです・・か?」
「それより、涼介はどこですか?」
男の人にも好き嫌いがあるなんて初めて知った。
それより、なんでKANAさんはこんなに涼介さんのことを知り尽くしてるの・・?
もしかしたら付き合っているのかもしれない・・。
でもわたしは、恋なんてしたことないし、恋ってつらいとかあるのかな?
「なんだよ、ぶりっ子野郎。」
「また会えてよかったわ。わたし涼介のこと本気で好きだから。」
「この俺がお前を好きになるとか1パーセントもねぇよ。」
「あなたがわたしを好きになることだって出来るんだから。」
「じゃあやってみろよ。今、ここで!。」
「それは無理。今年中にと約束するわ。絶対にライバル抜かしてやるんだから。」
いつもこの2人は会うとすぐに喧嘩になるため、大さんも聖さんも
気を使って、あえて何も言わないようにしているとのこと。
無理にわたしも口出しすると、余計なこと言ってばれちゃうかもしれないから。
すぐに仕事があるということで、KANAさんはすぐに帰った。
何分か後に笹船さんの携帯に電話が掛かってきた。
その相手はなんと本物の社長!?
しかも、あと10分でS★Kエンターワールドに着くということで
至急向かうことになった。
胸がドキドキして足ものが見えないくらい緊張した。
「君が桐生零夜くんか、キュートだね~。」
と思ったけど。
「これからは忙しくなるが、Sweet★Kissを育てていこう。」
「はい!」
全然気づいていない様子。これはラッキー。
「今年は君が輝く年だ。問題起こさないように涼介、頼むぞ。」
「おぅ。ま、問題起こしそうなのは笹船のやつだけどな。」
「よし、この1週間は特別に仕事なし。信頼と絆を深めてこい。いいな?」
『はい!!』
Sweet★Kissの歴史
2010年、社長により現ボーカルギターの涼介をスカウト。
1ヵ月後大と聖をメンバーに加えて、本格的結成。
そして2010年4月21日に東京ドームの会場でデビューライブを開催。
ファン総数約2万人と好調なデビューを迎えた。
11月に開かれたJAPANMUSIC大賞の新人賞を受賞。
2011年、バラエティーやライブで大活躍。
バラエティーでは大が多く出演し多くの茶の間をにぎやかにさせた。
ライブは2011年4月から2011年12月まででなんと37都道府県で開催。
ベストアーティスト賞を受賞
2012年、7作品のCMに出演しそのCMの商品が過去最高の売り上げになり
NEWSでも多く取り上げられた。
ガムのCMだと物語風に始まるCMということで3人が学生服に変身。
Sweet★KissのNEWシングル用のCMだと
わざわざライブを開き、ファンと一緒に1つのCMを作り上げた。
大がスマイル賞を受賞。
2013年、体の不自由な子供たちのために、病院の中でライブすることを
特別に許可してもらい、オリジナル曲を含め全12曲を披露する
ミニライブを開き、子供たちに生きる勇気と笑顔を届けた。
バラエティーでは期間限定冠番組をスタート。
2014年1月まで放送予定。