表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺のモノ。  作者: 咲羅
2/4

〓2.泣かないで

「ていうか付き合う気すらないし。有紀奈は俺のことなんとも思ってねぇだろ」

思ってるくせに何言ってんだよ俺。そこに有紀奈が来た。

「なんの話してんのー?」

「邪魔者は消えますよ」

俺は自分の席へ戻った。

「ちぇっ。直哉も一緒の方が盛り上がるのに〜」

「松原もしかして直哉のこと好きなの?」

「え!違うよ。あたしが好きなのは――」


ガラッ

先生が来た。先生がドアを開けた音で小さな有紀奈の声は消された。

「あータイミング悪かったな」

「またチャンスはあるさ」

「応援してね。次告るつもりだから」

俺はお前が好きなんだ。

「うん」

なんて言えるかバカ。

「や、やだ」

「なんでよ。応援してよ〜」

有紀奈は急に泣き始めた。

「ゴメン」

「将也…結構もてるから…話してると友達に嫌われて…今友達は…あんたしか…」

有紀奈の言いたいことはだいたい分かった。有紀奈が泣いていることに先生が気づいた。

「どうした?松原」

しーん

誰も

「どうした?」

「大丈夫?」

と有紀奈に声をかけようとしない。

本当に有紀奈に女友達はいないんだ。

このクラスで有紀奈が信用できるのは俺しかいないんだ。

強い風がふいた。有紀奈の手首らへんにアザみたいなものがチラッと見えた。

“もしかしていじめられてる?”

俺はそう思った。でもここで話すのは有紀奈がかわいそうだからとりあえず、

「松原さん、具合が悪いそうなので、保健室まで連れていきます」

と嘘をついておく。

「あぁ。よろしく」

先生は俺の嘘に騙された。先生に嘘をつくのは初めてだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ