第1話
俺は今年30歳になった。
結婚して子どもにも恵まれて、「俺の人生、順風満帆!」と思っている。
俺には父方と母方、両方の祖父母が居る。
だが、父方には曾祖母が居るのだ。
なんとっ! 御年98歳!
それも寝たきりとかじゃないんだ。杖もつかずに歩いてるって聞いた。凄すぎる!
その曾祖母が、なんとっ! なんとっ! 田舎から出て来るって言うじゃないか。
俺は初めて会う曾祖母に興味津々!
いやぁ~~、子どもが居るパパなんだけどさ。
なんか、祖母は嫁だから分かるんだけど、息子のはずの祖父まで、なんかさ……緊張してるみたいなんだ。
だから、どんな「ひぃばぁちゃん」かな?って、ちょっと興味津々なんだ。
今日、来るんだ。
俺の実家は大騒ぎで、今、やっと落ち着いたところかな?
「おいっ! お母さんが好きな物、用意してるかいな?」
「用意してます。」
「そうか……。」
「お父さん、落ち着いて下さいよ。」
「落ち着いておられん。年なんやで。お母さんは……。」
「そやから、今、お迎えに行ってます。」
「それは分かってるんやけどな……あぁ……大事無いかいな…。」
「お父さん……。」
「分かってる!」
何やら、分からない言葉が時々出て来る。
いつもの、じぃちゃんとは違う。
迎えに行ったのは、俺の父親。
「おやじ」は「じぃちゃん」からみれば頼りないらしい。
「じぃちゃん」は盛んに「あれに頼んだのが悪かったんかいな……遅い!」と大きな声で嘆いたりして、見てて面白い。
そんなこんなで時間が経って、「おやじ」が「ひぃばぁちゃん」を連れて帰って来た。
いよいよ! いよいよ……あのいつも冷静な「じぃちゃん」を右往左往させる「ひぃばぁちゃん」とご対面~出来る。
玄関を入って来たのは小さな身体で着物を着たおばぁちゃんだった。
「お母さん! ようお越しやして。
遠路はるばる、お疲れやありませんか?」
「まぁまぁ、晴四郎さん。私は大事無いことでございますのし。」
「お父さん、お義母さんに早う上がって頂いて貰わな。」
「そや、お母さん。上がって頂かして。」
「ほな、そないさせて頂かしましょうかのし。
晴四郎さん、お邪魔させて頂きますよし。」
「はい、お母さん。」
「ひぃばぁちゃん」と「じぃちゃん」の会話は分からない言葉が万歳だった。




