プロローグ 第二王子の失踪
僅かな灯りが、書き散らかされた文献の山をぼんやりと浮かび上がらせる。
華美な服をまとった男は、額に冷や汗を滲ませ、魔法を唱えながら文献から気になる一節を抜き出しては紙に走り書きをしていた。
「迂闊だった…。死霊に監視されていたとは」
つい先ほどの出来事が、脳裏で最悪の結末を形作る。間に合うかは半々だ。それでも、手を打たなければ命一つでは足りなくなる。
だが、魔の手はすでに迫っていた。堅牢な城塞をものともしない、悪しきネクロマンサーの裁きが。
ふと振り返った瞬間、彼は死を悟る。
同時に、彼の最後の魔法は唱え終わった。
『周りを嗅ぎ回っていた鬱陶しいネズミめ。だが、それもここまでだ。貴様の死体、俺が有効活用してやろう』
不気味な笑みを浮かべるネクロマンサーが死体を操ろうとしているその背後で、魂は静かに逃げ出す。
「……なんとか間に合った。あとは賭けだ。果たして私の声が聞こえるだろうか、ネクロマンサ───モルネラ」
誰に聞こえるわけでもない声が虚空へ消える頃、城塞王都ヴェルデンでは第二王子の失踪が人々の噂をさらっていた。
はじめまして、音藁ちまたと申します。読んでくれてありがとうございます。
ちょっとした趣味で自分だけが見るような小説を書いていたのですが、ふと小説サイトに載せてみるのもアリかなと思い、こうして「死者からのおつかい」の執筆、投稿を始めた次第です。
堅苦しい挨拶は置いておきまして…この作品、まだまだ全然書けていないと言いますか、僕のモチベが上がり下がりで更新は不定期になると思います。
まあ、完結を目指してまったりと書いていくつもりです。
ちなみに小説家になろう というサイトにあまり詳しくなく、マトモに使ってみるのも初めてです。なろうにコメント機能があるかどうか分かりませんが、もしありましたら感想のほどを是非。
どこか話の流れに矛盾点を感じたりした場合もご指摘下さいますと幸いです。僕はかなり適当な性格ですので…。




