97 転移者の日々(4)
広一達は転移して直に転移者のみが扱える特別な能力のチェックを行った。無事に5人の転移者は特別な能力がある事が分かり広一は内心で喜んだ。
勿論。皆に能力があった事ではない。自分に能力がある事にだ。寧ろ、他の4人に能力があった事に広一は少しがっかりしたぐらいだ。自分以外に特別な能力があったのは残念だが、広一には異世界物を読んで培った知識がある。そう自分に言い聞かせて不満を落ち着けた。
それから数日。自己紹介やら、どう言う状況から異世界へ飛ばされたかなどを転移者同士で語り合いながら過ごす日々が過ぎた。
広一はその数日で4人を観察した。
黒い長い髪に日本人女性の平均より大きな身長。身体は凹凸が少なく日本人らしさがある身体。年齢は16歳で女子高生。雨雲早矢
(あまりタイプでは無いな…)
広一は男性の平均身長より背は低い。だから自分と似た身長の早矢の事はタイプでは無かった。
次。
金髪ウェーブ。見た目からギャルと分かる外見。身体は凹凸があり。胸もそこそこで尻もデカい。身長は女性の平均かそれより少し低いぐらい。彼女も女子高生で17歳。四宮梨音
(身体は良いが。ギャルか…)
広一は中学にいじめられた時にギャルにもいじめられていた為あまりギャルが好きではない。
次。
三つ編みおさげで地味な見た目の少女。身長は小さく。身体の凹凸も乏しロリ体型。中学三年の15歳。花園里利
(うむ!素晴らしい!この子ならヒロインにしてやってもいいな。)
広一は背が低くおどおどとしている花園梨里を気に入った。自分より弱そうで怒鳴れば言う事を聞けそうな少女。広一はそう認識した。
次。
ロン毛でオールバック。イカツイ高身長の男。年齢は27歳。斎藤錬
(男には興味ないわ。)
広一はホモではないので興味をなくした。
広一は自分がこの世界の主人公だと思い込み。勝手にヒロインを厳選した。が、それが間違いだと気づくのはもう少し後のお話。