表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/84

81 英才教育



 ソフィリスはこの世界に来て、ゴマンから様々な事を学んだ。文字、歴史、武術、魔法など一般魔族では受ける事が困難な教育をゴマンから与えられた。


 その教育の中でソフィリスは魔法に関心を持った。


 前世では無かった現象でソフィリスの関心を引くには充分であった。更に、ソフィリスは前世からファンタジー系の漫画やアニメが好きだった事が魔法への関心を一層に強めた。


 ソフィリスは魔導書を熟読さしてある事に気づいた。


 魔法には適正があり、その適正を伸ばす事で強力な魔法を扱う事ができる。そして、属性其々(それぞれ)に得意不得意があり出来る事が変わってくる。が、汎用性の高い魔法は別であった。それは魔導書を読んでいるなら誰しもがいずれ気付く事ではあるが、ソフィリスは魔導書を読みそれに瞬時に気付いた。


 【風壁】は火魔法でも水魔法でも土魔法でも再現が可能である。それどころか【風壁】に関しては風より土での再現の方が防げる物も多く適正が高い。だけど、無理をすればどんな属性でも【壁】の魔法は使える。それは魔法戦にいてはかなり重要な事である。ソフィリスはそう認識した。


 /


 だから…


 ソフィリスが爆煙から出た後に踏み込んだ足元が爆発した事に驚きはしたが、対応する事が出来た。


 中級魔法【地炎ぢえん


 魔法使いが戦士に接近されたく無いなら【地炎】を仕掛けるだろう。ソフィリスらそれを予測していた。ソフィリスだってそうする。


 だからいつでも発動出来る様に【嵐歩】を準備をしていた。


 爆発と同時に【嵐歩】が発動。爆発の衝撃と嵐歩の圧縮した風が足裏を押す衝撃の痛みに顔を顰めながらも、その場から瞬時に離脱。爆煙の中へと再び姿を隠した。その直後に爆発した地面から炎が噴き上がる。


 (危なっ!まともに喰らってたら塵すら残ら無いじゃない!)


 ソフィリスは爆煙に入る前の最後の光景を観て戦慄した。



 爆煙の中は熱と衝撃波がまだ吹き荒れていた。まだ【炎珠色法】は機能していた。ソフィリスはその中を走りフォットリンから離れて行く。


 逃げるわけではない。


 ソフィリスは大きく周り道をして爆煙から出る事にした。正面からじゃフォットリンを殺す事は出来ない事をソフィリスは察したのだ。


 だから、ラズと戦っている間に周り込み背後を取り奇襲する。


 /


 そして、今。


 その作戦は成功した。ラズの頑張りにより、フォットリンは背後のソフィリスに気が付かなかった。


 結果。ソフィリスの剣はフォットリンの急所を一突きしていた。


 フォットリンが肩越しに後ろを見て驚愕する。


 先程戦闘不能にまでしたと思ったソフィリスが自分の胸を貫いていたからだ。


 (何故?いや…そうか、コイツはゴマンの血縁の者だったか…)


 フォットリンは敗因を探り、理解した。若く未熟な魔族。才能はあるが磨かれていない原石。そんなソフィリスはこの場で最も弱い者だとフォットリンは無意識的に判断した。その結果。フォットリンの魔法の罠で戦闘不能に成ったと勘違いしてしまった。


 (わしも…もう歳かじゃな。)


 フォットリンの身体が力を失い地面へと倒れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ