8 お勉強(歴史・新たな争い・完結)
4種族の争いは人族の介入により和解へと導かれた。
大陸中央は5種族で分けることになった。
大陸を分けるにあたって、新たな争い事が生まれないように配慮されることになった。
エルフ族の領地は隣を人族と魔族で挟み、エルフ族と中の悪い、獣人族とドワーフ族は魔族と人族に挟まれる形となった。人族領地はエルフ族と獣人族の隣である。
これで大陸は平和を謳歌できたかと言うとそうでは無い。
争いが終われば新たな争いが始まる。
五種会が行われて80年が経った頃に事件が起きた。
魔族と人族を除く3種族の民達が行方不明になった。
3種族は魔族と人族を怪しみ密偵を送った。
その結果
人族の領地で奴隷にされたドワーフ、エルフ、獣人が見つかった。なお、魔族からは密偵にすら気づいていなかったと言う。
3種族は人族の代表を呼び出した。ついでに魔族の代表も。
2回目の五種会がひらかれた。
人族の代表は3種族の奴隷は知らなかったらしく、「すぐに調査する」と返し領地へと帰って行った。
それから1ヶ月後に、また五種会をひらかれた。人族の代表は深々と頭を下げた。
「申し訳ない!貴族の1人が3種族の誘拐をしていた事が判明した。」
ガンッと机に頭を下げる人族代表。
被害者の3種族は厳しい眼で下げられた頭を見ていた。
「で?奴隷にされた我々の国民はどうなった?」
獣人が怒りが滲む声で問いかけた。
「勿論、奴隷にされた者達は各種族の領地へ帰す準備ができている。」
人族の代表は冷汗をダラダラと掻きながら応えた。
「そうか、それはよかった。で?その貴族は我々に渡してもらえるのだろうな?」
「そ、それは」
人族の代表はその質問に応える事ができなかった。
「今回問題を起こした貴族ですが、王族の血が混じっていまして、現王とも良好な関係でして…」
「「「ふざけるなッ!!」」」
3種族の代表が怒りのままに机へと拳を振り下ろした。
バゴッ
と、音をたて石造りの机が砕けた。
3種族は貴族を要求するが、人族の代表はそれを拒否し続けた。
結果。3種族が今回は見逃すことになり、人族は一部の領地をエルフ族と獣人族へ渡した。ドワーフ族には希少な金属を渡すことでどうにか怒りを収めてもらった。
だが、それからもエルフ、ドワーフ、獣人の誘拐は跡を絶たなかった。
人族の行き過ぎた行為に怒りの限界を迎えたのは獣人族だった。獣人族は人族に宣戦布告し戦争を吹っかけた。
獣人族は敗北した。
原因は明らかだった。獣人族は人族よりも数が少なく、文明もあまり進んでいなかった。決定的だったのが、攻城戦だったこと。
ただでさえ数で負けているのに攻城戦で攻城兵器無しで戦い敗北した。獣人達は領地を放りだし逃げる事にした。逃げ先は魔族領だった。
魔族領に逃げるのには理由があった。人族は魔族を悪魔だと考えていたから。近寄ろうとしなかった。ただそれだけ。
獣人にかった人族は増長した。
異種族狩りも激しくなりエルフと、ドワーフはさらなる被害を受けた。
黙っておくことができなくなった。エルフとドワーフは手を組、人族へと宣戦布告した。
結果は敗北した。
獣人より善戦したがやはり数と文明の差で負けた。
エルフは森暮らしで基本武装は石槍と弓それと魔法。
ドワーフは山暮らしの鉄の武具と魔法の装備だった。
だが、倒されたドワーフから武具などを奪われてしまい、優位性が損なわれてしまったのだ。
エルフとドワーフはやはりと言うか魔族領へと逃げてしまった。
人族は大陸の八割近くを手に入れていた。
魔族は思った。
「あれ?これって、次は俺たちの番じゃないか?」
魔族は歓喜で震えた。
魔族は闘争心を持て余していたのだ。
4種族戦争が忘れられなかった魔族達は人族が攻めてくるのをまっていた。だが…
魔族との期待とは違い人族は戦争を仕掛けなかった。それもそのはず。人間にとって魔族は悪魔と考えられていた。誰が悪魔と関わりあいになりたいか?いるわけ無い。
魔族は期待を裏切られ怒り狂った。
手を出してこないならこちらから手を出してやる!
まさに蛮族!!
結果。
魔族は負けたが、
止まらなかった。
魔族は負けても最後まで戦う戦闘民族なのだ。
エルフ、ドワーフ、獣人は焦った。
「「「これは負ける」」」
3種族は手を取り合い魔族に協力した。
魔族が負ければ3種族は奴隷にされるのが目に見えているからだ。
今まで手を取り合う事がなかった。4種族が初めて手を取り合った。
その結果、魔族は人族を押し返したのだった。
これで歴史編終わりです。