5 お勉強(歴史)
今日の夕食中は私の話題で盛り上がっていた。
「わっはは!流石私の娘だ!」
「そうねあなた。」
「わしの教え方がうまかったのかもなぁ!」
三人ともニッコニコである。
私が読み書きを早めに覚えれた事が嬉しかったらしい。
「ソレン、もう一杯!!」
「はいはい」
母は父の空になったグラスにお酒を注いでいた。これで3本目である。
お祝いだからと年代物のワインをあげているのだとか。
「ソレン!わしもおかわり!」
おおじいさまは遠慮を知らないのか父よりのんでいた。
おおじいさまは私の隣に座っているのだが、かなりお酒臭い。
「ソフィがいたらブラド家も安泰だな。」
「そうね、うふふふ」
「そうだな!ガハハハ」
父の言葉に他2人も機嫌よく笑った。
なぜこの人達は読み書きを少し早く覚えただけでここまで喜ぶのか?少し恥ずかしい。
あの夕食から3日が経った。
勉強は次の段階へと進んだ。
「読み書きができたから次は歴史を教える。」
「歴史?なぜ先に歴史を?」
「うむ!良い質問じゃ。」
意外に歴史を教えてくれるらしい。先に簡単な計算を教えられるのかと思っていた。
「よいか?儂らは今人間と戦争しているのじゃ。歴史を知れば人間がどんな敵かを知ることができるのじゃ。」
つまり戦争にかり出すための教育なのね。
おおじいさまが今から教えるのは、人間がどれだけ悪いか、魔族がどれだけ良いものかを教えてくれるのだろう。
洗脳教育じゃない?
まぁ、私も歴史を知りたいと思っていたから否とは言わない。
・・・
結論!
魔族蛮族過ぎる!
魔族と人間の歴史と言うより、この世界の歴史を教えてもらった。
まとめると、
昔々大陸の端に5種族がいました。人族、魔族、エルフ、ドワーフ、獣人たちです。
5種族は大陸の端から生まれ大陸の中央へ領地を拡大していきました。エルフは森と共に、ドワーフは山を掘り進め、獣人は一族で狩りをしながら、魔族と人間は森を切り拓き家を建てゆっくりと。
魔族は寿命の長さから人間よりゆっくりと自らの力で中央へと向かいました。
人間は魔族とは違い短命で非力で道具に頼り人数にものを言わせて中央へと向かいました。
最初に大陸中央へ着いたのはエルフでした。エルフは長寿で採食主義で性への執着があまり無く総人口が少なかった故いち早く中央に着いたとされています。
二番目に中央に着いたのは獣人です。家など必要としない獣人ですが、発情期などがあり、人口が多くなり足が遅くなってしまったとされています。
三番目に中央へ着いたのがドワーフでした。山を削り洞穴暮らしをしていたドワーフですが、先の2種族と違い鉱物を加工できる技術がありました。他にもドワーフは背は低いものの力持ちであるため、山を削りながらでも他の2種族より中央にこれたとされています。
魔族と人族なのですが中央へ辿り着く前に少し事件が起こりました。
それが、大陸初めの種族の顔合わせでした。
明日に続きを投稿します。
読者の皆様ありがとうございます。