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3 魔族と人間

前回が暗い話なので今回は明るめに書いてみました。



 屋敷を周り終えた後、私は自室に帰って来ていた。

 正直、部屋を出て母が人間を蹴り殺した後の事はほぼ覚えて無い。

 母にはバレない様に平常心を装うのに必死だった。

 母には聞きたい事もあり部屋に入る前に母に疑問を投げた。


 『なじぇ?にんげんたちがへやをでて、いたのでしゅか?』

 

 母は少し困った様に眉を八の字にした。


 『屋敷掃除をしていたのだけど…あなたが屋敷を見たいって言ったから、あなたを出迎える準備をさせたの。』


 母は付け加えて言った


 『後、人間じゃなくて奴隷よ?次からは気をつけなさい?』


 優しく叱る様な口調で母は言った。

 私はコクコクと首を立てに振ることしかできなかった。

 


 そして、今私は小さな身体をベッドの上に放りだしていた。

 現実逃避したいができない…いや、したくない。

 いくら今が魔族だからって人間を奴隷扱いなどできない。私だって元は人間なんだ!

 だからと言って私にできることなど無いのが現実で…

 イジメをみて見ぬふりする人の気持ちがわかった様な気がする。イジメの場合コソッと先生や親に言いつけたらどうにかなるだけイジメの方がマシな気がするが。

 






 「結論!イジメるヤツもみて見ぬふりするやつも有罪!」


 っと現実逃避して見たものの何も解決しない事には変わりないのだが。


 いや、考え方を変えよう!

 今までは魔族が悪いヤツだと考えてきたが、人間にも問題があるとしたら?

 ファンタジーあるあるの人間が悪い的な。

 イジメられる側にも問題がある的な。

 いや、それでもイジメは駄目だろ!


 とは言え、私は生後一ヶ月で身体は人間で言う1歳児ほど。字も読めないし書くこともできない。

 調べ物をしたくてもできない。魔族と人間の間に何があったかなんて他人伝いに聞くことしかできない。

 でも、もし人間に可哀想なんて感情を持っているなんてバレたらどうなるかも分からない。私は臆病なのだ。

 今は静観するのが良い考えな気がする。

 その名を後回しとも言う!が仕方ない今は何もできないのだから。



 私が生まれて1年が経った。

 身体は大きく成り続けて今では人間の5歳児ぐらいにまで成長した。

 この1年で私は魔族と人間の関係(屋敷内に限る)を調べた。

 表だって「人間が可哀想だよ」など言ようものならどうなるか分からないので聞き耳を立てる程度した。

 結果、人間は魔族から日常的な暴力は当たり前。下手をすると死人がでる。死人が出ても補充するからええや的な感じ。正直奴隷なんて生ぬるい程の扱い。

 人間が悪いかも理論でここまで目を逸らし続けていたけど、どんだけの事したらここまでされるの?って話。

 私は日々、人間は私に想像がつかない程の悪業を重ねたんやなって言い聞かせ続けるのも限界がきていた。

 それほどまでに酷い。


 そんな日常に変化があった。

 夕食時、いつもは母や父と違う食事だった私の食事が同じ物になっていた。

 困惑していると父が言った。


 「ソフィが1歳になったからね、私達と同じ食事でも構わないと思ってね?ソフィは嫌だったかい?」

 

 私はブンブンと首を横に振った。


 「私もお父様とお母様と同じ食事ができて嬉しいです!」


 私は満面の笑みで言った。

 そんな私を父母はニコニコ笑顔をで見ていた。

 

 その後いつも通りの食事が始まった。

 父が母に家の様子を聞いたり、父が仕事の愚痴などをこぼし母が労う。いつも通りの光景だった。

 

 「言い忘れるところだった」


 そう言って父がこちらへと顔を向ける


 「ソフィも1歳になったこと出し1週間後から勉強を初めてもらうよ?いいかい?」


 私は目を輝かせながら言った


 「はい!喜んで!」


 私の返事が予想外だったのか父母は驚いていたのが印象的だった。


 

ダーク過ぎると胃もたれおきません?

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