1話 銀河連邦統一学園・73番船・地球圏機兵商業高等専門学園
融合中………………
(ルッシュ・大空)
銀河暦143年3月 フォセド星系公用航路軌道・民間巡回輸送船SB168746号船。
『もうすぐセントラル77ノア級巡回船団・連邦統一学園に到着します。乗客の皆さんはどうか船体を固定する前にシートベルトを付けてください。繰り返します――』
「……やっと戻った。本当マスターは人使え荒い、一瞬で辿り着けるのに……普通に移動で……疲れる。だからシートが気持ちいい」
突然オレを辺境に呼び出して当地の最大の裏組織とやり合うなんで、相手は数だけで助かった。『上位』の手練がいたら終わったのに。それに……「もう年頃だから学園へ行ってね〜」で……まぁー、それでも……
「やっぱ平和でいいよな〜」
本当にまさかと思ったの。あそこで死を待つしかないオレはこんな平和を享受出来るとは……
「ババ、ママ、兄ちゃん。オレは大丈夫だ。お前たちの来世は幸せかい?」
ビビビー………ビビビー
「うん?」
誰だ⁉︎ 勝手にオレの席通信機を通話しようとした奴は?
『コンテナ13・AIRREAL』
輸送コンテナからの? ……まぁ繋げよう。
「もしもし――」
『しんーじゃうー⁉︎』
耳が痛い⁉︎ なんだこの娘⁉︎ 赤髪の地球中東人――え? 狸人じゃないの? ――地球人だ。なんだその眉毛? 狸獣人の血を混ざっている?
「ひと、ひと、ひとひと‼︎」
一つのリアルタイム映像を表示した――誰がノーマルスーツを着て宇宙空間で漂流中⁉︎ この座標は――
「――すみません。窓をお借りを」
「え⁉︎ はぁー」
「なんなんの⁉︎」
隣の兄妹から了承を取って窓から漂流者の状況を確認した。………全く混乱してない。やけ? ――違う、何を待っている? ――まぁやることは変わらない。すぐに管制室に掛けた。
「管制室、主船中心指定座標XY23Z57に遭難者を見た」
『――確認した。船外活動を用意』
『要救助者の状況を確認出来ますか?』
よし、これで管制室に任せ――
『進めば、二つ』
はあ?
『た、たすけ、いきますー』
ポン!
「なん、なんだい⁉︎」
「何がぶつかったかしら?」
『おい! 何をしている‼︎』
『大人しく待っていろ!』
ポンポン! バン‼︎
『な! 固定ロックが⁉︎』
『なぜ解除する‼︎』
『し、していない⁉︎』
『おい、外に出る気か?』
『――あぁーもうー‼︎』
管制室は諦めた。
『人型機兵のパイロット、今からハッチを開ける。そこで待っていろ』
『ご、ごめなさい〜』
『要救助者の状況は分かったら連絡してくれ、こちらもサポートするから』
『ありが、どう』
窓から飛び出した人型機兵の姿を見える。
「Mサイス……すごい性能だ。カラーリングもいい……どうな炉心を搭載した?」
さっき窓を借りした兄はこう呟いている。
機兵は要救助者のいる宙域に適当に減速して、相当精密に要救助者を機兵の手で受け止める……なんだ? 両手を振り回って?
『酸素切れ、今、助けます』
そして要救助者をコクプットへ引っ張り込んだ。
『だ、だじょうぶなのか‼︎ もしもし、もしもしぷわ⁉︎』
『邪魔しないてよ⁉︎』
? なんだ?
『はい?』
『やっと脱出できたのにあんだのせいで台無し⁉︎ 責任‼︎ 取ってよね?』
『………はい』
……………ことが終わったし、通信を切ろう。
○○○
セントラル77ノア級巡回船団・銀河連邦統一学園、起源は地球時代地球連邦は日本に設立した領域全般の名門学校、その後傑物の人材を輩出して、連邦の発展と共に人材育成の代表になった。連邦の人材は統一学園に出るのは全銀河の共通知識だ。
銀河連邦議会はフォセド星系に移した後、学園は宇宙各教育機関と統合そしてノア級巡回船に移った。
船内人口は185476982人、俄然に一つの国だ。
「これは絶景かな」
コロニーエレベーターから学園全体を見渡している。360度に発展している街並み、幾つの校舎が点在する。そしてオレは今居る建物、一つの柱ようにコロニーの両端を繋げる。
連邦統一学園本船一番船・統括理事長室(ルッシュ・大空)
「学籍番号OM12071306。ルッシュ・大空くん、ようこそ統一学園へ」
「統括理事長自ら出迎えとは恐縮です」
「あなたは連邦の未来を担う重要な一柱だから。自分の目確認したい」
学園統括理事長ラコニ・サトミ・フォセド、この男はセントラル77の実質管理者。コロニーの運営は全部連邦議会から委任されている。フォセド皇国の元皇族、相当な実力者だ。
「この学園では私が手伝えことがあったら遠慮なく申してください。出来るだけ力になるぞ」
「ありがとうございます。出来るだけ迷惑をかけずにお願いします」
「あぁ、本当に頼むよ」
……相当警戒されているな〜、まぁマスターの紹介だからな〜それに護衛の女秘書が相当警戒の目をしているし、握られる手が痛い。
○○○
朝・統括理事長室
「ふん……、ラニヤ」
「はい、なんでしょうか?」
ラニヤ・バルハート、私の護衛騎士で幼馴染でもある。青いショットカットと凛々しい顔は多くの男を惹きつける。私は彼女を手放すつもりはないけど。
「先の彼、どう思います?」
「……疲れるように見えます」
「……老人のように?」
「そこまでは……ただ、もう全てを分かったような驕りがあります」
「ふう……」
驕りか……果たしてそうだろうか、静観する必要があるな。
○○○
「はあ〜、気が重い……マスターめ」
やっと統括理事長の警告から解放され、まず寮へ行こうか。
「あ、あの、ここここじん、こじん!」
うん?
「えっと、何が言っているのか……」
誰がか寮申請の受付にいる。この声……あの狸女?
「だ、だ、だから……こ、こじん――」
……たく
「彼女は個人部屋を申請したいで」
「そうですか。ならこの資料をご入力してください」
「あ、はい!」
「ではオレは先に――」
「あ、あの‼︎」
「うん?」
「ありがとう、ございまーす。……な、な」
口痴過ぎるだろうコイツ。
「なんだ」
「な、名前」
「オレの?」
「うんうん」(頭を縦に振る)
「まずお前の」
「あ、はい! ろ、ろ、ろ、オーリー・マキュリー」
「………本名なの?」
「え?」
……猫を被るではないな。
「何もない。じゃな、タヌキ娘」
「はい! ……え⁉︎」
さて、地球寮へ行こう。
○○○
午前・73番船・地球圏機兵商業高等専門学園(ルッシュ・大空)
「これはベネッリグループの学校か」
地球企業連合議会は結成した後、連合は危険な地球圏を避け、統一学園に各企業の人材育成学校を設立した。全学園で一番地球人……学園で一番多く地球人がいる学校だ。
オレはここの地球寮を拠点として選ぶのはこの73番船は全船団の中心・学園本船に一番近い船だから。全船団を回るのは二番良いの場所だ。
「本船はあの統括理事長に近過ぎからな〜」
動きは一々筒抜けするのか堪らない。
「さて、地球寮は……」
南の最外周……遠いな。
「あれ? あんだわ⁉︎」
「はぁー⁉︎ あの時の無礼者‼︎」
「うん?」
コイツらは……窓を借りた。
「窓の?」
「えぇ、ウィラン・アヘィムです。太陽圏の金星から」
「あ、はい。ルッシュ・大空です」
「兄様! こんな無礼者にそこまでの礼儀は――」
「お嬢様、もう失礼になりますよ」
「黙りなさいレンドン!」
兄は亜麻色の中に銀と黒を挟む髪……染めたものではなく天然ものだ。緑の瞳と優男のイケメン顔、相当にモテそうだ。妹は桃色のかツインティルと美形の顔、美人になれるな。護衛はアシア人種の兄貴面だ。
「コニ、貴女も挨拶なさい。これから同じ寮で住むから」
「え⁉︎ あんだも地球寮なの⁉︎」
「えぇ……、まぁ」
「兄様! 今でもジェテイク寮へ変えましょう。なぜわざわざ落ちこぼれの寮へ?」
「コニー」
「ひぃ!」
低い一言で妹を引かせた。
「もし地球寮は嫌なら、貴女だけでジェテイク寮へ住めば?」
微笑んでいるけど、目は笑っていないな。
「お嬢、従う方がいいと思う」
「い、嫌だ〜。兄様とい一緒にいい〜」
「なら一緒行こう。まずは――」
「コニ・アヘィムです。これからおよしなに」
「レンドン・タブリコスだ。よろしく」
完全に態度が変わっていた。
○○○
「へー、小さい頃以外銀河に住んでいたんだ」
「えぇ、まぁ……」
態度は変わりすぎだろう。この妹は。
「で、なんでわざあんな低級寮に住むこむの?」
「経済状況だ」
「あぁ〜なるほどなるほど」
なんだ、この皮肉ような表情は。
「いい〜や〜、貧乏で大変だね〜」
「コニ〜」
「お嬢」
「なんでもありません⁉︎」
この兄がいてくれてすごく助かる。
「……着いたな」
「えぇ〜⁉︎ これは地球寮?」
予想した通り、ボロボロだな。これは寮より一つの小型の機兵工場が正しいかも。
「……兄様、本当に考え直さない?」
「行くぞ」
「あぁ⁉︎ 待って兄様‼︎」
オレたちはさ4人はその地球寮へ向かった。
○○○
昼・73番船・地球圏機兵商業専門学校・地球寮
僕はタルタ・マレル、ベネッリグループ傘下企業、マレル重工社長の御曹司でもあるが……末端企業だし、地球人だし。もし選べるならこの学校は来なかった。
「あぁ〜、なぜこんなことに?」
三日前、三年の寮長は問題を起こして退学させられた。結局寮長の役割は一番年上の僕に引き継ぐことになった。
「タルタン、部屋の清掃はも終わったぞ」
「布団とシーツは新しく変えたです」
彼女たちはマイヤ・劉とリリケ・バリラリ・パーリー、みんなはマイヤとリリケと呼んでいる。マイヤはアシア人種、髪飾りは中華様式のものだ。リリケはヨーロッパ人種、顔は綺麗で可愛いけど……ちょっと太り過ぎでのは残念だ。二人は僕と同じ、経営科を専攻している。マイヤは僕と同じ二年、リリケは一年。中学からここへ住んでいる。
「あぁ〜お疲れ、次は――」
「誰がいる‼︎」
え? 誰⁉︎ 4人が来る⁉︎
「あんだらは?」
「ここは地球寮だな。ボク達はここへ入居申請した」
「えぇ⁉︎ 住むの? ここ?」
「はい、ボクと妹と幼馴染、そして彼です」
「いや旦那⁉︎ 幼馴染で恥ずかしい過ぎる⁉︎」
「えぇ〜⁉︎ ほ、本気なの?」
「許可を見せてやるよ」
ピンクのツインティルは僕に船団本船発行した許可証を見せる。
「……本当だ」「えぇ〜、新しい仲間なの?」
マイヤとリリケーは驚いている。
「……そこまでありえないのか?」
兄妹と幼馴染以外の四人目がそう尋ねたが――
「見ればわからない?」
ボロならともかく、地球人とし一緒にいったい奴はいないよ〜。
「そこまでだよ」
ツインティルはまだ皮肉している。
「承知の上だよ」「空部屋ある?」
他の二人は本気だ。
「……覚悟は済んだなら歓迎する」
「あぁ」「はーい〜」「よろしく」
三人と別々握手した後、4人をハンガーへ案内する。
「みんな!」
モニカ・浦上、アジア人種女性、青いショットカットと優しい雰囲気と優しい美人顔で地球寮の癒し担当だ。彼女に寮長を任せたいな〜
リィノ・バルチ、ヨーロッパ人種男性、平凡の顔でいつもダラダラ、厭世的で、賭け事は好き、柔らかい帽子を被っている。
デイビィ・オジェ・マツウカ、アフリカ人種男性、ポンプ頭をしている。リィノとは賭け事仲間だ。
この三人も僕の寮友で同級生。メカニック科専攻だ。
「チュアリは?」
『タルタ、コイツらは誰だい』
うちの機兵、ジイムトレイナーから胸のコクピットから最後の寮友がチュアリーチュ・デェスニ、アジア人種女性、二つのピンク色のぷんぷん髪は特徴だ。リリケと同じ中学からここで住んでいる。それに彼女は――
「誰だコイツらは?」
「新しい入居者だ」
嫌な予感。
「テメェら、どこの出身だ?」
「初めまして、ボクたちは金星の――」
バン⁉︎
「宇宙人だと⁉︎」
うわっ⁉︎ 寮を壊さないでよ〜
「ここは宇宙人をお断りだ! すぐに出ていけ‼︎」
やっぱこんなことになった。
「待って、オレは地球出身だ」
「は⁉︎ お前‼︎」
ツインティルは三人目につっ込みする。
「オレは残っていいよな?」
「えぇ、いいよ。え〜と?」
「ルッシュ・大空」
このルッシュ・大空は……アジア人種男性、なんだが相当無表情で、何を考えるかのか分からない。
「そういうことだ。さっさと出て行け」
「はぁー⁉︎ ふざけんなこのネズミ頭!」
「うるせ、少なくともポンポンと言え宇宙人‼︎」
あぁ、やっぱこうなった。
○○○
昼・73番船・地球圏機兵商業高等専門学校・通り(ウィラン・アヘィム)
「なんなんのあのネズミ頭!」
「これは参ったな……」
ボクと妹とレンドンはあの○○鼠のようなピンク頭に地球寮から追い出された。
「旦那、どうする?」
「……仕方ない、本船へ戻って個人部屋を申請するか」
「いっそエビ丸の方帰ろ。お菓子は食べたいの」
まぁ、それしかないな。それに個人部屋の申請なら相当カネを掛かるし。
「君たち、どうしたの?」
「「はい、ボクたち……」私たち……」
……うわっ⁉︎ これは――
「超イケメン!」
それは金白色の髪とアジア人種と……カレリア人混血男性のスター顔だ。成年………学校の先生か?
「あの‼︎ お名前は⁉︎」
「は? えっと……日立レイドと申します」
「日立先生! 番号を――」「コニ!」「はい」
妹を強引に引かせた。
「すみません先生」
「いいえ……何が困ることは?」
「それは――」
さっき地球寮こ出来事をレイド先生に聞かせた。
「……すみません。うちの寮生は」
「え? 先生も地球寮の?」
「あぁ、基本は一つ寮に監督先生が一名付くという決まりですが、地球寮では先生5人が居る」
「6人⁉︎ なぜこんな?」
「色々ね」
「なぜあのネズミ頭は宇宙人と喚いて追い出すわよ。同じ地球人じゃ?」
「みんなはそう思えば良いだけと……」
あぁ、そういうことか。
ダスコ爺から聞いていた。地球の現状、地球住民と宇宙住民との格差と溝……地球人から宇宙人と呼ばれるほど矛盾は今でも拡大している。
「地球本星出身のチュアリにとって宇宙住民は敵と同じだ」
「……地球出身以外地球寮に入れないの?」
「無いわけじゃないが………え⁉︎」
突然ボクたち4人以外の声が割り込んだ。3人だ。アジア人種男性、金色と亜麻色混じる特徴的の髪と青い瞳、身長はちょっと低いけど掌は広い、無愛想の目付きに嵐前の海と感じた。無口、広い図体のアフリカ人種男性、そして高く痩せる身長しているアジア人種金髪男性だ。
「お前は…?」
「新月・バースタイル・オガル。火星出身だ」
「……レムジン・アキヒロ」
「玉木・シノ・ライカットだ。よろしく」
○○○
午後・73番船・地球圏機兵商業高等専門学校・地球寮(ルッシュ・大空)
まず昼飯を片付けた後、荷物の運びと部屋……寝所の整理を一瞬で片付けた。元々そこまでの荷物を持っていなかった。
「昼メシ、どうだった?」
「美味いよ。地元産の地球料理は相当久しぶりだ」
銀河を回っていた時風味がある。
「なら良かったよ」
「どこでこんな新鮮の食材を?」
「ティゴたちが生産したものだ」
「ティゴ?」
タルタはオレを農場施設に案内した。
「めい〜〜〜」
「山羊?」
牛……、鶏もいるな。
「ほらティゴ、ご飯ですよ」
一人の栗色髪のアジアとガレリア混血人種大人女性が………なんだこれ⁉︎ 牛人種の遺伝子を混ざっている?
「タマ先生⁉︎」
「え⁉︎」
こんなのは先生? このショットツインティル頭悪そうだけど?
「さぁー、メシですよ。存分に食って――うわっ⁉︎」
山羊はタマさんの髪を食った。
「やめ……喰うな⁉︎」
「先生⁉︎」
「た〜す〜け〜て〜」
「どどど、どうすれば!」
「どうしたのタルタ?」
「アヤカ先生!」
もう一人の大人が出てきた。まだアジアとガレリアの混血人種女性、銀髪の長髪している。相当な美人だ。どある部位は残念だ。Aで足りるだろう。
「どこを見ている?」
「いいえ、なにも」
こわっ。
「タマ、まだティゴに髪を食われたのか」
「アヤカ〜助けて〜」
「本当にタマだら、ティゴ……」
「めいぇ⁉︎」
あぁ! 放った。
「ア〜ヤ〜カ〜」
「はいはいよしよし」
なんだが相当適当に扱えるような。
「おい、この二人は?」
「あぁ、タマ・プリエとアヤカ・パートル先生。地球寮の監督先生だ」
「……学園では個人部屋以外の寮の監督先生は一人しかないはずでは?」
「この地球寮では6人いる」
6人⁉︎ 銀河学園の先生は6人で……そこまでヤバイなの地球寮は?
「タルタ、そこの彼は?」
「あぁ、新たの入居者です」
「あら、確か今日は4人が来るけど?」
「来たのは彼と含め3人……他の2人はチュリーに……」
「えぇ⁉︎ まだ追い出されたの⁉︎」
「はぁ〜、まだ総裁に怒られる〜」
総裁か……まぁ今は関係ないか。
「おい〜居る?」
もう一人が来た。オタク風の金髪メガネ大人だ。アジアとガレリア混血人種男性、二人の女性より身長が低い。
「駿河、どうしたの?」
「いいや、今日は非常に興味深いもの見たな〜」
「興味深いもの?」
「今日定期便はね――」
「待って、長くなるからリービングへ行きましょう」
「うんうん」
「ちょうどお菓子を作ったよ。ついてに食べましょう」
「「「…………」」」
長くなりそうか、それにこれは………
「寮長、まだ学園を回りたいので先に失礼する」
「えぇ⁉︎ ちょっと⁉︎」
「早めに帰ってね。あなたの分も残るから」
い、いらないかな〜
「ちょっと⁉︎ まず処理の手伝いを――」
「処理? 不可燃ゴミは捨てたけど?」
「い、いいえ、そんなことじゃ……あぁ⁉︎ 逃げた⁉︎」「あぁ⁉︎ 逃げるな〜」
オレは見返りもなく危険なお菓子から逃げた。次は……BLADEエリアへ行くか。
○○○
午後・73番船・地球圏機兵商業高等専門学校・地球寮・リービング(高木・ブル)
俺はこの学園の機兵実習教師、高木・ブルだ。アジアとガレリアの混血人種、地球寮の監督先生でもある。
「あぁ、高木先生。戻って来た」
「えぇ、教師会議は終わったので」
マイヤとリリケーはリービングでなんの料理を用意している。
「あれ、先客?」
「あぁ⁉︎ 高木⁉︎」
「よ。会議は終わったか」
「あぁ、進学期の連絡事項だ」
連絡事項チラシをタマ、アヤカ、駿河に転送する。タルタもいる。
「僕も一つ転送でいい」
「レイド」
今来たレイドと加え、あとまだ戻ってない一人を含め、俺たちは子供の頃からずっと一緒にいた仲間たちだ。
「あぁ! 先生方」
「なんだ。戻ったのかよ」
メカニック組と問題生もリービングに来ている。地球寮住民は殆ど集合だ。
「モニカ、キッチンのお菓子を持ってくれる」
「はい………アヤカ先生の?」
「えぇ、手応えあったよ」
「……わ、わかりました〜」
モニカは相当固い笑顔でキッチンへ向かった……アヤカのお菓子だから。全員の顔も固い。
「あれ〜、アンチュは〜」
「BLADEエリアでパーツを買いに」
「あそこか……行きたくないな」
「冒険者学園の乱立するエリアだからな〜」
「五大クランが居る限りそこまで乱れないだろう」
「クラン間の鎬削りに留まる。一種の平和だ」
「それにしても、遅いな」
「何か?」
「今日は6人の新入生が入居するはず――」
「「――」」
うん? ――まさか⁉︎
「チュアリー!」
「相手は宇宙人だぞ⁉︎」
「ここへ正当な申請をする新入生だ! これはまだ総裁に怒られ……胃が痛い……」
「薬いる?」
「いただく……あの6人は?」
「あぁ、5人は僕が会ったよ。もう個人部屋の一時申請し、住ませたよ」
「そうか、これで総裁への言い訳が出来るな……もう一人⁉︎」
「そうだ⁉︎ ルッシュはどこにやった?」
チュアリも知らないのか⁉︎
「あれはルッシュくんというだ……うん、運命を――」「ない」「えぇ〜〜」
アヤカは速攻にタマの妄想を斬った。よくやった。
「高木先生、ルッシュは他の学園へ向かったそうです」
タルタはそう報告した。……他の学園⁉︎
「ちょっと待った⁉︎ 学生のIDで出入り出来るのは入学学園の生活施設だけだ。他の学園へ向かうのは教職員の申請は必要では?」
「後で戻るでは?」
「かも……」
「そう言えば先生、ルッシュくんのID番号は?」
ナイス、モニカくん。
「そうだね……あった! OM13071206……OM?」
「えぇ? この学園の番号はECでは〜?」
「OM……OM⁉︎」
「なんだ駿河?」
「OMでいうのは、統括理事会しか発行しない特殊なIDだ! そのIDは統一学園……船団のどこでも通行出来るという……」
「統括理事会………関わりたくねぇな……」
「あぁ……」
レイドの言う通り、今まで統括理事会と関わるとロクなことはない。特にあの統括理事長……
「なら……あの子を構えなくでも戻って来るよね。タルタ」
「あぁはい! 荷物はもう運んだから」
「ならしばらく問題ないな。統括理事会と関係ないことを手助けしようか。みんな」
『はい』
………本当に大丈夫かな?
「そう言えば駿河、面白いものを見るで――」
「面白いもの⁉︎ なんですか駿河先生!」
「あぁ、今日は船外スペースでは――
相変わらず騒がしいな。この寮は。
まだ改修の必要があるかも。