CYPRESS GIRLS
●「3.5thアルバム」という特殊な立ち位置らしい、実験的な一作。
【収録曲】
1.十字架 You and I
2.BAND GIRL'S SPIRAL DAYS
3.Shine On You Cypress Girl
4.beautiful wall (DUB)
5.kamiawanai
6.kimino-me
7.檸檬タージュ
8.Project Blue
「3.5thアルバム」という名目でBase Ball Bearが2010年に2枚同時にリリースしたもののうちの一作。そういう特殊な立ち位置もあってか、従来の爽やかなイメージとは大きく異なる楽曲が多く収録されています。例えば、冒頭の『十字架 You and I』はファンキーな要素がこれでもかと強調されており、「これがベボベ!?」と驚いたのを今でも覚えています。
それ以降も、タイトル通りダブの要素を取り入れた『beautiful wall (DUB)』や山口一郎(サカナクション)をゲストボ-カルに迎えた歌謡ダンスナンバーの『kimino-me』、深い海に沈んでいくような感覚が味わえる『Project Blue』と、サウンドを色々凝らした楽曲が続きます。『BAND GIRL'S SPIRAL DAYS』や『檸檬タージュ』のように従来の彼ららしい曲もあることにはあるのですが、一作を通して見ると「甘酸っぱい」要素は抑え目。ただ、彼らは若々しいイメージを持ちながらも以前から結構「器用」なところもあったので、個人的にはさほど違和感無く聴くことができました。
ただ、『十字架 You and I』や『kimino-me』のようにしっかりとキャッチーに聴かせる曲はあるものの、全体的には凝った面がやや前に出過ぎている印象があり、個人的にはもっとポップに分かりやすく聴かせてほしかったところもあります。そういう意味では、良くも悪くも「実験的」な面が強く押し出されたように感じられるアルバムでした。
評価:★★★★