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宿題忘れたりしちゃったとき、大昔の漫画なんか読むと、怒られて「廊下に立ってなさい」なんて教室から追い出されるシーンがあったりするよね。

その学校は、通ってた当時もそれが残ってたんだよ。いまどき残ってるとは思わなかったなあ、アレ。


宿題を忘れた人はもちろんなんだけど、


教科書忘れた人

よそ見した人

くしゃみした人

ノートの切れ端お手紙を回してた人

体調悪い人、は保健室行ってるだけか

他にも、消しゴム落とした人とかね


そんなちょっとしたことでも、サクっと追い出されちゃう。


授業途中で残ってるのがボクひとり、なんてこともあったなあ。

逆に、教室の外には人があふれてて。


教室の中、先生とふたりきりの個別授業。

まあ、ひとりしか残ってないからね。

広い教室だけど、なんとなく息苦しい。仕方ないけど。


板書されたのをノートに書き写して顔を上げると、先生がじっとこっちを見てる。

そして、また静かに板書が始まる。

教室の外は、声はしないけどざわめいている。

ボクは黒板を見る。

廊下のざわめきが静かな教室を満たしていく。

ボクはまたノートに目を落とす。

先生はボクを見ている。


授業が終わるチャイムが鳴り始めると、教室には自分ひとりが立っていた。


ほんの少しよそ見したり、あくびをしてみたり、そんなちょっとしたことで出て行けたんだと思う。

出てしまえば怒られることもないのに。

なんでだろう、その後も出て行くことはできなかったなあ。

※週イチ更新予定です(プロローグなど含む全11回)。その6。

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