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第一話 おっぱい無双

帝国歴 721年 夏


 「あ~、あ~あ~、ああ~?(んだよ、いきなり転生とか心の準備が出来なかったじゃねーかよ!)」

 「う~あ~、あぅわ~お~、お~お~?(アンタの準備なんて知らないわよ!なんで私まで引っ張り込まれなきゃいけないのよ!)」

 「う~ああ、おぁぃわ~、おお?(ええ?だって、武器とかスキルとか思いつかなくってさ。それに異世界転生で女神を連れて行くのって定番じゃん?俺もやってみたかったんだよね!)」

 「う~わ~ゎぃお、ういぉ~わ、わわぉう?(知らないわよ!そんな定番とかって!それよりも、私も転生しちゃってるから、今回は結構なハードモードよ?)」

 「ういゅ~さわおぉぃ?(ハードモードって何よ?女神パワーで楽できねーの?)」

 「ちょいぃ~うお、おうあぃくやっさ?(女神は神階でこそ女神なの。種の中ではちょっとだけ世界最強種ってだけの力しか出ないわよ)」


 赤ん坊って、声出すのも疲れるのな。

 このまま念話?心の中で話し合った方が楽か……でもさ、世界最強種ってことは楽勝なんじゃね?


 ……。


 ……。


 ……。


 「う~わ~わわわ~!!(なんだよ!声出さなきゃ話しできねーのかよ!)」

 「かふぃへ~、ろ~いふぃ、ふぃぅごぁっぃ~ほ?(当たり前じゃない、念じただけで会話が出来たのは神階だから!今後そういう便利機能は存在エネルギーが貯まった特典として機能解除されていく仕組みです!)」

 「だゎ~、ぴ~へらい~、りゅぽぃ?(存在エネルギーってどうやって貯まるのさ?そっから教えてくれよ!それに、機能解除は順次行われて行きますって……まんまうちの会社のMMOタイトルじゃねーか!)」

 「あ~じふ~り、ょいふ~ぃふぃえ~、る、あ?(知らないわよ!……だってしょうがないじゃない!どうせこの世界がゲーム規準なのは、私が観察してた時間の内の大半はそのゲームで遊んでたからです!すいませんでしたぁ!女神がゲーオタでぇ!)」

 「あぉぅぁ~、ふぃ、えふど~?(うわ~、開き直りやがったよ、この女神さま!けど、あのヨシさん作品がベースだと??)」


 ふむ。俺自身も関わっていた作品がベースの世界。

 あれか?ステータス画面とかイベントリとかもあるんかな?


 ふふっふ!さぁ、今こそ念じようではないかっ!

 ステータス!!!!


 ぶぅうぉん!!!


 …………

 ……………………


 出ないんだ……目の前にとかは、いいよもう。この駄女神と一緒に静かに異世界人生を送るわ……。

 ふてくされた。もう寝よ。


 ……って!なに!

 今一瞬、瞼の奥に数値が並んだよ?文字列も出て来たよ??なにあれ?


 「ぁ~うぇい、ぅ~ふぃてぃる、おあ~!?(おい!シャリム!今瞼の裏に!ステータスって念じたら瞼の裏に!)」

 「ぁ~おいぇ~、えぅりおゆ~、あぴ、いゅうぇお!?(私眠いんだから静かにしてよ!って、ステ-タスの確認とかRPGには必須じゃない。いちいち騒がないの!強く念じさえすれば、そのあたりのUI?幾らでも個人でカスタマイズ出来るから、瞼の奥じゃなくても表示されるようになるわよ!気合で何とかなるから、じゃ、私は寝るわよ!)」


 ちっ。駄女神め。

 さっさと、一人で寝ちまいやがった……しかし、UIカスタマイズは気合で出来るだと?

 面白そうじゃないかっ!


 う~っむ!

 ひたすら強く念じる。

 額の奥が熱くなるぐらいに念じる!

 イメージはヨシさんのポケットマネー(領収書は発行済み)で購入された高級つまみを片手にデバッグプレイをしてた時のUIだ!

 よし、よし、よし来い!!!

 キター!!!


********

 名前: (未設定) / シャヘル

 種族: 竜人 / 半神

 職業: (未設定) / 半神

 レベル: 0

 STR: 0

 VIT: 0

 AGI: 0

 DEX: 0

 INT: 0

 MND: 0

 LUK: 0

********


 ん?種族竜人も気になるが、ステが軒並みゼロなのはどうしてだ??

 HP表記が見当たらないが、このステ内容では俺って死んでないか?


 まぁ、落ち着こう。

 とりあえずステータス画面は目を開けても見えるようになった……。

 考えろ、ここは俺の職場作品基準の世界……お!


 そうだ!職業だ!

 あのタイトルはゲームスタート……というか、キャラ作成の段階で職業を割り振ってたな。もしかしたらそれかも知れん……だが?

 職業ってどうやって就くんだ?


 わからん……わからんことだらけだな。

 まるで、チュートリアルが存在しない新作タイトルを遊んでいる気分だ。


 って、最近はチュートリアル付けないとユーザーの反応悪いんだよな~。

 説明書読め!ってのは通じないご時世なんだよ……まぁ、俺も満足なチュートリアルのないタイトルなんか遊びたくもないけどね。


 ぎぃっ。


 おや?扉でも空いた音がした?


 というか、俺ってどっかの狭い部屋のベビーベッドで寝かされてるんだな。今初めて気づいたわ。隣にシャリムが寝てるから、それ以上は考えなかったわ。


 ……ってか、俺、今何才なんだろうか?身体は自分で起こせないし、満足な発声も出来ないから生後数か月?


 「おはよう!ウイリアム。今日も元気ね……サラは今日もぐっすり寝ているわね。良い子、良い子」


 おお!俺ってば、ウイリアムなのね?英語風味なのね?


 ぴろん!


 おや?ステータスが更新されたな。

 名前の欄にウイリアムって書かれたわ。


********


 名前: ウイリアム / シャヘル


********


 スラッシュの向こう側はなんだ、いわゆる真名ってやつか?シャヘルって書かれてるな。


 「お目覚めのウイリアムにはご飯をあげなくちゃね。さぁ、おっきしますよ。ママのミルクを飲んで大きくなりましょうね♪」


 ご機嫌のマイマザーは、上着をずらして乳房を出す。

 う~む、グレイト!


 ダイナマイト重量級のお乳をお持ちのママである。


 ってか、俺の種族名が竜人なだけに、ママの頭にも立派な二本の角が生えていらっしゃる。

 うむ。立派なあのタイトルのドラゴニュートだな。良く見れば胸周りにも、鱗がちらほら見える。

 きっとナイスな尻尾も生えているに違いがないな。


 「さぁ、沢山お飲みなさいな。可愛い坊や」


 おいしそうなおっぱいである。

 まずは乳首を一舐め、美味しく頂きます!

 ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ。


 「あ、ぁん、くすぐったい!もう、ウイリアムったら……けど、元気に飲んでるわね。この調子ならすぐに大きくなるわね~、早く大きくなってお父さんみたいに立派な竜騎士となって天空を駆け巡り、皇都を守るのよ?」


 ぴろんっ!


 お!ステータス更新音だな!


********


 職業: 竜騎士 / 半神

 レベル: ∞

 STR: ∞

 VIT: ∞

 AGI: ∞

 DEX: ∞

 INT: ∞

 MND: ∞

 LUK: ∞


*********


 ん?職業は父親の職業を引き継いだのだろうが……ステの表記がメビウスの輪ってどういうこと??


 「あ、イタッ!!ダメでしょウイリアム!そんなに強くママのおっぱいを吸っちゃダメです!!取れちゃいそうだったわよ!あ~痛かたった……」


 おう。ごめんねママ。

 そんなに吸ってる強さを変えたつもりはないんだけど……。


 「あきょ~ぁ~ぅ~、おぴゅ~ふじょ、いへいお~?(どうした?シャヘル?大方、ステータスが更新されて、力の制御が出来なくなったんじゃないか?)」

 「あじょ~、い~ぃお~、ぇふいっ~でぅ?(わからんがそういうことらしいな?どうすりゃいいんだ?これ?)」

 「じゃ、い~お~、えどぇ~ぉ(気合でどうにかしろ!そして、どうにかなる!)」

 「あら~?サラちゃんもお腹がすきましたか、ちょっと待っててね?……はい、どうぞ。しかし、ウイリアムちゃんがお父さん似なら、サラちゃんは私に似てるのね。将来はきっと優秀な魔術師になるでしょうね!」


 ぽぅわ~。


 ママのその一言で、サラことシャリムは全身が軽く光った。

 あれはステーテスの更新だろうな。


 「!!痛い!!んもぅ、どうしちゃったの二人とも。そんなに強く吸ったらママの乳首が取れちゃいますよ!」


 スイマセン。悪気はないんです。俺もシャリムも。

 ただ、気合が足りないんだと思います。

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