みんな友達
小学生になった。僕と同じ幼稚園だった子は少なく、中々友達を作る事が出来なかった。極度の人見知りだった僕。入学式では友達100人出来るかななんて歌ったけど、100人どころか1人も友達を作らずにいた。同じ幼稚園だった男の子と好きなゲームの話をして過ごす事が多かった。
そんなある日、僕がゲームが好きだと知った同じクラスの男の子たちが、僕に話しかけてきてくれた。好きなゲーム、アニメなどのキャラクター。男の子たちと話をするのはとても楽しくて、僕らはすぐに友達になった。学校の休み時間は一緒にドッヂボールをしたり、家に帰って宿題を終わらせると、また彼らと一緒に今度はゲームをしたりして楽しんだ。自転車に乗り、公園でサッカーや鬼ごっこ。毎日日が暮れるまで遊んだ。また男の子だけでなく、女の子とも仲良くなっていた。小学校低学年、不安だった小学校生活だったが、友達もでき、男女関係なく遊んでいた。
同じ学年の女の子と比べ、僕は身長がとても大きかった。他の男の子と比べても大きかったと思う。クラスの身長順では、いつも後ろの常連だった。力もあったと思う。そのため、女の子と遊んでも僕について来られる子はあまりいなかった。それもあり、男の子と遊ぶ機会の方が多かった。言葉遣いも、ノリも男の子と一緒だった。クラスの女の子を、男の子に混ざって一緒にからかったりもした。そんな僕を、他の男の子同様に女の子たちは接していたように思う。
この頃、僕は一人称を「僕ちゃん」にしていた。自分が女の子である事は理解しつつも、心のどこかでいつか男の子になれるのでは?という期待もあった。クラスの女の子の中には、僕の一人称を真似をする子もいた。そのおかげだろうか、僕はクラスで浮くこともなく過ごす事が出来た。クラスの中のボーイッシュな子。周りから見た僕はきっとそんな感じだったのだろう。
クラスはとても居心地が良かった。これからも変わらずこの生活を続けられたらいいのに…。そんなことを自然と考えていた。