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僕なりの人生を  作者: ピース
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女の子?男の子?

ねえ神様、僕は出来損ないですか?

周りと違う事はいけない事ですか?

何故僕は産まれてきたのですか?

僕は一生をかけて僕の産まれた意味を探すよ


 幼い頃嫌だったこと。姉さんと一緒に出るピアノの発表会で、お揃いのスカートを母が用意してくれた。喜ぶ姉の隣で、僕は全然喜べなかった。スカートを履くこと、なによりそんな姿の自分を見られるのが嫌だった。発表会の事は覚えていない。発表会の事よりスカートを履いたという事実だけを今も鮮明に覚えている。


 女の子は可愛いものが好き。男の子はかっこいいものが好き。それが当たり前の世の中。そんな当たり前を一体誰が決めたんだろうね。

 自分が周りの人とは違うと気が付いたのはいつだったのだろう。好きなアニメも、遊びもそんなに変わらなかったと思う。ただスカートもピンク色も嫌いで、ヒーローに憧れていた。でも僕にとっては当たり前の世界だった。

 幼稚園の頃、誰とも分け隔てなく遊ぶ子だった。鬼ごっこが好き。友達に誘われればおままごとにも参加した。でも、お母さん役やお姉さん役は嫌だった。今思うと不思議だ。そんな幼い頃から、僕は意識的に「女性であること」を避けていたのである。でもまだ幼稚園生。自分が女の子と言う事もあまり考えずに過ごしていた。

 幼稚園の年長さん。いよいよ来年から小学生という頃、僕は少し憂鬱な気分になっていた。祖父母がランドセルを買ってくれると言ったのだ。ランドセルを大好きな祖父母から買ってもらえる事は嬉しかった。だが小学校という新たな環境に行くことが堪らなく不安だったのだ。

 店内には様々なランドセルが並んでいた。赤や黒、当時には珍しい黄色や水色のランドセルなどもあった。不安な気持ちとは裏腹に、僕の胸は高鳴っていた。何色にしよう。やっぱり黒がかっこいいななんて考えながら店内を歩いた。

 しかし、今とは違いその頃は女の子は赤のランドセル。男の子は黒のランドセルと言うのが当たり前であった。

 当然の如く、家族は僕に赤色のランドセルを勧めてきた。もちろん僕にも分かっていた。僕は女の子だから、赤色のランドセルを選ばなきゃいけないことを。赤色のランドセルを背負ってる僕を見て、家族は「いいね、似合っているよ」と声を揃えて言った。本当は黒色が欲しい。でも嬉しそうに僕を見つめる家族を見て僕は「これにするよ」としか言えなかった。

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