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Episode235╱宣戦布告

(346.)

 普段どおりの廊下に出た。

 歯磨きを済ませてドライヤーで髪を乾かしていた。


 廊下に出たときーー目が虚ろな澄と、私の姿にしている自称神が唐突に現れた。


「随分時間がかかりそうだから、まずは手近に愛のある我が家にやってきたんだよ。前哨戦としてね。あははっ」


 神は笑いながら……嗤いながら伝えてくる。


「神に物理攻撃は効かないよ? さあどうする? 澄よ、この場で全員を殺してしまっても構わないぞ?」


 いきなりの事態に動揺して動けない。


「澄……思い出せないの? 特にゆきは澄になついていたし、羨望な眼差しで見ていたはずだ!」


 しかし、澄は無言のままこちらをジーット見つめているばかり。

 私の言葉がまるで通じない。

 今まで部屋で待機していた、瑠奈、宮田さん、都、みこが何事だとぞろぞろと顔を出す。


「澄じゃーん、会いたかったよ~」と瑠奈は抱きつこうとするが、デコピンにしか見えない攻撃で、廊下の果てまでバウンドしながら飛んでいった。


 瞬時に、風月荘のメンバーは皆、入ってきた二人? が敵対勢力だと気がつく。

 宮田さんは神殺しの弾丸を詰めて、拳銃を二人に構える。

 都もエイムはクソといっても過言ではない両手に拳銃を構える。

 かくいう私もフレアのマナを借りて小さな火柱をてのひらに燃えるように出現させた。


 無論、瑠奈はストレスゲージが上がり、体表に風を纏う。


 みこは戸惑いながらも澄と対峙するために拳を握りしめた。


「残念だなぁ。てっきり愛のある我が家はここを拠点としていると小耳に挟んだんだけど、しくじったなぁ」


 澄とは戦いたくない。そう考えて神殺しの剣を封印して、フレアの力と直感の力をフルに活用して臨戦態勢に入る。

 が、瑠奈と都は我慢できなかったのか、瑠奈は風の剣を再度創造し、都は澄に向かって幾度となく発砲をはじめる。


 しかし、しかしだ。


 澄を狙った銃弾はすべて弾かれ、神に命中した風の剣は、まるでそよ風をうけてにいるのではないかというレベルの威力しか発揮できない。

 みこも神に殴りにかかるがーー。


「ありゃりゃ。今日のボクはただの宣戦布告をしにきただけだ。でもこの程度じゃ驚異になりはしないなぁ」


 会話の最中にも発発砲音や風の剣で切る音は鳴り響く。しかし、見たところ衣服しか貫通していない。

 宮田さんが発砲した銃弾だけ残像が残る速さで避ける。

 みこは澄に閃光を何度もぶつけた。が、傷ひとつ負わせられない。



「というわけで、また近日会うことにしようか。今度は愛のある我が家全員が揃ったところで戦いたいね。じゃあね」

「あう……ああ、あうう」


 壊れたような澄を引き連れ朱音みたく逃走し、跡形もなく消え去った。

 改めなくてもわかる。

 こんな相手に、勝ち目なんてないことを……。


 二人が立ち去ったあと、愛のある我が家のリーダである嵐山沙鳥に連絡した。

 今までの神造人型人外兵器はどこかしら欠点はあった。それとは比べ物にならない相手が立ちふさがってきたのだ。

 都の拳銃も数発命中していたはずなのに、痛がる素振りも見せていなかった。


 ーーこんな怪物たちに勝率はあるのだろうか?


 とにかく、宣戦布告してきたこと、近日に発生する可能性があること、神や澄の戦いかたを嵐山沙鳥に連絡して、対策を取らなければならなくなってしまった。

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