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守るモノは

突撃をかましてきた女の子は案の定

オロチの娘さんだった

しかし何故ダーリン呼びなのだろうか?

オロチさんにはしっかり弟子には手を出すつもりはないと

宣言していたはずなのだが


「それは我から説明しよう」


丁度良いタイミングでオロチさんが来てくれた

思わずしっかり伝達が出来ていないことに

非難の目を向けてしまう

オロチさんは俺の視線にビクッとなりながらもしっかり説明してくれた


「まぁそう怒らないでくれ。

 我も娘にはしっかり伝えたんだが

 どうにも納得してくれなくてな。

 故に本人から理由を方が納得できるのではないかと

 予定を繰り上げこうしてやってきたわけだ」


それなら仕方ないか

その前にやらなければいけないことがあった


「取り合えずは自己紹介だな。

 俺の名前はレム。

 後ろの褐色系美人がアキュー。

 黒髪美少女がアクマで猫美女がシル、俺のハーレムメンバーだな。

 こっちの少し空気が薄いのがデイジー

 君の姉弟子になる」


よろしくなっと声を掛ける

そう、まだ自己紹介すらしていなかったのだ

名前も知らない相手をダーリン呼びとは

中々に大胆な娘だ

デイジーはネタにされて少し不満顔だが

忘れていなかった事は嬉しいらしく複雑な顔をしている

もう少し優しくしてあげるべきか悩むな


「ダーリンに奥様方、デイジー姉さん!よろしくお願いします!

 ボクはニコルって言います!

 ダーリンの奥さんになれるよう頑張ります!」


彼女は俺の元に修業に来たのではなかったのかな?

疑惑の視線をオロチさんに向ける

デイジーは姉さんと呼ばれたのが思いの外ツボに入ったらしく

顔を真っ赤にして俯いていた


「我も何回も修業を終えてからだと言ってあるのだがな

 まぁ初めての恋なのだ。

 あまり強く否定するのも可哀想でな・・・」


オロチさんも少し困った風に言っているが

娘の成長と言うか、心境の変化が嬉しいのだろう

頬が緩んでいるのが分かる

しかし、俺も自分で宣言しておいて

弟子が好きだと言ってくれたから撤回しますじゃ

格好がつかない

どうしたものかと悩んでいると

ニコルが不安を感じたのか

紫色の綺麗な瞳に涙を溜めている


「やっぱりボクみたいな

 不出来な龍族じゃあ不満ですか?」


誰だ、こんな男殺しの技を仕込んだ奴は!

ニコルは不出来と言うが

ボーイッシュな見た目に反し

胸は恐らくC+、スタイルも良い

龍の角と尻尾がういているが人族の中でも

ここまでの美少女はそうはいないだろう

しかも、そんな台詞を言わせてしまった俺に対して

親御さんが刺し違えてもみたいな雰囲気で

俺を背後から視線で刺してくる

なんだこの地獄は・・・・


「おーい、新築祝いに来てやったのに

 面白そうな事になってんじゃねぇか!」


声の方に視線を向けると

ギルド員の皆がそれぞれ祝いの品を手に持ち

駆けよって来てくれた


「あら、母さんにカマセさん

 それにみんなも、ようこそと言いたいけど

 今少し、バタバタしていてね」


俺が動けないのでアキュー達が相手してくれている

事情を聞いたギルド員は

なるほど痴話喧嘩みたいなものかと納得していた


「そんなもん、ハーレムに加えてやりゃあいいじゃねぇのか?」


カマセが代表して近くまで来て

言ってくるが

こちらとしても簡単な問題じゃない


「そもそもお前さんは金も実力も問題ねぇはずだ。

 なんでそんな弟子を嫁にすることを拒むんだ?」


「違う、弟子の内から嫁にはしたくないだけだ」


「同じことだろう?

 結局、嫁にしようと思ってるんならなにが

 問題なのか分からないだろうが

 だから龍族の嬢ちゃんもそんな状態じゃあないのか?」


こいつ・・・本当に酔ってない時は普通を通り越して

優秀だな、なんで酔ったらあんな風になるんだ


「弟子の内から嫁なんて

 師匠って事を利用して無理矢理な感じがしないか?

 心でどう思ってようと立場に上下があれば

 それに左右されてしまう。

 師弟なんて関係で嫁に来るなんて

 言わせたくないだけだ」


「ふむ、お前さんの言い分は分からんでもない。

 だが俺に言わせりゃそれは無理だ。

 よく考えてみろ、お前さんを好きって言ってる娘達はよ

 お前さんのどこに惚れた?

 アキューさんは山賊から助けられて、

 アクマとシルは武力に惚れて

 どこにも対等な関係なんてないんだ。

 確かに世界のどこかではお前さんの望む対等な立場での

 夫婦なんてのもいるのかも知れねぇ。

 だがお前さんの力じゃあ、そんなもんは望めないのも分かるだろ?」


俺はカマセの言葉に愕然としていた

確かに俺が言った言葉は矛盾している

『神』の奴と相対していた時の俺に

俺は未だ囚われていたのだろうか


「それによう・・・・

 これを言っちゃあお終いなのは分かってるんだが

 言わせてくれ」


俺はその言葉に身構える

もはや俺の語彙力、考え方ではカマセを言い負かすことは出来ない

他のメンツも何を言うのかと固唾を飲んで見守っている


「お前のその矜持ってのは

 女の子泣かせてまで守るもんなのか?」

ここまで読んで下さった方ありがとうございます。

もし良ければ評価もお願いします。

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