屋敷の完成と新弟子?
さて、すっかり空気の薄くなったデイジーに促されて
ギルドに来た理由を思い出した俺達は
シルに頼んで建設ギルドに連絡を入れてもらった
「そういえばシルは今日、非番なんだよな?
さっきの教育は仕事じゃなかったのか?」
「言葉が悪かったですね~。
受付のお仕事は非番なんですが
組員としての仕事を受けるのは自由なんですよ~」
聞いた所、受付嬢もギルドの組員として仕事をすることは
認められているようだ
受付の給料はこの世界の中でも高い方なので
腕が鈍らない程度に依頼を受けることが主流だそうだ
そんなことを話している間に、屋敷の設計者と職人達が集まってくれたようだ
「ではレムさんの屋敷の構造は極秘情報になる為
設計者さんとレムさん、ハーレムチームのみの参加で
お願いしますね~」
シルがそう宣言し、職人とデイジーを外に出す
デイジーは少し寂しそうにしているが
こればかりは仕方ない
代わりに扉の護衛を頼んだ
飲食代は俺の財布から出ると聞いて職人たちも文句を言わず
待機してくれるようだ
まぁ相談と言っても大したことではない
使い勝手と言われても食事も睡眠も趣味の範疇になった俺では
生活に適した構造なんぞさっぱりだ
主にアキューやアクマ、それに最近加わったシルがメインの話し合いに
なるだろう
俺によって重要なのは寝室だけである
話し合いは恙無く完了し
建設ギルドの面々は意気揚々と作業現場に向かった
完成予定日は5日後だそうだ
ハーレムチームは屋敷に必要な家具の買い出しに行くようなので
それまでは放置されて拗ね気味のデイジーの相手をするべきだな
俺はデイジーを宥めながら訓練場に向かった
デイジーの訓練に日々、汗を流していると
あっという間に屋敷の完成日となってしまった
俺としても自分を見直す良い機会となった
デイジーは疲労でダウンしていたが徐々に力を付けている
さぁやって参りました俺達が住む家!
とテンションを上げて言っても
やることなんてない
それはもう驚くほどないのだ
内検して問題がなければ工事の完了証にサインして終わりだ
お金はすでに払い済み
ボーっとしている間に内検も終わったようだ
気になる寝室は豪勢なものだった
空調は効いていて、常に快適
お風呂も完備されていて事が済んだ後にさっぱり出来る
ここだけは連れ込み宿のようだった
趣味が悪い?
まぁそう言いたいことも分かる
だが良く考えてみてほしい
千年溜め込んだ、いや溜め込んでしまった俺の性欲
これを愛しい彼女達に相手してもらっておいて
ではこのまま眠りましょうとは非道ではないかと
色んなもので汚れてしまった身体を清めてから
寝たいと言うのは当然ではないかと!
まぁそんなクソみたいな言い訳は置いといて
完全な俺の趣味だ!
悪かろうとなんでもいい!
と屋敷の前で踏ん反り返っていると
大きな地響きが聞こえてきた
「ダァァァリィィィンー!」
そんな聞き捨てならない台詞と一緒に突っ込んできた彼女は
頭に龍の角、お尻に尻尾を生やしていた
そのことを確認出来る距離まで来ると
俺にそのままの勢いで突撃をかましてきた
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