ギルドの教育
シルの転移魔法によって強制的に訓練場に移動された4人組と俺達
俺達はついでなので訓練場の外に移動する
訓練場内ではシルによる教育が始まるところだった
しかしシルが魔法使いだったのは意外だった
彼女の体は肉体派といっても良いくらいに綺麗な体系だったからな
「シルはこのギルドだと有名な魔法使いよ。
猫獣人は遠近ともに優秀な種族で有名なの」
そういえば異界の勇者の手帳にも
狸、狐、猫は人を化かす存在として有名だとか書かれていた気がするな
アキューの説明に耳を傾けていると
訓練場でも4人組がやる気になったようだ
しかし武器を手に取る様子は見せない
直前まで武器は見せないようだ
随分と対人が手馴れている
まるで山賊のような戦い方だが
「魔法使いが4人に一人で挑むなんざぁ無理に決まってる!
囲んで叩くぞ!その後はお楽しみだ!
ベッドの上で鳴かせてやるぜ!」
「おー、性欲旺盛なのは結構ですが
下品なのはいけません!
少しメニューの練度を上げましょうー」
しかしシルは動かない
それを言葉だけだと思ったのか
男達は嘲りながら囲む
スキンヘッドが先手を取る
武器は斧のようだ
山賊のような風体にお似合いの武器だな
斧は普通、その重さから振りが遅いが
体格もあり、リーチもある
そこから繰り出される一撃は
ベテランと言うには十分だ
しかしシルはその一撃を紙一重で躱す
完全に見切った動きだ
「動きはいいですが、正直過ぎますねー。
筋肉の入り方からフェイントでないのが丸わかりです」
そこに間髪入れず背後にいた金髪が攻撃を繰り出す
マントの中から取り出したのは長剣
背後から斬りかかるが
これも身体を回転させ回避
ついでとばかりに風魔法だろうか
長剣に当て加速させる
加速について行けていない金髪はそのまま剣を振り下ろし
スキンヘッドの斧の柄を切ってしまった
「てめぇ何しやがる!」
スキンヘッドの怒声が聞こえる
「戦闘中の仲間割れは厳禁です。
連携に影響が出ますよー。
反省は終わってからしましょう」
ここでも注意が飛ぶ
天然パーマは劣勢を見て茶髪と連携し襲い掛かる
シルは未だ悠然と構えている
金髪はスキンヘッドの武器を破壊してしまい狼狽してしまっている
すぐには動けそうにないが
「馬鹿野郎!ぼさっとするな!
んなもん買い直せばいいだろうが!」
チャラさは薄れ、顔には真剣味が見て取れる
茶髪の叱責で気を持ち直した金髪は
肩からタックルを掛ける
シルはこれを金髪を足場に飛び越える
「良い判断です。明らかに武器の間合いではなかったですからね。
ただ身軽な相手にするとカウンターで背後を取られたり
首を起点に投げや、折られる可能性も考慮しましょう。
今は仲間がいるので問題ありません」
怒られる前に出来ていればもっと良かったですけどね
と注意もされている
しかし空中で講義をしていることも忘れてはいけない
そこに天然パーマから炎弾が飛んでくる
回避は流石に無理か?
しかし、シルは落ち着いて投げナイフを取り出し
炎弾に投げつけると炎弾はシルに届く前に爆発する
天然パーマは撃ち落される事も考慮していたのか
仲間に爆風の影響は少ない
「良い連携です。
仲間に影響が出ないように配慮しているのも
素晴らしいですね」
ここで一旦仕切り直し
思ったよりやるようで楽しくなってきたな!
ここまで読んで下さった方ありがとうございます。




