怪奇!血塗れ全裸男
まだ山賊狩り終わりませんでした
早く主人公に服着せたい・・・
一人の時って脳内会話多くなりがちです
お邪魔します
相手が山賊とはいえ礼儀ってのは大事だよな
声に出さないと意味ないって?
そこは山賊相手に容赦しないってやつだね
洞窟の中に入ると壁に生えてる光るコケのせいかちょっと明るい
これ逆に暗がりに潜まれると危ないんじゃないかな?
気にしても仕方ないか
殺られる前に殺れ精神でいこうじゃないか
洞窟の奥から声が聞こえてくる
「助けてくれぇ!全裸の男が他の見張りを殺しやがった!」
「酒くせぇ・・・酔っぱらって幻覚でも見たんじゃないだろうな」
「大体なんだよ全裸の男って、てめぇまさかそんな奴にビビッって尻尾撒いて逃げてきたのか!」
聞こえてくる罵詈雑言に改めて気付かされた
血塗れ全裸の男ってやばくない?
この状態何とかしたいなぁ、軽くホラーだよね
おっさんの血だって健康に良くなさそうだもん
どっかで水浴びしたいなぁ
そんなこと考えながら目の前の扉を蹴り飛ばす
ドンッ!っと重い音を響かせて飛んでいき
一人の男を巻き込んで壁に刺さった
衝撃でコケがパラパラと落ちてきて
なんとも幻想的な光景だな!
山賊系おっさんたちと一緒でなければもっと良かったのに
口論を続けていたおっさんたちは
血塗れ全裸男という怪奇を前に唖然としている
ざっと見渡して10人か
「「「変態だああああ!」」」
この大合唱である
野太い声でこれほど良かったと思えることがあるだろうか
黄色い声で言われた心が折れそう
でもそこは流石の戦闘民族山賊さんだ
即座に戦闘態勢に入っている
手練れな方たちもいる
魔法の詠唱を一人が始めるとそれを補佐するように
こちらに攻撃を加えてくる
なんとも連携の取れた動きをするものだと感心してしまった
千年ボッチな俺は連携とか出来ないしな
またくだらないこと考えていたせいか
手加減を忘れていた
斧や剣、ナイフ様々な武器で攻撃してくるおっさんたち
正直この程度の速度でやられるような戦いはしてきていない
武器を弾いて喉や目を貫き手で貫通させる
ボウガンやスリングショットを構えてるおっさんたちには
貫き手によって獲得したおっさん頭蓋骨で弾け飛んでもらった
そこまで時間を掛けてようやく魔法の詠唱が完了したようだ
「これで弾けろ!『アクアランス』!」
来た!実は大体水系の気配がしたから待ってたのよ
飛んでくる水の槍に頭から突っ込む
「こいつ自分から突っ込んできやがった!
馬鹿な奴だ!アクアランスを生身で受けて五体が無事に済むと思うなよ!」
どうしてこういうタイプの人たちって自分の常識を押し付けるのかな?
常識的に考えて無事でいられる自信があるから突っ込んだとは考えられないのか
・・・血塗れ全裸の時点で常識語れる立場にいなかったわ
申し訳ないおっさん
口に出したくないので心の中で謝っておく
おっと早く洗わないと水が足りなくなってしまう
突っ込んだおかげで大分血糊は落ちたけど一応手で洗っておきたい
「アクアランスの水で洗ってやがんのか!?
なんなんだこの変態!?」
血糊も落ち着いたので魔法タイプの山賊に止めを刺すべく
近寄って行く
「ひっ・・・なんだってんだ!なんでこんなことになったんだ!
まだ国の兵士とかなら諦めもつくのに!なんでこの俺の最期がこんな変態なんだ!」
おぉ変態であることを気にし過ぎではありませんかね
いや俺でも嫌だったわ
ごめんねおっさん
でも山賊には死だよ
誰が使ってたかわからない剣でまだ喚いてるおっさんの脳天を突き刺す
頭蓋骨を割った感触と共におっさんは絶えた
と同時に暗がりにあった扉から火の玉が飛んできた
おお乾燥までしてくれるのはありがたいな
「ちぃアクアランスの様子でひょっとしてと思ったが
ファイアーボールまで効かねぇとかどんだけだよ」
どうやら山賊のボスのお出ましだ
山賊結構居たのに俺また喋ってないな・・・
ここまで読んで下さった方ありがとうございます