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vsドラゴン?

ここからが本番

デイジーには悪いがゴブリンとの戦いは

訓練以上の意味合いはない

デイジーに集団戦の空気、実践を味合わせる為でしかない

雑魚で訓練以上の価値がない存在とは言え、同じことが出来る人間は

冒険者の中でもギルマスから一定の信頼を得ている者ぐらいだろう

まぁ中には化け物みたいに強い新人もいるかも知れないが

なにはともあれ彼女は俺の期待に応え、自分の『価値』ってやつを示して見せた

なら師匠として俺は彼女に今の俺の『価値』を見せなければいけないだろう


刀を正眼に構える

魔力を刃に通していく

シルに聞いたところ、ドラゴンは魔獣の頂点らしい

喋れるドラゴンは精霊種だそうだ、絶対間違えないでくださいと

涙目で訴えられた

さっき吠えたところをみると確実に魔獣側!

最初っから全力全開で行くぜ!

周囲に魔力刀を展開

ドラゴンが逃げ出さないように囲む

刀をドームを作るようにグルグルと旋回させる

出し惜しみをする気はない

ドラゴンの首が落とせるように刃を象った魔力が伸びていく

準備完了!

さぁドラゴンよ!戦闘を始めよう・・・


気が付けばドラゴンが土下座している

四つの足を折り曲げ、頭を地に押し付けたまま動く気配がない

デイジーも呆然と立ち尽くしている


「・・・どうしたんだ?」


『すいません!すいません!ちょっと調子に乗りたかったんですうううう!』


念話のようなものだろうか

ドラゴンから絶望に立ち会ったというような感情が溢れてきている

というか、このドラゴン喋れたのか!?

高位のドラゴンはこのようなことをしないと聞いていたんだが・・・

土下座を続けているドラゴンを宥め話を聞いてみると

魔獣のドラゴンがしていることに興味を持ち真似してみたくなったそうだ

実際にやってみるとゴブリン共は崇めてくれるし

人間達の恐怖に惑う様は少し面白かったから続けていたようだ


・・・アホみたいな理由だがそもそも種族が違う時点で

感性も様々あるのだろうが、なんともはた迷惑な話だ


ここからが問題である

理由や種族の感性という話は置いておいて

こいつは人間側に戦意を向け、被害を与えた

一回で満足しておけばいいものを調子に乗り、繰り返し

挙句、討伐依頼を出されることになった

まぁつまりは自業自得ということだ


そして依頼を受けたのは俺だ

ここでこいつを逃せば、遺族に申し訳が立たないし

ごめんなさいで済ませていい問題ではない

俺達、人間側にはこいつを討伐する理由があるし

引けない理由もある

だがここでこいつを殺すと種族間の問題に発展する可能性も十分にある

難しい・・・

こういう問題は苦手なんだ

外交とかなんだのと面倒な事この上ない


どうしたもんかと悩んでいると

ドーム状に旋回させていた魔力刀に何かが激突し

中に一匹のドラゴンが侵入してきた

自らの防御を過信して突っ込んできたようだが

俺の魔力刀は生半可な切れ味ではない

内部に入った途端に地面に激突していた

満身創痍のドラゴンが辛うじて立ち上がると

その身から魔力が溢れ出た

そうするとあっという間に完治してしまったようだ

ドラゴンとは存外にタフである


『この愚か者がぁあああああ!!

 なんて者に喧嘩を売っておるかぁああああ!!!』


治ったと思った途端に咆哮し

土下座しているドラゴンの後頭部を前足で殴りつけた

恐らく全力でいったのだろう

クレーターが広範囲で発生し、恐ろしいまでの地響きが聞こえてきた

デイジーも立っていられなかったのか座り込んでしまっている


『人族の強者よ、此度の件まことにすまなかった。

 龍族の長たる我からも伏して謝罪申し上げる』


そういうなり先程までドラゴンがやっていた土下座をする

両方ドラゴンだと紛らわしいな


『申し遅れてすまぬ。我は龍族の長オロチと言う。

 あまり知られておらぬようじゃが、精霊種のドラゴンは全て龍族なのじゃ』


これは失礼した

猿と人間を同一視していたようなものじゃないか

これは広めていかねばなるまい


ところでそこの龍は大丈夫か?

さっきから全く動いていないんだが?


『これのことなら心配無用じゃ。頑丈だけが取り柄じゃからな。

 ・・・そのせいで今回の事件を起こしたようじゃが

 全く弱者相手に良い気になるからじゃ』


ボロクソである

まぁ当然のことをしていたわけだから

同情の余地はない

して今回の件どう方を付けるべきか


『我がこれを連れ、直接謝罪へ赴こう。

 失われた命は返せぬが、可能な限り遺族の方が納得する形を取りたい』


ふむ、そうしてくれると助かる

俺としても説明するのも下手だからな


こうして龍の長と一匹の龍を連れ街に帰還した


はぁ・・・結局、新武器使えなかったな・・・







ここまで読んで下さった方ありがとうございます。

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