ギルド施設にて
そういえばまだ名前を聞いてなかったな
改めて聞くと少し呆れた顔をしながら教えてくれた
「今更でありますか?
私の名前は、デイジー・モンカであります!」
高らかに宣言された瞬間、周囲の空気が凍った
姓があるっと言うことは彼女は確実に貴族
厄介ごとの臭いがプンプンするぜぇ・・・
「やっぱさっきの話はー」
「レムさん、それは男らしくないのではー?」
「ぐっ・・・」
それもそうだ
異界の勇者の手記にもあった
『男に二言はない』だったか・・・
世界を股にかけて通じる言葉があるとは
異世界も侮れないな
決めてしまったことは仕方がない
これは確実にアキューに絞られる案件だが
それも含めて仕方ない
先に名前を聞かなかった俺の責任だろう
終わったことは置いておいて
そうと決まれば早速、訓練の内容を吟味しなければ
しかし、ここで得意武器だのなんだのと確認するわけにもいかない
ここにはまだまだ、野次馬がいることだしな
「シル、どこか相談出来る場所を知らないか?」
「レムさんまだここらへん詳しく知らないですもんね。
いいですよー、またご飯奢って下さいね!
おススメは・・・・ここです!」
ジャジャーンと効果音が聞こえてきそうな
表情で両手を広げられた
大変立派な胸部の曲線が綺麗な擬音付きで揺れている
プルンって感じだ
デイジーも魅惑の御山に釘付けだ
「ここ?」
「そうですよー!依頼人さんとの相談事もありますし、
なにかと密談が多いギルドに防音の効いた
お部屋の一つや二つない訳ないじゃないですかー」
ぽんっと両手を打つ
よく考えてみれば、もっともだ
納得した顔をしていたらしく
シルがジトっとした目でこちらを見ていた
「レムさんがちっともこのギルドに興味を示してくれないんですもん。
ようやく施設の一つを紹介出来ましたよ」
プンプンっと怒ってますっと言わんばかりに
口を膨らましている
なにこいつ可愛すぎない?
アキューの機嫌を何とか出来たらご飯に誘おうか
本気で考えちゃうね
それは別として
「一つってことはまだあるのか?」
「もちろん、鍛冶屋さん、治療院などなど色々です。
でも今日はデイジーさんを待たせてしまいますので
必要な時にその都度説明しますねー」
忘れるとこだったわ
というか忘れたかったわ
デイジーはこちらの話が終わるまで待ちます
っといった顔だったが
やると決まったらさっさと済ましてしまう方がいい
俺達は部屋を借りて移動する
使用料もそんなに高くなく良心的だ
「それで確認事項だが
俺に強くしてほしいってことだが
理由はあるのか?」
最初に聞けって話だが
色気に負けたと笑うがいいさ!!
「改めて聞かれると照れ臭いでありますが・・・
私の領地は辺境を任されております。
民は常に魔物の脅威に怯えているのです!
私は少しでもお父様の統治に協力したいのです!」
どんどんと熱くなるデイジー
口調が崩れているのに気付いていないのか
そのままの口調で語る
「レム様の強さは先程の勇者との戦いで拝見させていただきました。
私も領地ではそこそこの実力者とされていますが
それでもまだ足りないのです。
是非とも私を鍛え上げて頂けないでしょうか!」
顔を上げこちらの目をまっすぐ見てくる
その目は決して諦めることはしないと
俺に語りかけてくるような輝きを持っていた
ここまで魂を揺さぶられる事を言われると
男の子として黙ってられないな!
・・・おい、誰だ?千歳超えて男の子wって笑った奴は
男の子に歳は関係ねぇ!大事なのは心だろ!?
っと一人で熱くなっても仕方ない
「いいだろう!デイジー、お前の心意気!
実に気に入った!絶対だ!絶対にお前が望む結果を
くれてやる!」
さぁデイジー、一緒に熱く行こうぜ
ここまで読んで下さった方ありがとうございます。




