表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/47

アキュー語り

いい加減レムの容姿を入れねばと

アキュー視点にしました

レム期待していた方には申し訳ない

今回の商行は簡単なハズだった

卸先も決まっていて、向こうで荷を下ろして

お母さんのお使いをして

代わりの積み荷を積んで帰って

護衛の試験の完了を報告する

ギルドの皆と試験合格をお祝いする

朝まで飲んで次の日はおやすみ

友達とお買い物に行って

服を見て、美味しい物を食べて

また明日からも頑張ろうなんて言って

布団に入る

それが日常だと思ってた

お母さんが街道の安全調査を行っていたのは知っていた

こう言ってはなんだけど

うちのお母さんはこの街で一番強い

街を守る騎士団と比べても強い

だから油断していたのかも知れない

お母さんを恐れてこの辺りには賊の類はいつくことはない

思い込んでいた

危険を冒しても目的がある賊の考えなんてわからなかった

なんて言い訳だけど

あんな簡単に攫われるとは思っていなかった

護衛のみんなは殺された

こんな時のためにいるはずの試験官のワルトさんはいなくなっていた

考えたくはないけど

裏切られたということなんだと理解した

お母さんは強いけど

私は戦いが苦手だったので商人の道を選んだ

人脈を築いていけば

この仕事でもギルドの為になると思ったから

でもギルドマスターの娘ということを

しっかり理解していなかったのかも知れない

それが私を攫った理由だと山賊のボスが言っていたから

私は縄で縛られ根城にしていると思われる洞窟に連れて行かれた

ボスが味見をするとか言い出して

他の山賊を外に追い出し、私をベットに放り投げた

これが油断のツケだと言うのだろうか

溢れそうになる涙を抑え

必死に歯を食いしばり

恐怖で歯がガチガチとならないように

心が折れないように

目だけは負けを認めない

絶対に殺すという意志だけは保つ

奴の手が服に掛かる寸前、外が騒がしくなって来た

山賊達の助けを求める声、断末魔

時折聞こえる全裸と言う単語が気になるが

流石のボスも無視できなくなったようで

山賊達が宴会をしている部屋を覗き見て固まった

馬鹿な、ありえない

そんな呟きが漏れてくる

ボスはファイアーボールの詠唱を始め

打ちながら部屋を出て行った

なにが起こっているかはわからないが

これは最後のチャンスだ

縄を解くことに集中する

所詮は山賊の縛り方だ

戦闘は苦手だったけど

ギルドで逃げ方は教えてもらっていた

そこには拘束状態からの脱出方法もあった

商品的な意味合いもあったのだろう

縄の拘束は思ったよりも緩かった

思ったよりも緊張していたのだろう

今になって恐怖に身体が動かなくなりそうだった

だけど、ここで震えているわけにはいかない

近くにあったナイフを手に取り扉を開ける

そこで出会ったのは山賊の惨死体の中心で

全裸で・・その・・生理現象を処理中の男だった

思わず叫んでしまったが

あまりにも冷静に返してくるので

こちらも冷静になってきた

それはそれとして服を着てもらう

彼は取り合えずは味方のようだ

顔は返り血が凄くてよく見えなかった

服を着る前にアクアランスで血を洗い流していたが平気そうだ

訳が分からない

ボスのファイアーボールも躱したのかと思ったが

どうやらそれで乾かしたらしい

訳が分からない

それから怖くて顔は見ないようにしている

精一杯、虚勢を張り怯えを見せないようにする

彼の話は初めとても信じられるものではなかった

ただ商人としての勘が彼とは縁を持てと囁いた気がした

どのみち彼の実力は本物だ

彼が本気になれば私など山賊達よりも簡単に殺せるし

拘束も出来るだろう

信じるしかない

今までの価値観が今回の件で壊されたせいかも知らないけど

彼と話した結果街に一緒に行くことにした


そこからは驚きの連続だった

単体だとそこまでの脅威ではないが

群れ相手だと危険度が段違いに上がると言われる

フォレストウルフ相手に優雅に立ち回り

剣から魔力を迸らせ圧倒的な力を見せつけられた


彼と会話をしていて思い出した名前を聞くのを忘れていた

どうやら千年の戦いで忘れたとのこと

千年も戦い続けていればそうだろ

千年に疑問を持たなくなってる自分が少し可笑しかった

名前は私から贈った

少し女の子っぽかったかな


洞窟の前で一晩明かした際は

寝ずの番を買ってくれた

朝日の中で見た彼の顔は

黒の髪がさらさらとしていて

イケメンではないけど男前でカッコよかった

恥ずかしくて思わず文句を言ってしまったけど

気にしてないといいけど・・・


野営では野営地がないからと

その堅さから手に入りづらく高級木材とされる木を

容易く切り倒し野営地を作ってくれた

野営では役に立てないと申し訳なさそうな顔は少し可愛かった


そして無事、街に辿り着いた

ここでお別れだと思うと寂しくなったが

別れ際、無理矢理声を出す

すぐに彼に背を向け顔を隠す


後ろから聞こえてきた

また明日の声に自分でも気づかないうちに安堵の息を出していた

この後、散々お母さんにからかわれた

数日で堕とされるとわって


翌日、ギルドまで迎えに行くと

ギルドの皆が凄く疲れた顔をしていた

一晩中組手をして遊んでいたそうだ

周りの家の人たちも巻き込んで


一体なにをしているのやら

それはともあれ

「おはようレム、今日もよろしくね」

今を大事にしないとね


ここまで読んで下さった方ありがとうございます。

アキュー視点でしたが

いかがだったでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ