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天職hiro①


 静かな日々が続いている。その後、AGUとJUKUは同盟を結んだ。世の人たちは、この二つの組織によって、この国の平和が保たれていることを知らない。ヒロは、かすみが来るのを待っていた。早く会いたい。その優しい瞳を見つめたい。そして、体と心を癒して欲しい。そこにいるのは、最強の暗殺者の姿ではなかった。

 ヒロには、数々の伝説がある。中でも有名なのは、不敗伝説だ。ヒロ自身は、気にはしてはいないのだが、Mr.Tによると、現在999勝0敗らしい。

 約束の時間ちょうどに、かすみはやってきた。しかし、いつもと明らかに様子が違う。かすみはヒロを見つけると、ペロッと舌を出し戯けた様子で笑った。

『連れてきちゃった。』

かすみの後ろから小さな女の子が現れた。ヒロは、すぐに悟った。一人娘のレイちゃんだと。ときどき聞かされていた通り、可愛い女の子だ。ヒロは、膝を折り、その小さな子の顔の前に、自分の顔を合わせた。

純真な心が伝わってきた。

『こんにちは。』

ヒロは声をかけた。すると、レイの口が開き、矢継ぎ早に質問を浴びせてきた。

『おじさん誰?おじさん何してるの?おじさん、なんか怖い。おじさん、何か隠してるでしょ。おじさん、変な顔。おじさん、変な匂いがする。おじさん、嫌ーい❗️』

『・・・』

ヒロは唖然とした。

そして思った。

『負けた。』

この子には勝てない。ヒロは微笑むだけであった。

1000勝を目前にして、初黒星になってしまった。かすみは、笑い転げていた。

『いい潮時かもしれない。引退しよう。』

そう決意したのだった。


 俺は暗殺者として、裏の世界では恐れられた存在だった。しかし、初めての敗北を味わい、この世界から引退をしたのだ。まあ、実際には戦ってはいないが、なぜか、全く勝てる気がしなかった。その理由は後日、判明することとななる。

 裏世界の報酬は破格で、蓄えはキャッシュである。数えたことはないが、おそらく数100億はあるだろう。したがって、金には困らない。だが、毎日何もしない生活には、耐えられないのだ。そこで、新たな仕事、世のため人のために尽くす仕事を探すことを決めた。俺には特殊能力がある。いかなる仕事でも完璧にこなせるであろう。暗殺者からの転職。自分に相応しい転職。まさに天職を見つけることにしたのだ。

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