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全部神様が悪い  作者: 無二エル
ピエトロ王国編
95/134

095 ピエトロへ

ユーメリアにとんぼ返り

1時間かからないくらい

明日からヘンリーは馬で6時間かけ泊りがけでイゴールをイジめにくるらしい

恐ろしい執念だ


「まあ、それが少しでも罪滅ぼしになるのなら、死刑になるまでの間は相手するさ」


イゴールは確実に死刑だろう

しかしイゴールの告白で後の3人の処遇は解らなくなった


「ピーちゃん、裁判っていつなの?」

「1カ月後くらいじゃないかしらぁん?」


そうか、流石に待ってられないな


「じゃあ俺達は帰るかクリスティ」

「そうですね」


メイファンだけには会っておくか


「メイファン、裁判までの間は大変だと思うけど」

「そんな事無いアル、女子の牢屋はけっこう綺麗アル」

「エッチな看守とか居たらやっつけちゃえよ、メイファンなら余裕だろ?」

「看守も女アル、今後ろで凄い睨んでいるアル」


なにか敵意を察知したと思ったら看守だったのか


「俺達は帰るけど元気でな」

「ありがとうアル、本当にお世話になったアル」

「裁判での幸運を祈ってるよ」


メイファンはニッコリと手を振ってくれた


さて帰るか

ペガサスの馬車を借りる

少し狭いけどムスタングも今度は馬車に乗って行こう


「ミヤビさんも今日帰るの?」

「拙者は少し遠いので明日の朝送って貰うでござるよ」

「そっか、じゃあピーちゃんも色々協力ありがとうな」

「それはこっちのセリフよぉん、ユーメリアの為にありがとうねぇん」


ペガサスの馬車が飛び立つ

窓から2人に手を振る

上昇してあっと言う間に小さくなっていく

・・・見えなくなった


「・・・タカネ様、色々聞きたい事はあるのですが」

「馬車の中で色々聞いていたろう、イゴールが言った事に当然疑問があるよな?」

「はい・・・元の世界がどうとか」

「・・・以前、図書館で見たよな?魔王の伝承の話」

「はい、異世界人とかどうとか」

「俺は異世界人だ、イゴールも他の3人も」

「・・・カオリ様もですか?」

「本人の居ないとこで言っちゃうのは気が引けるけど・・・そうだよ、あとジルもな」

「そうだったんですね・・・」


スイッチの事を説明した

ユンフィスがこの力を与えた事も

俺が元は男だという事以外はすべて説明した


「こうして俺はズルい力を手に入れたんだ」

「ズルくなんてありません、その力のせいでタカネ様は苦しんでるじゃないですか」

「でも、クリスティやこの世界の他の人が長い時間をかけて強くなったのに、俺は何もせずに強くなったんだぜ?」

「強くなりすぎたせいで色んな事に巻き込まれて・・・」

「スイッチの中でも優劣があるんだ、平等じゃないのは何でだろうな?」

「・・・人間は、生まれながらに平等ではありません」

「いざ自分が特別な存在になってみると、どうしていいか解らないよ、この力をどう使うのが正解なのか」

「ユンフィス様が何をお考えなのか・・・」

「解らない、それに関しては本当に解らない、どうしたいのか解らない」

「・・・・・・」

「俺は、この力が破滅にも繋がる力だと思ってる」

「イゴールはそうなってしまいましたね」

「魔法水晶を量産して軍事利用でもしようものなら犠牲者の数はイゴールの比では無いよ」

「その事に関しては本当に申し訳ありませんでした、クリスティが余計な事を言ってしまったせいで」

「いや、すでに開発されていた物だからな、この先数が増えていくことは避けられないんだろうけど・・・」

「スイッチは不均衡をもたらす存在になるんでしょうか?」

「ああ、クルセイドだって開発中、数人のスイッチが力を貸せば小国が軍事大国になる可能性もあると思う」

「ソビキトとニルギスはすでにスイッチが手を貸しているのかも・・・」

「ああ、先に魔法水晶を開発した国だな、可能性はあると思う」

「だったらやはりタカネ様は必要な存在です」

「え?」

「世界の不均衡を防ぐ為に、唯一バランスを取れる存在だと思います」

「・・・それって神じゃないか」

「タカネ様はクリスティにとってすでに神ですが」

「魔王をも超えて神になるか?ははは」

「神様、足を舐めさせてください」

「え?あ、うん」


ま、まあクリスティも頑張ったし別にいいか

ムスタング、真似はしなくていいぞ

お前にも舌があるんだな



ピエトロに着いた

もう夕方だ、長旅お疲れさん


「2人が帰って来たらー」

「え?手紙にはそんなこと・・・」

「ほんとだ、エリーゼ夕食追加だよー」


ペガサスの馬車は今日はピエトロで1泊して明日帰るらしい

送ってくれてありがとう


「タカネ!手紙でサテンの事を愛してると!」ぶちゅー

「うおお、熱烈な歓迎だな」

「サテンはタカネにくれてやるら、クーリエたんはメアリーの物ら」

「お前はどんな立場なんだよ」

「クリスティもお疲れさま!クルセイドはどうだった?」

「カオリ様、なかなかの手練れがいました」


クリスティが3カラットの魔法石を返そうとする

カオリにはもう必要ないので持ってろって

結局魔法石は出番が無かったな


「取りあえず中に入ろう、長旅で疲れた」

「ムっちゃんもお疲れさまら、狭い馬車の中じゃ大変だったら」

「ケーン」


中に入って一休み

ああ、やはり我が家は落ち着くぜ

俺、明日からまたダラダラ暮らすんだー


「メアリーそういや上級になったんだな、おめでとう」

「ありがとうら、でもまだまだ上級は大変ら、しばらくは中級を回るら」

「ああ、無理はしなくていい」

「それよりタカネ!美女20傑を詳しく聞きたいんだけど!」

「カオリが出るの?俺はサテンにだな・・・」

「サテンは興味ないです」

「えええ」

「サテンはタカネが見てくれればそれでいいんですよ」

「サテンが大陸一の美女になったら惚れなおすけどな」

「出ます、カオリなんかに負けません」

「ちょっとー、カオリちゃんの優勝がぁ・・・」


「そっか、メイファンもなんとかなりそうなんだ」

「ああ、罪の比率はイゴールに多く圧し掛かると思う」

「他の2人も悪い人では無かったんですね」

「逃げちゃったからメイファンより罪は大きくなると思うけど」

「どちらにしろ無事終わって良かったです」


あれ?ジルは?

部屋かな?


「そうですか、クルセイドが魔法水晶を・・・」

「イゴールはその為に呼ばれたらしい」

「・・・魔法水晶の製造は止めようが無いのでしょうか?」

「無理だろうね、生活が劇的に便利になる物なんだからさ」

「しかし・・・」

「悪用すれば世界が破滅するかも知れない」

「なんとか皆がそれを解ってくれればいいんですが」

「・・・人間は愚かだからな、必ず悪い事に使おうとする者は居るよ」

「始まってしまった物は、止めようがないですか・・・」

「俺らが止めようってのも大それた事だと思うぞ?」

「そうですね、進化を止めようと言うのも間違ってる気もします」

「ジルも魔法水晶をどっかの国に売ってしまえば?それともイシュタルに見つかった時の為に持っておいた方が良いのかな?」

「イシュタルはまだ私の行方を捜しているでしょうか?」

「さあ、今どういう状況かも解らない」

「もう国を出て半年くらい経ちます、忘れてくれているといいのですが」


魔法水晶を作っていた人間が行方不明

簡単に放っておかれるとは思えないが


「ジルも綺麗なんだから閉じこもってばかりじゃ勿体ない、外に出られる状況を作らないと」

「・・・そうですね、夏は海にくらい行きたいです」

「良い体してるもんな、見せつけたいでしょ?」

「あはは、イシュタルには海が無かったので・・・去年はそれどころじゃなかったですし」


去年は夏場は国を出て逃げ回ってる最中だったそうだ


「イシュタルに居た時モテたでしょ?」

「ええまあ、貴族にプロポーズされた事もあるんですよ?」

「断っちゃったの?」

「はい、あまりタイプではなかったので」


その後しばらくモテまくった話を聞かされた

外に出てはナンパされ、パーティに出てはモテまくり、多くの女に嫉妬された


「嫉妬の怖さも身に染みる程感じました」

「顔は変わらず体はエロくなったんだっけ?」

「えろ・・・そうです、元の世界でもモテ無かった訳ではありませんが、こっちに来てからは10倍はモテるようになりましたね」

「そんなにモテても困るよね」

「正直断るのだって大変ですもんね、タカネさんも身に染みてるでしょうけど」


そうなんだよ

嫌だったから国まで出ちゃった


「そうだ、大陸美人20傑ってのが開催されるかもしれない」

「ええ!で、出てみたい・・・」

「出たいんだw、だったら出れる状況を作らないとね」

「うーん、身を隠さないで良い立場にならないと・・・」

「代表になるにもピエトロだと大変だぞ」

「タカネさんやサテンさんも出るんですか?」

「俺は出ないけどサテンには出て欲しい」

「勝てる気がしません・・・」


どういう大会になるか解んないけどサテンが20傑に入ってくれれば次の大会なら代表になれるかもよ?

カオリ?可愛いけどあいつは闘技の方が可能性あると思う


「まあもしくは他国の代表として出るとか」

「・・・うう、ここに居ちゃ駄目ですか?理由を付けて追い出そうと・・・」

「ええ?そうじゃないよ・・・でもずっとこのままでは駄目だとも思う、せめて隠れずに済む状況を作らないと」

「そうですよね・・・」

「彼氏とか欲しくないの?」

「ええ?・・・欲しい、です」

「だったら状況変えないと、女は若い内が花なんだからな」

「歳をとると嫉妬する立場になるんでしょうか?」

「そうかもね」

「女はピークが短いんですね・・・」


そうだぞ、だから外に出ないと

肌の露出が許されるのも若い内だけだからな

30越えて肌出して良いのは芸能人だけ

あれを真に受けて真似すると痛い目で見られるぞ


さて、長話しすぎた

夕飯食べて風呂入って寝る

久々の自分のベット

おやすみなさい



次の日


「ムスタング、また大きくなったな」

「ケーン」


今240cmくらいだろうか

もうちょっと大きくなったら2人くらい乗せれるらしいが

そうなると鞍も新調してやんないとな


皆はハンター業に出かける

俺は家でゴロゴロ

ああ、日常が戻って来たなー


ガチャ「タカネ様、お茶をお持ちしたの、パンツが丸見えなの」

「ああ、いつもどおりだなー」

「はしたないの、隠さなきゃ駄目なの」

「はいはいエリーゼ、美人20傑の話は聞いたか?」

「聞いたの、絶対サテン様に10万賭けるの」

「俺も俺も、でも倍率付くかなぁ?」

「対抗でタカネ様が出れば競り合うことが出来るの、途中でそっと辞退してくれれば丸儲けなの」

「エリーゼが悪い顔してるよー」


そんなこんなで10日後

内政官バルディさんが来た


「美人20傑大会の開催が決まった、クリスティ殿の発案らしいな?」

「発案と言う程では・・・会話の中で何気なく例えとして出した言葉です」

「いいじゃんクリスティ、それでバルディさん、予選とかもやるんですか?」

「ああ、ただ今回は基準が曖昧だ、闘技大会は最上級ハンターや地方10傑でトーナメントをやれば良い訳だが・・・」

「自由参加にしたらオカマまで出るって言いそうですもんね」

「誰の話をしてるんだ?」

「いえ別に」


それで、各国の都市で人口を配慮して出場枠を作り、その中で争う事にしたらしい

首都ランバートは15枠、お隣ヤーインは10枠、ホソカワムラ、ヤーインの向こうのミクレは1枠

その他にもピエトロには都市がいくつかあるらしく、全部で64枠に調整したとか

出場条件は30歳まで

既婚、未婚は問わず美しければ誰でも候補になれるらしい

第一回は暫定でルールを決めたが今後変更もされていくであろうとの事


「64枠?トーナメントで決めるんですか?」

「いや、そうではないのだがなんとなくこの数字になった・・・何せ初めての大会なので探り探りなんだ」

「代表を決める方法は?」

「取りあえずは投票で決める事になった」

「どこでやるんですか?」

「闘技場だ」

「じゃあ投票権は闘技場に入れるお客さんのみって事ですか?」

「そうなるな」

「ふーむ」


闘技場のチケットは高額だからあまり庶民には出回らないんだよな

やはり貴族や金持ちの娯楽になるのか


「首都で15枠ってのもどうやって決めるんですか?」

「取りあえずは自薦、他薦問わず募集してみようと思ってる」

「ウチのサテンが立候補します」

「ううむ、タカネ殿はやはり出ないのか?」

「出ません」

「残念だ、間違いなく優勝候補なのに」

「15枠って事はカオリやクリスティも立候補して良いって事ですか?」

「タカネ様、クリスティは出ません」

「クリスティ殿は女性票を集められると思うが」


ああ、確かにそうかも

クリスティは貧乳で男性的魅力が・・・


「サテン様に勝てるはずもありません、クリスティは闘技大会で上位を目指します」

「そっか、カオリもお前ぐらい聞き訳が良ければな」

「それで、大会内容なんだが・・・」

「はいはい」


え?ドレス審査だけ?


「それじゃあ時間持たないでしょ?」

「ううむ、そうなんだ」

「水着審査もしないと」

「み、水着審査?」

「女性の美を決める大会なんだから水着審査もしないと、体のラインが誤魔化せない本物の大会じゃないと」

「う、ううむ、だが水着となると抵抗のある者も・・・ホソカワムラはその辺特に難しい考え方だぞ?」

「ドレスだと下半身見えないでしょ?下半身デブが優勝したらどうするんですか?国の代表がそんなので良いんですか?大陸の20傑がそんなので良いんですか?」

「ううむ、出ないくせに随分熱いな・・・しかし言ってる事はもっともな気もする、解った主催国ユーメリアに問い合わせてみよう」


バルディさんは帰って行った

もうちょっと詰めて詳細は近日発表らしい

なんだかんだで楽しみが増えたぜ


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