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全部神様が悪い  作者: 無二エル
ピエトロ王国編
91/134

091 クルセイドへ

ユーメリアに戻って来てゾイゾイとホセを拘留する

日帰りで戻って来れるとは正直思ってなかった


「イゴールは魔法使うんだよな?そんな奴をどうやって拘束しよう」

「あらぁん、ちゃんと道具があるのよねぇん」

「へえ、どんなの?」

「これよ!水晶の手枷!」

「・・・なるほど、魔法を使おうとすると水晶が吸い込むのか」

「良く知ってるわねぇん」


魔法水晶を作った事があるからな

そうか、逆手に取ってこんな使い方を考えるとはね


「タカネちゃんも魔法使えるんでしょう?なんなら試してみる?」

「いやいいよ」

「遠慮しないでぇん、それともこわいのぉん?」ガチャ

「あ」


王子に手枷をはめられてしまった


「魔法使おうとして見てぇん」


それは出来ん、色が変わってしまうからな


「外して」

「どぉしてぇん?試してみればいいのにぃん」


ふんぬっ!!


バギィ!!!


「あ、壊れた」

「ええ゛!!!う、うそよそんな、て、鉄より硬いはずなのに」

「脆くなってたんじゃない?」

「そ、そうなのかしらぁん」


ふう危ない危ない

アウトに近い方法だがなんとか誤魔化せた

もう一個あるよね?

あるのか、良かった


「タカネ殿、流石でござるな」

「あ、バレちゃった?」

「恐ろしい力でござる、人間の頭くらいは簡単につぶせそうでござる」

「胸は優しく揉む方だけど」

「なんの話でござるか、変態でござる」


う、ミヤビさんに言われちゃった


「タカネ様はそう言えばクリスティの胸を揉みませんね・・・」


無いじゃん、お前


「ケツを蹴られるのと胸を揉まれるのだとどっちがいい?」

「お、お尻の方で」

「解った」バシーーン

「ひぃぃぃん!」


変態とはこういう奴の事を言うのだ

はー疲れた、風呂入ろ


今日もメイファンに洗って貰い、王宮の風呂に入る

ふぃぃぃ、生き返るぜ


「拙者、今日はなんの役にも立たなかったでござる」

「クリスティもです」

「メイファンもアル」

「悪かったよ、イゴールの時は作戦立てよう」

「まず拙者がイゴールの居所を調べるでござる」

「俺らはどこで待ってればいい?」

「宿屋とか」

「うーむ、泊まるの確定?」

「クルセイドは遠いでござるよ、7、8時間かかると思うでござる」

「そっか確定だね」


夕食


「宿は予約しといたわぁん、返信があるのは明日よぉん」

「仕事早いね、じゃあ最短で明後日出発?」

「そぉよぉん、正直ユーメリア程綺麗な宿はないんだけどぉ、なるべく良いホテルを予約したわぁん」

「ムスタングはどうなるの?」

「ペガサスの馬車も敷地内に止められるわぁん、ムスタングちゃんも馬小屋で良いでしょう?」

「うーん、部屋の中は無理なの?」

「少し古いホテルだからどうなのかしらぁん、行ってから聞いてみましょう」

「あ、何部屋取ったの?」

「もう、心配しなくてもスィートを2つ取ったわよぉん」

「じゃあ良かった」

「もう・・・女同士なのに・・・」


それは絶対違う

傷ついた顔されても無理なもんは無理

俺が言うのもなんだけど無理


ふう疲れた、就寝



次の日、ホテルからの返信を待つ

ヒマなので朝から稽古

どんだけ無茶しても再生の杖で元通り


「クリスティ、この杖はお前のお陰で取れたんだろ?」

「いえ、4人の力とタカネ様の指輪のお陰です」

「でもガイコツは指輪無しで挑まなきゃいけなかったんだろ?その後でこの杖を見つけたんだから・・・」

「タカネ様の指輪がなければたどり着けなかったんです、タカネ様の手柄が大きいと思います」

「・・・まあいいや、とくかくこの杖は素晴らしいよ、見つけて来てくれてありがとうな」

「ではお尻を」

「おう」ベシーン

「あふぅぅぅん!」


「はぁはぁ、こ、こんな機会、なかなかないわぁん」

「ん?」

「強い3人と疲れ知らずで延々稽古が出来るんですものぉ」

「まあここに居る間くらいは付き合うよ」

「ずっと居てくれればいいのにぃん」

「そうはいかない、大切な仲間が居るからな」

「タカネ様、サテン様から手紙が届いたアル」

「あ!やべ!サテンに手紙出すの忘れてる!」

「あらぁん、王宮の伝書隼使って良いわよぉん」


しまったしまった、なんて書いてある?

うわあ、すんごい心配してる

す、すぐに手紙書かなきゃ


――親愛なるサテン様、手紙出すの忘れてました、心配かけてごめんなさい、昨日はエステバンに行ってホセとゾイゾイを捕まえて来ました、今はイゴールを捕まえる為に調整中です――


今日の夕方には届くって

少しでも早くサテンを安心させてやりたい


「ふう、焦ったぜ」

「クリスティも気づかず申し訳ありません」

「いや、俺が悪いんだから気にするなよ」

「稽古を再開しましょうよぉん」

「メイファンも稽古か?その武器何なの?」

「三又矛アル」

「おもしろいの使ってるな」


「むう、ミヤビさん手裏剣も使うのか」

「中心の穴にエストックを通してみるでござる」シュッ

「ほい」ズボ

「で、出来るでござるか?おそろしいでござるな」


夕方


「クルセイドのホテルから返信が来たわよぉん、明日から泊まれるわぁん」

「じゃあ明日出発か」

「長旅よぉん、準備は怠らないでねぇん」



翌日


サテンに手紙書いてたら入れ違いで手紙が来た

凄く心配したって怒ってた

ごめんごめん、キスマークつけるから許してね

今日からクルセイドのホテルに泊まるから手紙はそっちにね


朝から出発、長旅だから途中で休まないとな

3時間後に休憩、湖のほとりに降り立った

乗ってるだけでも疲れるなあ

ムスタングはもっと疲れてるか、ナデナデしてやる

湖の水を美味しそうに飲むムスタング

30分ほどして飛び立った


また3時間後、小さな湖のほとりに降り立つ

おや、盗賊か

メイファンが蹴散らしてくれた

今はメイドやってるけど元々は最上級ハンター

盗賊なんて相手にはならない


「さてぇ、ここからクルセイド国に入るわぁ、ドラゴンがたくさん居るから気を付けてねぇん」


日が落ちて来た空へ飛び立つ

お、あれは火山かな?

モクモクと煙を上げている

・・・翼竜だ

遠くを翼竜が飛んでる

よく見ると地面にもうごめく影が

あれもドラゴンかな


翼竜がこっちに気付いたけど飛ぶのはあんまり早くない

ペガサスとムスタングには追いつかないだろう

すぐに見えなくなり、1時間後にクルセイドの首都に着いた


夕暮れのホテルの前に降り立ち街を見渡す

うーん、文明レベルは高くないな

少し原始的な感じがする

町に色が無い

茶色一色と言った感じ


ホテルも大きいけど木造だ

3階建ての少し古そうな建物


ペガサスとグリフォンで降り立ったせいか人が集まって来る

みんな大きな体でいかついな


「うへへ、すげえ美人が来たぜぇ」

「エロい体してやがんな、あの体を一晩中・・・」

「良いグリフォンだな、俺が貰っちゃおうかな」

「ペガサスが一緒だぜ?20傑が居るなら勝負してぇ」


明らかに治安悪そう

無視してホテルに入って行くか


「このホテルは大丈夫なの?」

「安心してぇん、クルセイドで唯一国外の来賓を迎えるホテルだからぁん」


ホテルに入ると執事が居た

がに股で立っていてちょっとガサツそう

ペガサス達が馬小屋に連れて行かれる

王子が交渉してくれてムスタングは部屋に入れて貰える事になった

でも若干嫌な顔された


「まあこういう国だから最高のサービスという訳には行かないか」

「でもお金さえあれば多少の我儘は聞いてくれるわぁん」

「あ、ひょっとしてムスタングは別料金?」

「気にしなくていいわよぉん」


王子が払ってくれたようだ

ありがたく好意に甘える事にした


部屋は3階のスィート2つ

他にも部屋はあるがこの階に泊り客は他にいないようだ

他国から来る人間自体が少ないのだろう


女の奴隷が居た

世話係らしい

クルセイドではメイドのような役割なんだそうだ


「ベットは4つか、丁度だな」

「お風呂も部屋に付いてますね、広くは無いですが」

「十分でござる、拙者は夜になったらイゴールの居場所を突き止めて来るでござる」

「一人で大丈夫なの?」

「忍びは単独行動が基本でござる」


夕飯を食べる

一応宿で準備された物で奴隷達が作った物らしい

配膳も奴隷

・・・味は普通かな


「では行って来るでござる、ニンニン」


ミヤビさんが消えた

少し風を感じたので窓から出て行ったのだろう


俺達は風呂でも入るか

俺とクリスティが先に入る

奴隷達が体を洗ってくれた

・・・メイドさんと違って目に光が無い

なんとなく寂しい気持ちになる

いつもより早めに風呂を出た


「ふう、メイファンも入って来たら?」

「私はメイドアルから・・・」

「普段は湯船に入らないんでしょ?こういう時くらい入ったら?」

「いえ、ミヤビ様より先に入る訳にはいかないアル」

「そっか」


ミヤビの後に風呂には入る様だ

ミヤビさんは気にしないと思うけどメイファンは気にするのだろう


「ただいまでござる」

「早いね」

「イゴールの居場所が解ったでござる、王宮に住んでいるようでござる」

「王宮かあ、厄介だね」

「部屋も確認してきたでござるが窓に鉄格子がはめてあり拉致は無理だったでござる」

「そこまでしてきたの?」

「メイファン殿、背の高い濃い茶髪の色の白い優男で間違いないでござるな?」

「間違いないアル」


色白の優男か

褐色のクルセイド人の中で間違えようがないだろう


「さてどうするかな・・・」

「王子様を呼んでくるアルか?」

「ここは女子の部屋だ、こっちから行くか」


コンコン「ピーちゃん、入って良い?」

『いいわよぉん』

ガチャ「げ」

「何よその反応、美しすぎて見惚れちゃったのぉん?」


ネグリジェと女の下着を着たマッチョが居た


「明日で良いや」バタン

『ちょっとぉ、感じ悪いわねぇん』


「今日は寝ようか」

「そうでござるな」


寝た



翌日

朝から手紙が来た

サテンは相変わらず心配してるな

朝御飯を食べてサテンに手紙書いて来なきゃ


「ハンター組合どこだろ?」

「お金を払えば執事が出してきてくれるわよぉん」

「クリスティが出して来ましょうか?」

「・・・いや、組合行ったらトラブルの元な気がする」

「血の気の荒いのが多いでしょうな」


通常5000で送れるが執事に頼むと7000

2000も上乗せされるのか


――クルセイドに着きました、イゴールの居場所も突き止めました、どうやって確保するかはこれから考えます、愛してるよサテン――


まあこれでいいか


「で、どうする?イゴールの確保」

「私は正面から交渉しても良いと思うわぁん」

「一応招かれてクルセイドに来たんでしょ?必要な人材をあっさり手放すかな?」

「どうかしらねぇん?」

「確実な方法じゃ無いとまごまごしてると逃げられるよ」

「勝負すればいいのよぉん」

「勝負?」

「クルセイドは力の国、勝負して負かせば欲しいものが手に入るわぁん」

「交渉って実力行使かよ」

「それがクルセイドでは通用するのよぉん」


うーん、だが出来れば今度は目立たないように・・・


「でもそれだと向こうも何か要求してくるんじゃないの?」

「そおねぇん、でも負けないでしょう?」

「ああ、負けないけどさ」

「だったら良いじゃないのぉ」


良いのかな

うーん、でも他に方法があるんじゃないだろうか?


「例えば外に出た時にさらうとか」

「クルセイドとユーメリアは友好な関係よぉ、出来れば私としては筋を通したいのよぉ」

「王子がさらったのバレると関係が悪化するか」

「姫が男をさらうなんてはしたないじゃないのぉ」

「もっと目立たない方法ないかなぁ」

「タカネちゃんの容姿じゃ何やったって目立つわよぉん」


・・・そうなんだよな

根本はそこなんだよ

この容姿のせいで俺は苦労してんだよ

目立つなってのが無理なんだよ


「俺って絶世の美女だよね」

「え、ええ、そうだと思うけどぉ」

「サテン殿と並んでると奇跡のようでござる」

「奇跡ですよね、美女の大陸20傑があったら1位と2位だと思います」

「あら良いわねぇん!そんな大会があったら私も出たいわぁん」

「作ったら?まあ俺は目立ちたくないから出ないけど・・・」

「勿体ないアル」

「・・・提案してみようかしらぁん、美女20傑」

「良いんじゃない?ところで話がずれてるんだけど」

「なんだったかしら?・・・ああ、イゴールねぇん」

「どうせ目立つのなら正面から行ってみるでござるか?」

「そうだね・・・もうどうにでもなれって思えて来た」

「自暴自棄はいけませんよ、タカネ様」

「だってよう、どうやったら静かに暮らせるの?」

「山にでも篭らないと無理でござる」


ふう、嫌になるぜ

自分の容姿なんてどうしようもないじゃないか

どうしろってんだチキショウ!

20傑を返上しようが魔法水晶を作った事を隠そうが意味無いのかよ!


「ああもう、取りあえずイゴールとっ捕まえに行くか!」

「そうね、とっとと捕まえてユーメリアに帰らなくっちゃ」


俺達はクルセイドの王宮へと向かった

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