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全部神様が悪い  作者: 無二エル
ホメロス王国編
9/134

009 カントナの支配

貴族のほうは煮詰まってます

次の日


朝御飯を食べ出発

次の街カントナまで馬で4時間


「今日はカントナまでかな?」

「カントナから首都までは馬で3時間らしいけど」

「ホンダが可愛そうです」

「そうだな、4時間だって大変だ」

「でも、カントナは治安が悪いらしいのよ」

「女3人だと危険かな?」

「美人が3人ですからね」


今日も朝からナンパされた

10歩あるけばナンパされる

人が多いであろう首都に行ったらどうなるんだろ


「取りあえず、カントナに行ってから考えるか」

「私達は強いから大丈夫だとは思うけど」


そういう慢心に脚をすくわれないよう気をつけよう


街の出口に立ってた衛兵にも注意される

あんたらみたいな美人がカントナになんか行くものでは無いと

じゃあ回り道をしようかと聞くと、かなり戻って遠回りしなければならないらしい

協議の結果、カントナへ行く事に

衛兵には魔法があるから大丈夫と安心させた


出発から3時間

ここまで盗賊に会わなかったが

囲まれてるな

道を外れた林の中に相当数の男達が距離を取って併走して来ている

こっちは馬だ

追いつけはしないだろうが


「道を塞がれたら前後から挟み撃ちよ、どうする?」

「50人以上いるな、魔法で突破は簡単だけどさ」


あ、矢を放たれた

馬の前を狙ったものだ

足止めが目的か

魔法の火の玉で落とす

魔法を見せてしまったからどう出るかな


「・・・まだ追って来るわね」

「数が多いから勝てると思ってるのかな」


その時前方に男が5人現れ道を塞がれた

サテンが弓を構える

お、撃った

矢が前方に飛んでいく

5人のうちの一人が素早く動き、剣で弾いた

結構な手練れかも知れない

馬をゆっくり止め、相手の出方を待つか

囲まれる

横から、後ろから

追いかけてきてた奴らが組織的に動き、円を作り、一定の距離を取って逃げ道を塞いだ


「盗賊か?」

「へっへっへ、見りゃ解るだろう」

「そうか」


自分を中心にドーナツをイメージ

中心以外にイナズマを落とす


『ぐわああああああ!!』

『ぎゃあああああああ!!』

『ほげえええええ!!』


終了


「あっけないわね、手練れも居たのに」

「黒焦げだな、自慢の剣技も無意味だ」

「ぅぅ、タカネとは喧嘩しないわ」


「こいつら寄付金を持っていないわね」

「うーん、アジトに置いてるんじゃないか?」

「1人起こして取りに行く?」

「そこまでしなくても」


それじゃあどっちが悪者だか解ったもんじゃない


「こんなに居るのに収穫無しか・・・」

「仕方ないだろ、それが目的でやっつけた訳じゃないよ」

「2人共、先を急ぎましょう」


そうだそうだ

時間がもったいないから早く行こう

盗賊を放って先を急ぐ


街に着いた

結局盗賊は1組だけだったな


「お前達、どうやってここまで来た」


衛兵が2人立っている

1人の衛兵に話しかけられる

質問の意味が解らん

道を通って来たのだが


「盗賊が居たはずだ、この辺をまとめてる『黒狼団』がな」

「やっつけたけど」


あいつらがそうなのか

まとめてるから1組だけだったのか


「や、やっつけただと?」

「・・・何か問題でも?」

「そんなバカな」

「?」


なんか変だな

盗賊がやっつけられて動揺している

喜べよ、衛兵なら


「貴方達はどうして盗賊を野放しにしてるの?」

「・・・・・」


あらららら?

これはおかしいな

グルなのか?

あ、もう一人の衛兵がどこかに行く

こっちを気にしながら

明らかに様子がおかしい

誰かに何かを伝えに行くのだろうか

・・・・・


「首都まで行くか」


馬上の2人にそう伝える

頷く2人

2人も様子がおかしいと思っているのだろう


「ま、待て待て!少し待て!」


衛兵が止めに入る

なんでだよ


「どこから行くつもりだ?この街は左右を岩山に囲まれている、街の中を通らないと首都には行けないぞ」


ああ、天然の砦みたいになっているのか

上手い事出来てるな


「どうする?」

「通るか」

「明らかに怪しいですが」

「不安なら戻るか?すごく回り道になると思うが」

「2人を信用してますので」


衛兵が話を聞いているが無視だ

こいつはどうせ悪い奴だ


「馬を街に入れさせてもらうぞ」

「ああ、だが降りて牽いてくれ」

「2人共、俺から離れるなよ」

「はい」「うん」


街の中へ入って行く

細長い街だ

首都から近いのに整備が出来ていない

ぬかるんだ泥道に足を取られる

道端の子供が不安そうにこちらを見ている

よそ者が珍しいのか?

家々もあまり綺麗では無い

開けっ放しの窓からお年寄りがこちらを見ている

悲しげだ、何か言いたそうだが


それとは別の影がついてきている

家々の裏をいくつもの影が

さっきと同じだな

おびき出して挟み撃ちか

だったらこの後、前方を塞がれるのかな

相手の作戦が解って居れば対処の仕方も簡単だ

俺はイメージトレーニングしながら前に進む


また悲しそうな顔をしたおばさんが目に入る

たぶん、悪い人では無いだろう

何かに逆らえず何も言えないのか

俺達の行く末を案じて悲しんでくれているのか



街の中央あたりまで来ただろうか

道の真ん中に一人の男が立っている

中年のイヤラシイ顔をした男だ

身なりの良い服を着ているな

道は広いが邪魔だな

明らかに通れなくしている


「何か用ですか?」

「私はこの街の代表を務めます、ミゲルと申します、大変お美しいお嬢様方に挨拶をと思いまして」

「挨拶は結構です、先を急いでいるので通してください」

「それは出来ません」


建物の陰からたくさんの人間が飛び出してくる

俺達を囲むように円を作る

100人以上居るかも知れない

さっきと一緒だな

全方位を相手に出来ないと思っているのだろう

だからこの陣形なんだな


「歓迎はありがたいが急いでいるのでね」

「・・・捕まえろ」


イヤラシイ顔をした男がそう言った

一斉に男達が動き出す

俺は前方以外の3方に魔法で土の壁を作る

3mくらいの壁だ

壁の裏からぶつかる音と悲鳴が聞こえる


「な、なんだと」


イナズマ使えば簡単だけど回りの家に民間人も居るかもしれないからな

とりあえず敵を一方向だけにした

死なない程度の火の玉を飛ばす

状況を理解したカオリが壁の切れ目で敵を迎え撃つ

サテンも足を狙って弓を連射する

あっと言う間に倒れた人の山が出来上がる

壁を回り込んで来た敵も姿が見えた瞬間ぶっ倒れてしまう

ヌルゲーだ

無双ゲームのイージーモードだ

人の山が邪魔だ

水の魔法の水圧で吹っ飛ばす

道が出来た

新たに飛び込んで来ては崩れ落ちていく敵の人達

ちょっとは警戒したら良いのに

作戦が一つしか無いのか?

お、左後ろ後方に違和感

3mの壁を上って来てる奴がいる

火の玉発射

向こう側に落ちた

また人の山が出来て来た

もう一度水圧で飛ばす

人の波が途絶えた


「壁、消していいかな?」

「大丈夫じゃない?結構倒したわよ」

「弓を構えておきます」


魔法の壁を消す

7、8人残ってたがすぐに蹴散らした

さてと

前方に立ちつくしている男の方を向く


「な、なんだと・・・!」

「ミゲルさんだっけ?あんたが首謀者だよな?」

「うぐっ!」

「街を通る人間全員襲ってるの?」

「し、知らん」

「知らん事は無いでしょ、捕まえろって指示出してたでしょ」

「し、知らん!そいつらが勝手にやった事だ!」


ぶっ倒れて呻き声を上げている一人を起こす


「そうなの?」

「・・・うう、俺達は、、、ミゲルの指示で・・・」

「こう言ってるけど」

「し、知らん、ウソをついているんだ!」


まだしらばっくれる気か

誤魔化せるはずも無いのに

愚かな人間はどこまでも愚かだ


「イテッ!」


石が飛んできた

ミゲルに

回りの家から出て来た人達が投げている


「ウソつき!お前のせいでウチのお父ちゃんは!」

「偉いからって酷い事ばかりさせて!」

「自分ばっかりお金独り占めして!」


うずくまるミゲル

四方八方から石が飛んでくる

・・・因果応報だとは思うが、死んでしまいそうだな


中東の国はそうだよな

目には目を、歯には歯を

日本人の俺から見れば、やり過ぎなんじゃないかと思うニュースも良く見た

文化が違うと言ってしまえばそれまでだが

かと思えば日本でも罪を犯して軽い刑罰で済んだニュースを見て憤慨した事もある

人間なんて勝手なものだ

立場が変われば考え方も変わる

対岸の火事には目もくれない

当事者になってみなければ本当の怒りも理解できない


カオリがオロオロしている

どうしていいか解らないのだろう

俺も正解が解らない

自分たちのモラルを押し付けようか

この世界のやり方を見習うか

郷に入っては郷に従え

あれは正しい言葉だと思ってた


それなのに見てられない

人が傷つくのが忍びない

悪人でも心が痛い

自分の心が傷つく事に耐えられない

自分が甘い国から来たんだと心から思った


俺はミゲルの回りに土の壁を立てた


「! どうして!」

「な、なんで庇うの!」

「悪い奴なのに!!」


「首都から役人を呼んでくる、お前達が手を下す事は無い!」


「そ、そんな!」

「また悪い事するのに!」

「殺しちゃえばいいのに!」


「だったら最初から逆らえば良かったんだ、出来なかったクセに何を言っている」

『・・・・・』

「人の手柄に乗っかって、今までの仕返ししようだなんて図々しい」

『ぅぅ・・・』

「ここは俺が預かる!文句があるなら逆らってみろ!!」

『・・・・・』


誰も来ない

力には逆らえない

今までと一緒か

それも仕方ない


「俺は残る、2人は首都に行って役人を呼んで来てくれ」

「で、でも」

「盗賊に気を付けろよ、この先にもこの街の連中が罠をはってるかもしれない」

「タカネ一人で大丈夫なのですか?」

「ああ、俺はお前等の方が心配だ」

「だ、大丈夫よ、任せておいて!」

「頼んだぞ、カオリ」


2人を乗せたホンダが駆けだす

この騒ぎにも動じない良い馬だ

2人の事を頼んだぞ



街人達が立ち尽くしている

俺を睨んでいる者も居る

だがその場所からは動けない


首都まで3時間、往復で6時間か

暗くなるな

役人の動きが遅ければ明日になるかも知れない

構わない、待つさ


ミゲルを覆った土の壁

これは放っておくと消えるのかな

隙間から見てみる

ミゲルが震えている

お前が悪い事に変わりは無いんだ、そこで反省してろ


一人の少年が出て来た

コップに水が入っている

飲めという事か?

大丈夫だろうか


「僕達だって嫌だったんだ、でも力が無いから・・・」


泣き崩れる少年

この年で力が無い事を認めてしまっている

強がりたい年頃だろうに

弱いと諦めるには早すぎる年齢だ

色々あったのだろう

通りすがりの俺なんかが想像できないような事が


「首都に向かう道に街の皆は居ないよ、安心して」

「そうか」

「逆らえなくてごめんなさい、何も出来無くて・・・」


・・・俺に謝らなくていい

俺にはお前たちの悔しさが理解出来てない


「あ」


ん?

少年の視線が俺の下半身に

その目の高さだとスカートの中が・・・


「・・・ごめんなさい///」

「・・・・・」


俺はコップの水を飲みほした



3時間ほど経ったかな

そろそろ夕暮れだ


街に入ってきた方向から人の姿が見えた

ここに来るまでの道中でやっつけた奴らだ

黒狼団とか言ったか?

なんの事は無い、この街の連中だ

御大層に名前を付けているのは何でだろう

街ぐるみで略奪してた事を隠すカモフラージュだろうか

カントナ団とかじゃマズいもんな

理由は良く解らん


この場まで来て状況を理解したのか立ち尽くす黒狼団

何人かは崩れ落ちている

絶望というよりは安堵の表情で

終わった事を理解したのだろうか

解放された気持ちなのかもしれない


一人が襲い掛かって来た

あの矢を叩き落とした手練れだ

俺はイナズマを落とす

一瞬硬直し、そのままの姿勢で倒れる

学習して無かったか


街の連中が手練れの手足を縄で縛った

そいつも首謀者の1人なのか

石を投げず、俺の提案に委ねるらしい



暗くなった

皆その場から動けない

お腹も空いてるだろうに

赤ん坊の泣き声が聞こえる

事の顛末を確認せずには終われないのだろう

この街の転機かもしれないのだから



・・・馬の駆ける音が聞こえる

それも複数

次第に大きくなってゆく

こっちに来る


見えて来た

騎士かな?

騎士が3人とあれは・・・

サテンとカオリだ


俺の前に止まる騎士達


「お前がタカネか!私はホメロス王国の騎士アズバーンだ!状況を報告しろ!」

「膀胱がヤバイ」

「な、なんだと?!」

「トイレ行かせて」


さっきの水は大丈夫だったが、すぐにおしっこしたくなっちゃったんだよな

善意と言う名の地味なトラップ

少年の無垢な心遣いが仇になった



「ふう」


近くの民家でトイレを借りた

危ないとこだった

水の魔法をいきなり天に発射して、色々混ぜて誤魔化そうかと思ってた

そうならなくて良かったよ



「で、ミゲルが街の住人をそそのかし、略奪をさせていたと」

「ああ、そこの縛られてるヤツも主犯格だと思う、街の皆の話も聞いてくれ」

「解った、もう少し待っててくれ」


俺はサテンとカオリの元に


「馬借りたのか」

「ホンダは今日走りすぎで可哀そうだったので」

「急いで戻ってくれてありがとう、助かったよ」

「膀胱のピンチだったね!」

「ああ、マジでヤバかった・・・」


街人達が喜んでいる

支配からの解放

我慢した後の解放は格別だ


それが支配であろうと尿意であろうとな!

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