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全部神様が悪い  作者: 無二エル
ピエトロ王国編
83/134

083 手助け

ユーメリアの大会まであと一週間

調子を取り戻したカオリは今日も元気にハンター業へ行く

雪が降る前も忙しかったが、今は冬眠明けのモンスターの駆除に忙しいらしい

昨日またドラゴンが出たらしいし

討伐にはカオリとサテンが参加した

俺は見に行かなかったけど楽勝だったって


「メアリーも冬の間に鍛えまくったら、そろそろマンティコアに挑戦したいら」

「大丈夫かなぁ」

「心配し過ぎら、いざとなったら指輪使うから大丈夫ら」

「そっか、いつまでも心配しててもキリが無いしな、俺はついて行かないけど気を付けるんだぞ」

「慎重に行くらー」


メアリーは今日休みなのか

メアリーも順調に育っている

マンティコアを倒せば上級だ

だが上級は強敵揃いだからな

慎重に行くんだぞ


「なあ、カオリについて行くメイドちゃんは誰になったの?」

「今回はシオンですわ」

「クーリエはまたお留守番か」

「留守はしっかりお守りします」


「クリスティも行きたかったです・・・」

「20傑は帯同できないもんな」

「タカネ様と同じ宿に泊まれたらよかったんですが」


クリスティも最初は行きたがったがペガサスの馬車が空いてなかった

各国の代表を迎えに行くんだから仕方ないよな

どのみち誰かがジルと留守番しなければならない

クリスティには申し訳ないが留守を守ってくれ


「ジル、お前もメオラで大金稼いだんだから好きな国行って好きなように生きても良いんだぞ?」

「こ、ここに居るのは迷惑でしょうか?」

「そんな事は無いけど窮屈な暮らしじゃないか?違う大陸にでも行けば自由に暮らせるんじゃないかな」

「ラムドール大陸ですか?お金も変わってしまうし言葉も多少違って来ると聞きました」

「換金できないのかな・・・」

「・・・うう、やっぱり邪魔なんですね」

「え?ちょ、泣くなよ」


ジルの為を思っての提案だったのだが嫌だった見たい

外にも出れないんじゃ不便じゃないかな

引きこもりってやつなのかな


「うーん、しばらくは居ても良いけどお前が見つかったら大変な事になるんだからな、それは肝に銘じておいてね」

「はい・・・」


魔法水晶を作ってしまったんだからな

最近魔法水晶が稼働し始めた国に居ちゃマズい

まあ外に出なけりゃ見つかる心配も無いかな


「タカネ様、お茶が入りましたなの」

「エリーゼ、ありがとう」

「タカネ様は鍛錬してるなの?」

「うーん、最近はカオリの付き合いばかりでなんもしてないなー」

「そんな事ではカオリ様に抜かれてしまうの」

「それでも良いよ、俺はもう何かを目指すのはやめたんだ」

「勿体ないなの・・・」


エリーゼ、そんな顔するな

俺だって勿体ないとは思うけど、仕方ないじゃないか

何かをしようとすれば悪い方向に転がるんだ・・・


「でも魔力は増えた気がするよ、魔法石ばっか作ってるからかな」


先日手に入れた8カラットの方も2日で仕上げた

5カラットと一緒に鑑定した結果


カラット    力   素早さ  魔力

0.5    1.5倍  1.5倍   2倍

  1      2倍   2倍    4倍

  2      3倍   3倍    6倍

  3      4倍   4倍    8倍

  5      6倍   6倍   12倍

  8     10倍  10倍   20倍

 11    15倍  15倍   30倍


カオリは今5カラットを使ってる

クリスティが2カラット

サテンが1カラット

メアリーとジルとメイドちゃんが0.5カラット


「メアリーもそろそろ1カラットが欲しいら、鍛錬が物足りなくなって来たら」

「そうか、じゃあ作って来るよ」

「ありがとうら、タカネは太っ腹ら」


・・・自分が何も出来ないから人の成長が楽しみになっちゃってるな

はあ、虚しい人生・・・


宝石店で1カラットのダイヤの指輪を買い、すぐに魔力注入


「ほれ、メアリー出来たぞ」

「タカネは仕事が早いら、大切に使わせて貰うら」

「早速使うのか?」

「そうら・・・むむ、これは慣れるのに時間かかりそうら」

「じっくりやれよ、体壊したら意味ないんだからな」


新しい指輪を付けて鍛錬を始めるメアリーを見つめながらお茶を飲む

細マッチョが居るな

なかなかの体になって来た


「メアリーもこのままハンターでいいのか?他の仕事を探しても・・・」

「ハンターが一番儲かるら、メアリーは貧乏だからもっと儲けたいら」

「そうか、最近ビックフットはどうだ?元気か?」

「元気ら、大会前にまたムスタングに乗って会って来るら」

「そうか」

「タカネも何かした方がいいら、人の事ばかり気にしすぎら」

「お、おう」


言われてしまった

痛い所なんだよな

目立ちたくないと言う言い訳を盾に行動をやめてしまっている

これじゃあ引きこもりと一緒だ

ジルの事言えないよな


「なんか薄給でもいいから仕事探すかな・・・」

「どんな仕事がいいら?」

「空いた時間で出来る仕事かな」

「メアリーは水晶に閉じ込められる前先生を目指していたら」

「ええ?意外だな」

「子供たちに魔法を教えるのが夢だったら」

「・・・今からでも」

「ううん、ムワードに居た頃は需要があったけど今は無いみたいら、弟子入りするシステムらしいら」


ムワードはメアリーの生まれ故郷、500年前に雪崩で無くなった村で少数の魔法使いが居たらしい

才能ある子供もたくさん居たのかな

しかし弟子入りか・・・


「教え方あるのかな?イメージするだけでいいって聞いたんだけど」

「魔法にもいろいろあるら、調合とか合成とか」

「ああそうか、薬とか作るやつか」

「タカネも弟子入りして習ってみると良いら」

「・・・いや、やめておくよ」


勉強は良い案だとは思ったが、習ったところでな・・・

それを生かそうとすれば弊害が起こる気がしてならない

キメラとかゴーレム制作とか錬金術も興味あるんだけど

そんなもん作ったら間違いなく問題が起こるに違いない

うーん、後ろ向きで良くない思考になってる


「でももし男になれる薬を作れるなら」

「そんな薬聞いた事無いら」

「胸を大きく出来る薬はあるのに?」

「性別を変えるなんて無茶苦茶ら、神への冒涜ら」


その神様が俺の性別変えたんだよ!

どこ行ったんだ俺の股間に有った物は!


「なあメアリー、生まれ変われるとしたら男と女どっちがいい?」

「男ら」

「おお、どうして?」

「みんなを守ってあげたいら、頼もしい存在になりたいら」

「メアリー・・・」

「タカネが楽になるら、みんなメアリーに頼るようになるら」


メアリーまでそんな事考えてたのか

俺って無理してるように見えるのかな?

・・・見えるよな、色んなもん諦めてるし

気付かないうちに心配かける結果になっていたとは

情けない・・・


「よし、俺もトレーニングするか」


300kmくらい走って来た

疲れた


サテンとカオリが帰って来た


「いやー今日のカオリちゃんは大活躍だったなー」

「はいはい、何をやっつけて来たの?」


すっかり元気になったカオリ


「サイクロやっつけたよ、それも2匹」

「そうか、もう余裕そうだな」


もう心配ないのかな

ついて行ったりするのはやめようかな


「サテンは野ウサギを狩って来ましたよ」

「こないだタヌキを助けてたのにウサギは狩るのか」

「美味しいんだから仕方ないじゃないですか」


そうか、美味しいなら仕方ないな

可愛そうだが美味しく頂こう


夕飯


「タカネ、最近お金全然稼いでなくない?」

「うーん、再生の杖で接骨院でも開くかな」

「別に良いけど、未だに使う機会無いよね、本当に効果あるのかな」

「そうだよな、一度試してみたいけど・・・」


ちゃんとくっつくのかな

ズレてくっついちゃったりしないのだろうか


「大丈夫ですよ、綺麗にくっつくはずです」

「そうなの?ジル」

「持ってる本に書いてありました、本当に伝説級の杖みたいです」

「へえ、そういう杖だって誰かが作ったって事なんでしょ?どうやって作るのかな」

「合成ですよ、伝説級の杖なので材料はさっぱりですが」

「ふうん・・・・・・蘇生の杖なんかもあるのかな」

「いえ・・・研究をしてる人は結構いるんですが成功例は無いです」

「そんなもんがあったらなんか怖いな」

「・・・ご飯がマズくなるからやめて」

「ごめんごめん」


人を生き返らせる研究か

なんかいかがわしいよね

さすがにそんな物は開発されないで欲しいな


・・・俺らって、生き返った事になんのかな

チート能力持ってよみがえりか

本当に何なんだろ、俺達の存在って


「ムワードの人達も生き返るら?」

「500年前の?そんな杖が開発されたらえらいこっちゃ」

「このウサギは生き返るら?」

「調理しちゃった物が生き返ったらえらいこっちゃ」

「うう、食欲がぁ」


カオリがげんなりしてるからこの辺にしておこう

そんな都合のよい物が開発されるはずない

せいぜい死んですぐなら生き返るとかそんなとこだろ


「タカネ、ユーメリアには一応再生の杖持って来てよね」

「俺がか?一緒に泊まるサテンのほうが良くないか?」

「サテンに使いこなせるのでしょうか?」

「俺だって解んないよ」


まあ一応俺が持って行くか

荷物が増えるの嫌だなぁ


「でも怪我には気を付けてよ」

「それは相手次第でしょ?クルセイド人なんて容赦なく相手をふっ飛ばしてたよ」

「そうなのか、乱暴なやつだったからな」

「それに手加減する余裕なんて無いよ、タカネみたいに怪我させず勝つなんて芸当は出来ないんだからね」

「そ、そうか」


解った解った

怪我くらいなら治してやるから思いっきりやってくれ


風呂に入る


「あーー」

「タカネ、おじさんみたいですよ」

「働いて無いのに疲れるものなの?」

「今日は300km走って来たぞ」

「鍛え過ぎでしょ、カオリも頑張らないと」

「300kmですか、サテンでは1カ月くらいかかりそうです」

「そのペースで鍛えられたら追いつけないよー」


もう色んな事を諦めてしまったが、俺だってやすやすと抜かれるのは面白くない

ならば高い壁としてそびえ立ってやろうじゃないか


「カオリは明日から大会まで仕事休むからまた手あわせと鍛錬付き合ってよね」

「いいけど体を休めなくていいのか?疲れを残さない方が・・・」

「大丈夫だよ、それより少しでもいいから強くなりたい」

「そうか、まあボロ雑巾にならない程度に鍛えてやんよ」

「ぐぐ、ただでは負けないからね」


それから5日間、カオリをケチョンケチョンに鍛え上げた

移動前日は休みにした、さすがに疲れを抜かないと

念入りにマッサージをしてあげたが余計疲れたような顔してたな

人が親切で体の隅々をあらゆる角度からマッサージしてあげたのに

最後には泣いてもう許してと言いながら気絶した

うーむ、よっぽど疲れが溜まっていたのかも知れない


翌日、俺達はユーメリアに飛んだ

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