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全部神様が悪い  作者: 無二エル
ピエトロ王国編
72/134

072 呑気

今回の龍が如くはハズレっぽいなぁ

「メアリー、ホンダとシャネルに会いに行こう」


サテンとカオリに頼まれてたからな

雪道の首都ランバートを放牧場に向かう

ムスタングはお留守番


「久しぶりだな、ホンダ、シャネル」

「寒くないら?毛が短いから心配ら」


確かに見た目は寒そうだな

その辺どうなんだろうか


「馬は暑さに弱く寒さに強いよ、それよりデートしないか?」


放牧場のおっさんにナンパされた

嫌だったので断った


しばらくホンダとシャネルをナデナデ

触らせてはくれるんだよな

乗っけてはくれないけど

1時間ほど時間を潰してさあ帰るか


「そんな訳でメアリーはビックフットに会って来るら」

「どんな訳だよ、山はここよりもっと雪深いぞ?遭難するなよ?」

「ムスタングを連れてくら、遭難したらSOSを出すら」


・・・まあそっちの方が安心か

気を付けろよ?夕飯までには帰れよ



--------------------------------------------



ホメロス王国メオラ

本日もダンジョン探索に向かう4人


「タカネに手紙を書いて来ます」


昨日は3200万査定のダイヤを見つけました

タカネはサテンが居なくて寂しくないですか?

サテンはとても寂しいです・・・っと


それではダンジョンに向かおう

昨日は地下3階を20部屋調べた

前回調べた分と合わせてこれで35部屋調べた計算になる

部屋はまだまだありそうだった

今日も頑張らなくては


ダンジョンに入る

地下1階、2階には全然モンスターが居ない

狩りつくしてしまったのかな

地下3階へ行き昨日の続きから始める

サテンはマッピングの用紙を広げた


「今日はこの通路から始めましょう」


地下3階も大分モンスターが減って来た

時折姿を見せるが昨日慣れてしまったので敵では無い

今日はたくさん回れそうだ

8部屋程回ったところで地下4階への階段を見つける


「どうする?」

「どうするって3階の探索がまだ終わっていません」

「そ、そうだよね」


カオリは先走るクセがある

サテンがしっかり決めていかないと

タカネにもリーダーを任されたのだから


夢魔をやっつけながら先へ先へ

今20部屋目

全然宝箱を見かけない

ジルは疲れてないだろうか?

今日は大丈夫そうかな

では続けよう


31部屋目

恐らくこの部屋が地下3階最後の部屋

敵は居ないけど・・・

あ、宝箱

おや、カオリが動かない

いつもなら真っ先に動き出すのに


「危険信号が出てるの」


カオリの察知能力が働いたみたいだ

カオリの指輪の察知能力は20m離れていても働く

サテンは5mまで近づかないと働かない


「あの宝箱が危険なんですか?」

「うん、それしか無いと思う」


タカネから貰った指輪の察知能力は罠にも働くのか

感謝するとともに手紙に書くことが増えた事を喜ぶ


「どうする?ほっとく?」

「ジルが遠くから魔法で攻撃しましょうか?」

「どんな罠か解らない限りは触らない方が良いんじゃないでしょうか?」

「洞窟が崩れるような罠もあると聞いた事があります」

「そうなの?クリスティ」


触らぬ神に祟りなし

今日はこの辺にしておこう

結局地下3階は66部屋

サテンはマッピングが完成した事に満足する

4人はその場を後にした



-------------------------------



サテンから手紙が来た


「3200万の財宝か、俺も行きたかったな」

「ただいまらー」

「おかえりメアリー」



--------------------------------


翌日

今日も4人はダンジョンに潜る


「手紙書いて来ます」


お元気ですか?タカネ

昨日は地下3階を制覇しました

財宝は見つかりませんでしたが、タカネの指輪がトラップにも働くことが解りました

良い指輪を頂いてありがとうございます・・・っと


さて、ダンジョンに行こう

地下4階の階段の前まで来る

モンスターには全然会わなかった


「さて、新しいフロアです、慎重に行きましょう」


カオリを先頭に慎重に階段を下りる

下が見えて来た、通路が一つだけ見えるが

狭いうねり狂った通路だ


「明かりを出して大丈夫ですか?」

「ここは安全地帯だと思います、お願いします」


階段の部屋にジルが明かりを出す

明るくなってから改めて見回したがやはり通路は一つしか無い


「この通路を進むしかないみたいね」

「慎重に進みましょう」


30mほど進むと大きな部屋が見えて来た

また広そうな部屋だな・・・


「・・・明かりを出しますか?」

「カオリ、気配は感じますか?」

「感じないけど、部屋の奥の方に居たら解らないよ」


・・・・・・

このままでは動けない

ここは明かりを出すしかないだろう

皆が構える

ジルが慎重に光を出す

天井に向かって光が登って行く

天井も随分高いな

部屋には何もいない

大きな通路が8つ見える


「・・・あれは」


クリスティが何かに気付いた

部屋の中央の床に何かある

フンだ


「恐らくケルベロスのフンですね、ケルベロスなら眠りの笛でグッスリです」

「本当?今回楽勝だね」

「他のモンスターが居ないとも限りません、慎重に行きましょう」


右の通路から行ってみよう

おや、随分長い通路だ100m以上歩く

カオリが止まった、気配を察知したらしい


「前からだよ」

「通路がうねって見えませんね」

「笛を吹きますか?」


いや、何か確認するまでは・・・


「進みましょう、壁を出す準備をしておきます」


5m進むと見えた、ケルベロスだ

すでにこちらに気付いていた

襲い掛かって来るケルベロス

通路全体に壁を出す

大きな通路だからジルに出して貰ったほうが良かったかも

通路全体を塞ぎきる事は出来なかったが、ケルベロスが通る隙間は無くなった

隙間からなんとか顔を出そうとするケルベロス

クリスティが笛を吹きだす

通路で吹くと結構響く

何が来るか解らない後ろも警戒しよう

ケルベロスが大人しくなっていく

壁の向こうで力なく倒れたようだ

カオリが音をたてないように壁の隙間から向こう側へ

ケルベロスの心臓を刺し、息絶えた


「ふう」

「笛の効果抜群ですね」


さて、壁を消して通路を進む

部屋に出た

奥に一つだけ通路がある

他には何も無い

慎重に通路まで進む

狭い通路だな、ひょっとして・・・


「いきなり階段の部屋だよ」


地下5階がある事が確定した



-------------------------



「あーあ、ういいいい」

「タカネ様、すごいあくびなの」

「退屈だなー」

「しりとりでもするの」

「やだー」

「た、タカネ、も、もうそろそろ」

「仕方ないな、休んでいいぞメアリー」

「らー」バタン

「空気椅子は3分が限界か、情けない」

「不甲斐ないら、クリスティを見習うら」

「それはやめておきなさい」


あーヒマだな

外は雪が降ってるし

何も起こらない


「タカネ様、おやつをお持ちしました」

「ありがとうクーリエ」

「た、食べさせてあげます、アーン」

「あーん」

「ぅぅ、クーリエたん・・・きっと取り戻して見せるら」


嫉妬に燃えるメアリー

また空気椅子を再開した

糧にして強くなるだろうか



-----------------------------



ダンジョン地下4階、5部屋目

4人はケルベロス4匹と対峙していた

クリスティが笛を吹いている

1匹はジルが壁に閉じ込めた

3匹がウトウトし始める

そのうちの1匹にカオリが止めを刺す

む、急所を外したのか

大きな咆哮をあげ暴れるケルベロス

他の2匹も起きてしまった

慌てて目の前のケルベロスに再度止めを刺すカオリ

他の2匹は逃げてしまう


「ご、ごめん、数を減らすチャンスだったのに」

「壁の中の1匹はどうします?」

「腕が鈍りそうです、クリスティにお任せください」


ジルが壁を解除する

ケルベロスがこちらに唸り声を上げる

クリスティがサーベルを抜いた

フェイントをかけながら、一瞬で懐に飛び込むクリスティ

心臓を突く

ケルベロスが息絶えた


「す、すごい」


カオリがつぶやく

元々ドラゴンを1人で倒せるクリスティ

今は指輪の効果で能力が上がっている

ケルベロスくらいなら敵では無いようだ


「今の所ケルベロスしか出てませんね」

「ここはケルベロスしか居ないのかな?」

「そうかもしれませんね、ですが気を緩めないようにしましょう」



----------------------------------



「タカネ様、気を緩めすぎだと思うの」

「ん?」


ソファに寝っ転がり、寝ながら紅茶を飲む練習をしてたら怒られた

口が横になった状態だと、カップに口が合わない

ペットボトルの便利さを思い出してた時だった


「こう背もたれに膝の裏を引っ掛けてさ、逆さになって腕をだら~んとしても気持ちいいんだぞ」

「パンツが丸見えなの」

「この状態で紅茶を・・・ガフッ!!ゲホッゲホッ!!」

「た、大変なの!タカネ様!」


怒られた

何やってんだろ俺


「サテン様達が頑張ってるのにハメを外し過ぎだと思うの」

「すみません、雪かきでもしてきます」



「タカネ様、え~い」

「シオン、やったな~」

「きゃ!つめた~い」


雪をぶつけあって遊んだ



----------------------------------------



ダンジョン地下4階、15部屋目


「カオリ!大丈夫ですか?」

「うん、かすり傷だよ」

「ジルが回復魔法を使います」


突然通路から突進して来たケルベロスにキズを追わされてしまった

凄い速さで壁も笛も追いつかなかった

入れ違いにカオリがケルベロスの足を止め、サテンが頭に矢を撃ちこみ、クリスティが止めを刺した

気を抜いていたつもりは無かったがやはり相手は強敵だ

かすり傷くらいで幸運だった


「それより宝箱だよ、地下4階初の宝箱」


罠は無い

それでも開けるときに緊張する

何かが飛び出して来る気がしてならない

慎重に宝箱に手をかける

・・・・・王冠だ


「綺麗ですね、タカネ様に似合いそう・・・」

「少し大きいかと・・・装飾品でしょうか?」

「・・・宝石がたくさんついてますが、魔法石は無いですね」

「ジル解るの?能力付加アイテムじゃないなら売却決定だね」


その後5部屋回って今日は終了

今日は計20部屋でやめておこう


「ジルさん、疲れましたか?」

「は、はい、3日連続働いて疲れてしまいました、すみません体力が無くて」

「いえ、無理もありません、明日はお休みにしましょう」



----------------------------------------



「へえ、俺の察知能力って罠にも働くんだ」


サテンの手紙が来た


「タカネをクーリエのパンツでおびき出して落とし穴に落とす作戦が破綻したら」

「お前は俺を何だと思ってるんだ」

「取りあえずこの部屋の扉にパンツを仕掛けておいたら、開くとタカネの頭に被さり目隠しになる計算ら」

「どんぶり勘定だな、罠とは言えないから察知出来て無いよ」

「眼を塞がれたタカネはあちこちに足の小指をぶつけ悶絶祭りら」

ガチャ「お茶・・わあ!み、見えないの!」

ガタッ「だ、大丈夫かエリ・・痛え!テーブルに小指ぶつけた!」

「計算どうりら」



----------------------------------



ハンター組合へ行く

王冠は5500万だった

ジルがまたもビックリしている


「はあ・・・これで合計8700万ですか」

「ピエトロだと値段変わるかもしれないけどね」

「保管どうしましょう?持ち歩けない事は無い大きさですが、戦闘で壊れてしまうかもしれません」

「ホテルのフロントで預かって貰っては?信用あるホテルなので大丈夫かと」


クリスティが言う通り貴重品を預かって貰えるようだ

ついでに一昨日見つけたダイヤも預ける

これが担保になり、5日目以降泊まっても先払いしなくて良くなった

4人が戻らない方がホテルは儲かるだろう


夕食を取り風呂へ


「ふう・・・タカネは元気にしてるでしょうか」

「ペガサスの馬車が飛び立つときに見たタカネ様の悲痛な表情が目に焼き付いてます」

「意外と気楽にやってるかもよ?」



--------------------------------------



「メアリーさん!クーリエのパンツをなんて事に使うんですか!」

「うう、ごめんなさいら」

「もう知りません!嫌いです!バカ!」

「そ、そんなぁ、クーリエた~ん」


メアリーが土下座で許しを請う姿を見つめながら紅茶を飲む

ズズズ

ふう、平和だな

もう安心かな

俺が魔法水晶を一人で作った噂は日を追う事に書き換えられてる

窓の外を見る

夕闇の中にぼやけた光が見える

あれは街燈の明かりだろう

魔法水晶が稼働し始めたようだ


「あれは王宮近くだよな、こっちの方には街燈立てないのかな?」

「この辺は高級住宅街だから次に立てる予定らしいの、雪で工事がストップしてるの」

「そっか」


ピエトロは治安が良いけど街燈が立てば皆安心だろう

夜も出歩きやすくなる


「坂が多いので除雪に使う研究もしてるらしいの」

「熱を出すのかな、それだと水晶一つで足りるのかな」

「解らないの、難しそうな研究なの」


また作って欲しいなんて事にならなければいいが

・・・金庫の中にジルが作った魔法水晶があるんだよな

あれもどうしよう


「エリーゼ、おかわりちょうだい」

「あまり飲むと眠れなくなるの」

「乾燥して喉が渇くんだよな」

「しょうがないの、もう一杯だけ用意するの」


夜が更けていく

ん?ビックフットの遠吠えが聞こえる

寂しがってるぞ、メアリー

明日にでもまた行ってやれ

ピエトロに平和な夜が今日も訪れる

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