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全部神様が悪い  作者: 無二エル
ピエトロ王国編
60/134

060 約束

「カオリ、出来上がったよ」

「え?!もう?」


出来上がった魔法石をカオリに渡す


「効果は解んない、ひょっとしたら何の効果も無いかも」

「紫色が綺麗だねー」


むき出しの宝石だけどな

指輪にでもネックレスにでも勝手に加工してくれ


「むーん、力が強くなった様な気がする」

「そう?何かで試してみたら?」

「じゃあタカネ、稽古して」

「俺で試すのか」


外に出てカオリと稽古する

剣を構えるカオリ

期待してる顔だなー

果たしてどうだろうか


カオリが突っ込んで来た

早い!!!!

スローモーションになるがそれすらいつもより早い

慌てて避ける

あやうく一本取られるところだ


「す、すごい」

「スピードが上がってるな」

「剣の振り下ろしもビックリするくらい早くて焦っちゃった」

「・・・あ、倍疲れるようになるらしいから気を付けろよ」


カオリはニコニコだ

嬉しくて仕方ないみたい


「これで私も大陸20傑に」

「いや、ドーピングアイテムの使用は反則じゃないか?」

「そ、そうだよね」


詳しく聞いた事も無いけど

大会の時は鎧も着ないし武器も貸し出されるからそうなんだと思う


「もう一回試していい?」

「ああいいぞ」


カオリが再度構える

俺も油断せず構えよう

カオリが打ち込んで来る

それを避け、カオリの肩に木のエストックを打ち込む

カオリが反応した、エストックを弾こうとする

だが俺の方が早い、カオリの肩に軽くエストックが刺さる


「いたたっ!」

「ごめん、強く打ったつもりは無かったんだけど」

「ち、違うの、能力の上昇にカオリの体がついて行ってないかも」


剣を持つ方の腕を押さえるカオリ

素早く剣を振り過ぎたのか


「怪我したら困るから使わない方が良いかもな」

「うん、でもこれつけてトレーニングしたら成長早いんじゃないかな?」

「え?そんなことあるのかな」


100kgの物を持ち上げるより1tの物を持ち上げる方が成長が早い的な事だろうか

ドラゴン○ールの重力の宇宙船みたいな・・・


「解んないけど怪我にだけは気を付けてよ」

「うん、今日ハンター組合で鑑定して貰って来るね」

「ついでに宝石店でアクセサリーにして貰ったら?」

「そうだね、ピアスにでもしようかな」

「穴開けるの?今開いてないよね?」

「うん、でも興味はあったんだー」


ピアスなら邪魔にならなくていいな

ネックレスとかブラブラして気になりそうだもんな


「いけません、体に穴を開けるだなんて」


サテンに怒られた

シュンとするカオリ


「親から貰った体を何だと思ってるんですか」

「俺なら良いかな?体変わっちゃったし」

「いけません!」


何でだよ

親から貰った体じゃないぞ


「体にキズを付けるなんて何を考えているんですか」

「うーん、ファッションだしさ」

「タカネもカオリも十分綺麗じゃないですか、これ以上着飾ってどうするんですか?」


確かにな

男作る訳でも無いのに

見せるとしたらサテンとカオリだ

サテンが嫌がってるなら意味ない


「私は逆に価値を下げる行為だと思いますよ」

「解った、俺はやめておくよ」

「うーん、カオリも諦めるよ」


サテンがホっとする

サテンが嫌だと言うなら仕方がない


朝御飯を食べ、皆はハンター業へ行った

俺は相変わらず働かない

いや、メイドさん達を守りたいからだった

俺が作った魔法水晶で危険が及ぶかもしれないからな


「タカネ様、また下着が見えているの」

「・・・んー、ウトウトしてた」

「とても警戒してるようには見えないの」


まあまあ、まだ作ったばかりだしすぐには他国も俺が作ったとは探り当てられないだろう


バンッ「タカネ!」

「うおお、どうしたカオリ、仕事は?」

「休ませて貰った!それよりこの魔法石のことなんだけど・・・」


ハンター組合で早速鑑定して貰ったらしい

まず、紫色の魔法石なんて始めて見たと言われたらしい

その後詳しく調べて貰うと・・・


「力が4倍、素早さ4倍、魔力は8倍だと?」

「あと防御増加、魔法防御増加ってのも付くらしいよ」

「盛りだくさんだな」

「それだけじゃないよ、鑑定では出なかったんだけど・・・」


ハンター組合に行った時、お尻を触ろうとしてる男ハンターがなんとなく解ったらしい


「察知能力かよ、ズルいぞ」

「ズルいのはタカネでしょ!こんなすごい能力だったなんて」

「カオリ」ポカッ

「イタッ!え?何?」

「ごめん、察知能力試したんだけど」


ついでにスローモーション能力が付加されてないか試したんだが


「今のは早すぎるよ、叩こうとしてるのは解ったけど避けられなかった」

「そっか」


スローモーションは付いてないかな


「それにまさかタカネが私を殴るとは思わないもの、うぅ」

「ごめんごめん」ナデナデ


その後詳しく調べると20mくらいなら探知能力が働くのが解った

俺は50mだっけ

・・・最近察知能力も距離が伸びてるような気がするんだよな


「うーむ、しかし魔力8倍か、カオリには豚に真珠・・・」

「ちょっとーひどくない?」

「で、鑑定の値段はいくらだったの?」

「値段は出なかったよ、過去に例が無い代物なんだって」

「・・・うーん、また余計な物作っちゃったかな」

「こんなアイテム持ってると知れると狙われちゃうかも」

「そうか、じゃあ返してくれ」

「嫌だよ、もうカオリの物だからね!」


なんだよ、脅かしておいて・・・


「でもサテンにも作ってあげてよ、察知能力があると安心感が違うよ」

「ん?でも体に負担掛からないかな?」


カオリはエメラルドのスイッチ持ちで丈夫な体だ

それでも朝、腕が痛くなったって言ってたじゃないか


「うーん、いきなり力や素早さが4倍じゃ体が持たないかもね」


サテンは今魔力が1.5倍の腕輪を付けているが


「じゃあもっと小さい宝石で作ってあげてよ」

「小さいと能力増加値が下がるんだっけ?」

「うん、そう聞いた事あるよ」

「ちなみに腕輪と併用できるの?」

「出来ないよ、能力アップアイテムは1つしか発動しないよ」


へえ、そうなんだ


「1つの指輪に力が上がる宝石と魔力が上がる宝石を2個付けてもどっちか一つしか発動しないんだって」

「へえ、宝石1つの効果が乗っかるだけなんだ」

「だから一つの宝石にいくつも効果が乗ってるのは凄い事なんだよ、タカネのバカ」

「なんで最後に悪口言ったの?」


カオリがまた嫉妬した

こんな物作れるのはズルい!って顔してる


「あ、あと、自分で作った魔法石は自分には効果が無いんだって」

「へえ、そうなるのか」


いろいろややこしいな

取りあえずカオリと宝石店に行く


宝石店


「ほう、これは見た事の無い魔法石ですな、昨日お売りしたダイヤと大きさが同じような・・・」

「ち、違いますよ、昨日のダイヤとは別物です」

「はい、勿論1日で魔法石が出来上がるとは思ってませんが・・・」


ふうう、焦っちゃったぜ

また自分の首を絞める事になるかと思っちゃった


「戦闘中動かないようなアクセサリーにしてほしいんだけど」

「では指輪はいかがでしょう?」

「指輪か、カオリどうだろう?」

「ブリッジタイプは駄目かな、埋め込みタイプなら」

「3カラットの埋め込みとなると幅も厚みも結構大きくなりますが」

「構いません」

「土台の素材はどうしましょう?」

「ミスリルで」

「では10万アランになります」

「タカネ、どうぞ」

「え?俺が払うの?」

「プレゼントでしょ?」


・・・なんか納得いかねえな

明日には出来上がるって


「タカネ、サテンの宝石はどれくらいの大きさが良いかな?」

「うーん、解らん」


3カラットで力と素早さが4倍、魔力が8倍だっけ


「1カラットでもデカすぎるかな?」

「0.5くらいから試してみたら?」

「軽くいうけどさ、お金出すの俺なんだけど」

「カオリだって聞かれても解んないもん」


そりゃそうか

仕方ないな、0.5でいってみるか


「メアリーやメイドちゃん達にもあげないと可哀そうだよ」

「・・・確かにそうか、クリスティの名前が無いけど」

「クリスティはこれ以上強くなられると困るの!」


そういう訳にもいかんだろ

みんなを守ってくれてる訳だし

0.5カラットの透明度の高いダイヤを6個買った

60万だった


帰り道で早速魔力を注入してみる

6つとも完成した

ちょっと疲れが来たな


「あっさり・・・やっぱタカネは化け物だね」

「折角だし鑑定して帰るか?」

「うん、土台も付けて貰えば?」

「みんなの指のサイズが解らんよ」

「そっか」


ハンター組合に行き鑑定してもらう

6つともカ1.5倍、素早さ1.5倍、魔力2倍だった

数値はハッキリしないが防御増加、魔法防御増加も付いていた

どこで手に入れたのかと聞かれたがダンジョンという事にしておいた

あと、他言無用でお願いしますと一応言っておいた


「察知能力もあんのかな?」

「試してみようよ」


テストしてみると5mくらいで発動した

5mでも危険察知できるなら便利かな

家に帰ろう


今はシオンとエリーゼが居る

おっと危険は無かったか?

守るために家にいたのに何やってんだ俺


「た、タカネ様がシオンに指輪を?受け入れますわ!」

「な、なんか勘違いしてないか?みんなにあげるんだぞ」


シオンとエリーゼの指輪のサイズを聞いた

シオンの眼がハートマークだ

・・・2人分だけでも先に作るかな


また宝石店へ


「おや、先程お売りしたダイヤと大きさが似ているような」

「気のせいです」

「0.5カラットの土台ならすぐに準備出来ますが」

「ミスリルでも?」


良く出るものだから各サイズ準備して有るらしい

2つで10万か


「ちなみにプラチナだといくらなの?」

「8万くらいでしょうか」

「金なら?」

「6万です」


ホメロスではミスリルと金の価値はそれほど変わらなかったが、ピエトロでは結構違うんだな


「金は柔らかいので実際は他の金属を混ぜています」

「ああ、18Kってやつか」

「実際はプラチナと金の価値はそれほど変わりません」


ふーんまあいいや、ミスリルで

すぐに魔法石を付けて貰う

さあ帰ろう


「出来上がったよ」

「タカネ様ああ!♡」

「シオン、身を守るための指輪だからね」

「ありがとうなの」

「エリーゼ、売らないでね」

「わ、解ってるの」


能力が上がるので注意が必要と説明

慣れるまで無理はしないようにね


「まあ、水を入れた桶が軽々持ち上がりますわ」

「早く走れるの、買物に行ってきますなの!」


お、おう、気を付けてな

・・・あまり心配ばかりしてもキリが無いか


夕方、サテン達が帰って来た


「まあ、魔力が2倍に・・・」

「腕輪もあるけどさ、グレードアップって事で」

「ですが、以前も言いましたがアイテムに頼ると自分の力を見誤ってしまいそうです」


うーん、サテンは慎重派だな


「メアリーもいま中級だから力がいきなり強くなってしまうと解らなくなるら、最上級になってドラゴンをやっつけた時にでも使いたいら」

「そうか、確かにそうかもしれんが・・・」


取りあえず作っておくか

使う使わないは各自の判断って事で

4人の指輪のサイズを聞きまた宝石店へ


「どうも、また4つお願いします」

「おやおや、今日だけで6つも魔法石を・・・午前中ダイヤを6つ買われましたが」

「気のせいです」


出来上がった指輪をサテンとメアリーとクリスティとクーリエに渡す


「察知能力ですか?」

「ああ、後ろから攻撃されても解るぞクリスティ」

「そんなすごい能力が?」


クリスティの後ろから練習用の矢を撃ってやる

弦の音がしないように・・・

矢が5mに入った時点でクリスティが反応した


「こ、これはすごい・・・」

「使う使わないは任せるよ、感覚が鈍ると言う意見も多い」

「タカネ様のプレゼントを粗末には扱えません、一生身につけます」


重いんだけど

大陸大会の時は外せよ


サテンも一応は試してみるようだ

土の壁を出してみる

ドーンと大きな壁が出た

なるほどと頷くサテン

腕輪で慣れてるからそれほどの驚きは無い


メアリーも試してみてた

調子に乗ってすぐに魔力が尽きる

魔法が大きくなる分撃てる数は減る

その辺は把握できたみたい


クーリエも使おうかどうか迷ってるな

指輪をして走ってみるとビックリしてた


「能力が上がる分限界が早くなるからな」

「はい、限界を把握しておくことも重要ですね」


みんな解ってる様だな

俺はちょっと色々心配しすぎかもしれない


「うーん、指輪をなんとかして大会で使えれば・・・」

「カオリ、お前って奴は」

「え?!聞いてた?う、ウソだよ!ははは」


良くないぞ、ズルは

・・・勝っても後味が悪いんだぜ

ダイヤの能力を使って勝ったところでな・・・


「まあ大会で使うのは冗談としても、ドラゴンあたりに試してみたいな」

「うーん、なかなか出ないからな、ドラゴンは」

「そうなんだよね、どこかに手ごわい敵は居ないかな?」

「簡単に言うけどさ・・・あ、クルセイドって国はドラゴンしょっちゅう出るんだっけ」

「ええ?あの失礼な人の国でしょ?奴隷も居るって言う・・・」


大陸20傑20位を争ったクルセイド人イデア

能力であっさり勝っちゃったっけ


「あんまり行きたくない国だよ」

「そうだな、俺も行きたくはないかな」

「・・・メオラのダンジョンにまた行きたいな」

「ホメロスか」


・・・色々あった国だ

俺としては忘れたい国だが


「でも、中途半端で終っちゃったしさ」

「ああ、俺も心残りではあるけど」

「タカネは20傑になったからペガサスの馬車呼べるんだよね?」

「おいおい、さすがに今は無理だよ、俺は魔法水晶の事が心配でだな・・・」

「うん解ってるよ、欲が出ちゃった、ごめんね」


ホメロスを出る事になったのは俺の事情が原因だ

サテンやカオリには悪い事をした気持ちはあるんだよな


「・・・落ち着いたら、また行ってみるか」

「ホント?約束だよ!」

「マッピングがまだ途中なんです」

「さ、サテン、聞いていたのか」

「私も必ずついて行きますからね」


3人で約束した

心配事が無くなったら必ず行きたいな

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